カレーが好きでない地球人はそんなにいないはず。カレーは惑星丸ごと単位でソウルフードである。
そんな感じで皆大好きなものだから、家庭でカレーを作るなら一度に結構多めに作りがち。カレーを一回作ったら家族全員で2周、3周するくらいいけるから、その分連続でメシがカレーになることも運命づけられている。
私はカレーに全然飽きないものだから最高で15食連続で食ったこともある。この時、体がカレーな反応を示すことがあるのだ。
ご存知の通り、人は口から得た物の養分を抽出すると余計な分は何らかの形で排出してしまう。カレーを食いすぎた場合、どうようにカレー成分が外に出るのかというと、なんと汗がカレーぽい色になるのだ。嘘みたいだが、私の白いタオルに微妙にキレンジャーカラーな染みが出来たことで間違ないと確認済みである。
そのカレーなんだけど、私のようにいつまでもイケるヤツは良いが、飽きるヤツは早くに飽きる。ウチのお兄ちゃんがそれ。
こないだのことだ。カレーをたくさん作ったから2食、3食と連続でカレーになることがあった。私はウェルカムだが、お兄ちゃんは早くも飽きていた。何か胃に来るから結構嫌になって来たと情けないことをほざいていた。
寝っ転がってスマホゲーで遊んでいるお兄ちゃんは、私に向かって「立っているならカレーうどんしてきて。ライスはきついわ」とオーダーを投げかけてきた。
オーダーを叶えるならまずカレーを温める。もちろんうどんも温める。2つをあわせて一品料理にする。料理なら大体おまかせの私からすれば全く難しいことではないが、ただ立っているだけの人間にそこまで色々やらせる?とは思ったけど、まぁいいかとなって願いを聞き入れてやった。
キッチンに行くとまず普通にかけうどんを作る。ネギ、乾燥わかめを水で戻したのも入れる。で、冷めたカレーをお玉盛々に入れたのをうどんにぶっ込む。そのまま鍋ごとお兄ちゃんの所まで持っていく。
彼は黙って2本、3本とうどんを食う。
で、急に喋りだす。
↓
「おい、なんでこれカレー色の汁なんだよ。カレーそのものをぶっかけて来いよ」
え、どういうこと?
詳しく話を聞くと、彼の求めるカレーうどんとは、カレーライス用に作ったそのままのドロドロを茹でたうどんにかけたものだという。私はよくうどん屋に出入りするのだが、そこでは出汁にカレーを溶かしているのだ。だから汁はさらさらの液体。
「これも美味いけど、やっぱり薄いからなんか違うんだよ。カレーそのもののドロっとさが良いわけよ。ていうか何お余計に格好つけたテク使ってんだ。ただ温めてうどんにぶっかけでいんだよ。出来るのおせーよ」
こいつぅ~。これは私だから無事で済んでいるけど、よその人間に言ったらクロスチョップで返答案件だぞ。
意外な真実だった。兄弟の間で共有するカレーうどんの概念が違っていて、実は共有出来ていなかった。
世の皆さんはどうなのだろうか。カレーライス用のドロドロをかけるのか、汁にカレーを溶いた上品なサラっとしたので行くのか。
本来のカレーうどんならどちらを指すのだろうか。確かにカレー味ではあるが随分と食感とかが違ってくるのかも。どっちでも美味いんだけどね。
微妙にムカつきもしたが興味深い案件でもあった。面白かったが押し勝ったからクロスチョップは封印した。
お兄ちゃんは遠慮なく&言葉多く文句を言った割には、汁まで全部飲んで完食していた。そんなお兄ちゃんのわんぱくな胃袋事情は可愛いものだ。
作り手としては、何も残さず食ってくれたら嬉しい。
結果良い話でした。カレーもうどんも日本人の一生のお供だ。皆大好き。
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