こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

年末年始は「機動戦艦ナデシコ」で楽しんだ

 You Tubeってなんて良いサービスなんだ。

 

 12月も終盤に迫ったところで「機動戦艦ナデシコ」が全話無料解放されていると知った。じゃあ見ようか。久しぶりに私もユーゲッタバ~ニングだぜ!

 

 にしてもこんな事して良いんだ。レンタルや課金サイトに行くことなく名作が丸っと全話見れるとか最高じゃないか。10年くらい前だったらこんなことまず無かったよな。

 最近You Tubeでサーフィンしていると色んなアニメがフルで見れるから楽しすぎる。おかげさまで見なきゃいけないBDの積み分が減らない減らない。でも楽しいから良いか。

 

 ナデシコは3年位前にBDで一気見したんだけど、可愛い楽しい格好良い!というわけで何回見ても問題ない。なので今回もしっかり見ました。

 

機動戦艦ナデシコDVD-BOX【期間限定版】

 

 このくらいの時代には、ロボ、萌え、オタッキーの要素があるものといえばエヴァナデシコかと言われていたという。古すぎて1秒もリアタイ出来ていないけど、私ならナデシコ派で論争に参戦したかも。

 エヴァはディープなオタク心をくすぐるもので、はっきり言ってロボものとして、萌えコンテンツとして、もっと広くアニメとして決して初心者向けではない。見れば分かるが難解でシリアスだ。女子が可愛くなかったらキショい化け物と戦う意味不明なありがとう落ちアニメだ。

 対してナデシコも落ちも見ればややイミフな感じもあるが、とにかくノリが軽快ポップで分かりやすく、萌えパレードな華やかさがある。オタク趣味の定番から何からごちゃまぜのカオス感があるが、エヴァよりはとっつきやすい。

 

 もうちょっと掘って行けば、両作の看板クールヒロイン枠として綾波とルリちゃんどっち派?という論争もあったらしい。そんなのやっているのが「バカばっか」なり「あんたバカぁ?」な話だからオタクって愛くるしいよな~(←どういう立場で物言ってんの?)。

 

宇宙戦艦ヤマト」から幾年と経って来た次の戦艦がナデシコなんてネーミングだから、イスカンダル到達までのカウントダウンをリアタイしていた勢は「何事?」と思ったことだろう。

 ヤマトガチ勢は、微妙に関連性が読み取れそうなネーミングのこちらをどんな思いでチェックしていたのだろう。そんな事を考えているとデスラーの血色の悪い顔が懐かしくなる。

 

 久しぶりに見てもナデシコはオタク心を弁えているな~。楽しいぞ。

 可愛い子ちゃんがいっぱい出てきて戦艦もロボのエステバリスも格好良い!

 アキトを取り巻く人間模様を見れば、高橋留美子のハーレムギャグのノリみたいな心地良さがある。結局オタクはこういうのが好き。そういや高橋留美子作品の「うる星やつら」の令和版2期もそろそろ始まりますね。そっちも視聴スタンバイしておかねば。

 

 キャラの華やかさ、ノリの良い団体芸、カオスかつおバカな展開を前面に出しているが、よくよく考えればやっていることはキツくてシリアス。ちゃんと戦争のキツさも描いているのだが、その上でああして賑やかに冒険の物語が展開するので、キャラクター達の多くが実に図太いといえる。これがナデシコクオリティ。

 

 こうして改めて見て検討すると、メインヒロインのユリカはもちろん良いが、メグミちゃんとかヒカルちゃんもオタク受けを心得ていて良いな。リョーコのツンデレも良い。女子キャラめちゃ可愛いな。

 

 ナデシコにはクルーのメンタルケアを叶える目的でセットされたバーチャル空間生成ルームがあり、そこでメグミちゃんがセーラー服姿になる回にやたらドキドキした事はずっと覚えていた。えらくいかがわしい使い方をされていてウケる。今回もキュンキュンしながらこの回を見ました。

 

 これが如何にオタクに優しいコンテンツかと分かる要素といえば、初っ端からうるさいガイの存在。オタクの視聴者目線に立った名物キャラでした。

 ロボアニメオタクで関智一のうるさい芝居が映える熱血漢。そしてあれだけグイグイくるのに即退場のノリは、笑って良いのか悪いのか戸惑う伝説的要素。今回視聴で改めて退場がスマートだとびっくりだぜ。

 後に顔も声も趣味もよく似た白鳥九十九が登場するが、こちらも死ぬから関智一は2度死ぬでお馴染みのコンテンツだな。

 

 序盤こそ一体何だか分からなかった敵勢力も実は人間であり、あっちもこっちもロボアニメが好きなあんちくしょうだった。

 劇中作のロボアニメ「ゲキ・ガンガー3」を通じて、それまで対立していた二者の心が繋がるという一見バカらしくもオタクソウルに訴えかける説得性ある展開が実にユニーク。

 ロボアニメは国境を越えて人間同士を結ぶという正解のメッセージを伝えている。

 

 しかしその裏では、全てがそんなに上手くいくわきゃ無いという厳しいことも言っている。

 正義は一つだなんてのは、アニメの都合の良い上辺の要素であり、実際に人が何人もいてごちゃ混ぜで戦争をしていれば正義は複数あり、それぞれがそれぞれの正義を譲れない。相容れないことで相手を撃つしかない流れにもなってくる。そういう都合も見えます。

 

 死んだと思ったヤツが生きていたというアニメならではの都合の良いシーンを見たミナトさんが、死んだり生きたり便利で良いものだと言っている所なんて実に現実味と皮肉さが伝わって印象的。

 

 木星トカゲ勢力では、ゲキ・ガンガーのヒロインのナナコさんが国民的ヒロインとして愛されている。

 そんな中、九十九はリアルの腐女子であるミナトさんと恋仲になる。それを友人の元一朗は面白く思わず、なんかうるさいことを言ってくるのだ。そこで九十九がナナコさんは所詮二次元の女だと返すところが面白い。

 それまで女子に行くなら二次元愛好家だった者がリアルを知り、リアルを知らない友人にも二次元の壁を破って外にいるリアル女こそ良いものだと言っている。二次元に捕らわれたオタクに現実という気付け薬を食らわす面白いシーンだった。

 

 オタク文化を愛でることを前面に出した作風であるのは間違いないが、アニメは都合が良いし、現実はそれ以上に厳しく難しい。当たり前だけどよろしければ目を背けたいオタク事情にパンチをかますセンスの良いシナリオ運びになっていた。オタクに優しくもあり、たまには突っぱねる厳しいこともかます点が印象的。

 

 メッセージ性としてそういうことも言いたい作風だったのかな。

 

 オタク心理として共感出来る良き作風であったのは間違いない。

 ザ・オタク心理をプッシュしてくれる良作ロボアニメだった。

 

 全話配信がかなり短く感じるくらいサクサク見れたぜ。

 ユリカのキャピキャピした感じをしっかり演じた若き日の桑島法子の演技が良い。すごいキレイな声してんな。

 先にガンダムSEEDのバジルールさんの芝居で彼女を知ったので、歴史を巻き戻ってユリカを見た時には芝居が違いすぎて「マジですか!」と驚いたものだ。

 彼女が歌うED曲「私らしく」も名曲っす。懐かしい曲も楽しんで良き年末年始の時間になりました~。この私も「私らしく」あることを今年というか生涯の目標にしたいところです。

 

 コレを見たきっかけで、次は「それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ」も見たいかも。

 DVDを持っているけど、わざわざ再生がメンドイお年頃になっている。全部配信サイトで見れると良いね。

 

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