こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

葬式っていつまであんな感じなの?

 やっと秋の感じがする。いいよね、この過ごしやすさ。

 歩いていればまぁ大丈夫、でも走ったら割りとすぐに汗をかく。そんな季節です。

 運動するにはいい感じになってきたな。昼はちょっと暑いかもだけど先月と比べると超まし。一ヶ月前だったら日々太陽にいい加減にしろって思っていたものだ。

 

 そんな時期なので、人の魂も落ち着きに落ち着き、もうそのまま腰を上げることも止めてずっと休もうと思うのだろう。秋の始めに親戚が亡くなりました。

 亡くなったからには本人の体が地上に残っている間のラストイベント 葬式が待っている。坊さんには出動タイミングだ。

 私も坊さんとだいたい同じタイミングで式を行う会場に向かうことになる。式場の入り口で坊さんにばったり会いました。頭を見れば何とも良い感じの剃り込み具合が確認できた。涼しそう。

 

 久しぶりの葬式だったぜ。まぁしょっちゅうあっても困るけど。

 この葬式なのだが、行くにあたって別段良い気はしない。まぁ人が1人いなくなった記念だから面白いこともない。

 その中でちょっと良いなってのは親戚が大集合すること。皆仲良しなので久しぶりに会えて嬉しい。向こうも私に会えて嬉しそう。良いことだ。

 ある程度生きていると気づくのだが、こうして誰か亡くなりでもしない限りこの人数が集まることはない。冠婚葬祭のどれかでもないと一箇所に集まる用事もないものな。

 そう思うとあと何度この人達に会えるのだろうとも思えてくる。生きている内が華で死んだら全部終わりなんだな。

 

 で、葬式が始まって終わっての感想。これがめちゃ疲れる。ダルい。

 亡くなった方には悪いが、正直な人間の感想としてこれはダルいって。

 

 まず葬式場で長めの式を行う。次は棺桶を火葬場に持って行って燃やす。そこからはだいたい映画一本くらい待ち。思ったよりも長い。

 骨になるのを待ったら骨壷に入れて式場に戻る。この段階で疲れもかなり来ているので帰りたい。ていうか腹減った。

 しかしそこでまた怖いニュース。骨になった後にも追いお経タイムがある。最初にやったやんけ。最後もやんのか。そのツッコミを心にしまっておけず、お兄ちゃんにしっかり聞かれてしまった。

 

 やっぱり思うんだよな。疲れすぎる。その原因は長すぎるから。

 現在はマジで色んなものが時短化されている。現代人はとにかく短い時間で用を済ませて他の事もいろいろやりたい。もっとそれを言う者は、マルチタスクで複数のことをたくさんやる。

 お分かりだろうか。世は公私共にタイムパフォーマンスを重視する時代となったのだ。

 

 でも坊さんと来たらゆっくりといつまで読んでだってくらいお経タイムを続ける。不謹慎だから控えた方が良い想いだとは分かっている。でもね、こういう時代になってもこの分野はどこまでも古からのペースで行くのね?そこにツッコミたくなる秋の始めである。

 

 そんで恐ろしいのが坊さんが読むお経の力よ。どういうことかっていうとマジに眠い。

 日々快眠の私がその日に限って睡眠不足だったということはない。全く眠くないのだ。そんな完全覚醒状態の者をすぐにも眠りに誘うあの力はどういうことなのだろう?

 最近コレと同じく不思議に思うのがASMRってやつなんだけど、あれもまるで疲れていない状態で聴いても寝ちゃうんだよな。15分と聴いてられん。

 

 坊さんって肺が強くて喉も良い状態になっているのか、息長く良い声がずっと出せている。あれって結構すごい。

 一緒にお経を読めっていうコーナーもあるのだけど、読んでいると息が苦しくなってしっかり読めない。あの尺をずっと歌っている状態なのは意外ときつい。私の肺が弱いのかな。

 

 日々読んでいる者はやっぱすげぇんだな。そして皆さんお声が良い。聴いていると心地よくなる。

 お経の基本ゆったりでたまに早くなったりするリズム感も人間を落ち着かせるベストな内容になっている。だから眠い。眠くない状態から聞いて割りとすぐの段階でそうなるからすごい。

 結果、めっちゃ寝ていた。隣の人間にも後ろの人間にも寝ているのがバレていた。後で笑われたりちょっと注意されたりもした。

 

 恐ろしいな。ああまで入眠促進効果があったとは。というわけで普段なかなか寝付けないって人は、お経のCDとかを聴きながら寝ると良いです。泣いてばかりで寝ない赤ちゃんにも良いかも。あっ、だったらYou Tubeの無料ASMRで良いか。 

 

 というわけで長いから疲れるしお経がマジで眠いってことを強く思い知った。結構寝ちまった!と思って途中で起きてもまだやっているからマジ長いなぁ~。

 

 とかなんとか文句を言うが、私は仏教が絡むこの手の事をバカにすることはしない。

 ここまでの内容がフザケた感想と思う人もいるだろうが、こういう儀式は高尚なものであって悪いとは思わない。

 

 かつて「天平の甍」というとんでもない仏教ロマン小説を読んだことがある。あれに感動したのです。

 海を渡り異国で仏教を学び日本に知識を持ち帰って文明開花と成す。命がけで何人もの僧がそれに挑戦したのだ。海を渡る段階で散って行った者も多くいる。向こう岸に着いたからと行っても全員が帰って来れるわけではない。帰れない不運もある。

 日本仏教は、決して少なくない犠牲の上で成り立った一級文化でもあるのだ。本に出てくる僧侶達の仏教に賭ける熱い青春物語を読んだらとてもバカには出来ない。

 だから葬式とかの宗教的なあれこれはすごいものだし坊さんもすごい。そんで偉い!

 

 文句も結構言ったがちゃんと良い想いも出来た。昼飯の寿司と終わった後のお土産の弁当が恐ろしく美味かった。あれは良いものだ。嬉しい。

 普段は食えない良い店の良い値段を取るメニューだからわざわざ疲れる想いをした価値がある。リピートしてぇわ。

 

 まぁたまにはああいう場も悪くはない。しょっちゅうは嫌だけど。

 結果的に良い式だった。亡くなった親戚も満足しているだろう。私の事も可愛がってくれた年寄りだった。

 

 生まれる命にはありがとう。終わっていく命にはこれまでお疲れ様。

 秋の始めに訪れた何かいい感じの出来事でした。

 

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