こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

喧嘩してもやっぱり二人は仲良し「映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!」

「映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!」は、2006年12月9日に公開された劇場版アニメ。

 

 だいたい50分の愛しき物語。

 調べたところ、歴代プリキュア映画では最も尺が短い作品だとのこと。そして興行収入も一番低い数値を出している。

 SSは不遇と言う者がいるが、そんなことはない。これは良い作品でした。楽しかったです。まぁ時の運とかその他諸々の都合があって数字の結果は上下が出るものだから。

 

映画ふたりはプリキュア Splash☆Star チクタク危機一髪! [Blu-ray]

 

内容

 咲と舞の二人はカラオケ大会に挑む。

 がしかし、大会の朝になって咲がお寝坊様を決め込んで普通に遅刻。その間舞は古い時計店で時間を潰す。

 遅刻しておいて咲の態度には反省が見られない。それについて舞は当たり前のこととして不満気になる。

 こうして始まるギャルズのギスギス時間が今回のお楽しみ要素。

 

 カラオケ大会の途中に時間が止まる異常現象が起きる。同時に謎のうさぎと亀のちびキャラが現れる。彼らは「時計の郷」より迷い込んだチビだった。

 時計の郷は、時間を操る悪者サーロインによって侵略を受けていた。プリキュア二人はコレを打倒するため立ち上がるのだ。

 

 というわけで劇場版でも絶好調なり~!

 

感想

 まず最初の喧嘩の原因だが、これは咲が悪い。

 プライベートでもお仕事でも遅刻問題はだいたい叱られる。遅い、鈍いがスルーされることはほぼ無く、まず間違いなく文句を言われる。で、それは言われて当然。だから咲ちゃんはしっかり反省が必要です。

 

 これには優しい舞ちゃんもさすがにオコです。でもそれで良い。何でも笑って済ますのが優しさではない。別に怒らないで良い場面では笑って済ます、逆に怒るべき場面ではしっかり怒る。そこの選択が出来るのが正しき人間力であり、相手に対しては真に優しさでもある。

 

 咲が可愛いギャルだからまぁ良いかになるけど、脂ぎった臭いデブの同級生男子にこの遅刻をぶちかまされたらきっと殴る。←私の寛大さだとそこが限界。

 

 咲が遅刻したくせになんか態度が悪い。遅刻したからショートカットだと言って運動に慣れない舞には厳しいオフロードコースを選びやがる。それで舞が遅いと指摘してくるから「ちょっとお前よぉ、それは悪いだろ!」とツッコんでしまった。

 

 カラオケ大会のエントリー締め切りにも普通に間に合っていない。それなのに、優勝商品の商品券でアイスをめちゃ食いたいという正直過ぎる願望をぶつけてなんとかどこかにねじ込んでくれとスタッフに頼む咲きちゃん。お前図々しいぞ。結構図太い娘なんだな。まぁそういうところは嫌いではないが、遅刻を反省しないこととスタッフへの礼儀を欠いていることについてはしっかり反省だぞ。

 

 いざ自分達の出番が来たらテンパって歌詞が飛ぶ。咲、舞コンビ駄目じゃん。

 ここで時間が止まる異常事態発生。プリキュアの二人は動けます。

 時間が止まったらいたずらとか色々やりたい放題で面白そうと咲が呑気にユニークなことを言っている。これは「フラグタイム」的発想。オタクをやっていると、今見ているアニメの展開を見てまたよそのアニメを思い出して例えたりしがち。もうマジで脳内アニメ一杯状態の言動に出ちゃうのだ。←あるあるだよね。

 

 時間が止まると同時に謎のちびっこい亀とうさぎが登場。

 亀はアワーズ、うさぎはミニッツという。それぞれ時間、分を数える時に用いるワードだ。というわけで二人の仕事というか正体は、時計の短針と長針だった。ニコイチの二匹だな。結構おしゃれなネーミングセンス

 アワーズ役が菊池正美、ミニッツ役が先日お亡くなりになられたTARAKOと、どちらもちびまる子ちゃんに出演しているコンビになっている。TARAKOには今までありがとう。

 

 なんか自己評価が高い悪者のサーロインが颯爽登場する。美味そうな名前。

 声は速水奨。大物の悪党の感じがするぞ。

 こいつが結構強い。初戦でプリキュアを下してしまう。やるなぁ。

 一行はサーロインが開いた迷宮空間に閉じ込められてしまう。プリキュアが負けて閉じ込められるというピンチに陥る。

 

 敵が厄介なのに加えて更に厄介な出来事がプリキュア同士の喧嘩。カラオケ大会の件が尾を引いて戦闘での連携が取れない。

 二人の気持ちが合わさった時に本領が発揮出来るプリキュアパワーなのに、気持ちが離れたことでそれが発揮できず、最終的には変身が解けてしまう。ヤバい。迷宮の中で力も失ったら詰むぞ。

 

 テレビ版では見られなかったプリキュア同士の深めの喧嘩が見れるのが映画版の特権だな。そういや前作の映画でもキュアブラック、ホワイトが打撃を繰り出してのガチり合いをしていた。劇場版の度に揉める流れが出来つつあると当時の視聴者は心配したかも。

 

 フラッピ、チョッピに喧嘩すんなと指摘された時には、喧嘩の存在自体を否定してくる。意地になってマジでガチりあい始めるとそこでも意地になり、喧嘩していることも認めない。これはガチギレ人の特性として結構ありがちなやつ。私の同級生にもそういうヤツいたし。

 

 女子同士の友情に亀裂が入ったら、そこからの仲直りも見所。

 プリキュア二人が迷宮で離れ離れになり、それぞれ心細くて心が挫けそうにもなる。 

 咲がぐずぐず言ってもたもたしていつまでも舞の捜索に出ない。そこで檄を飛ばすアワードくんにぐっと心を掴まれた。

 友達が大事ならグズグズやってねえでさっさと立て!そんで探しにいけ!という内容をあんな可愛いサイズで熱っぽく言うものだから思わず感動です。良い芝居だったぞ。

 アワードが意外と胸に熱持つ良いヤツで好きになった。

 

 プリキュアが合流して二度目の変身をする時の変身シーンが特別製で良い。二人が友情を語る内にちょっとずつ変身が進んでいく。いつものバンクとは違うゆっくり変身で特別感がある。このシーンは美しい。

 

 そしてサーロイン討伐時の友情の叫びも良い。

 一人ではくじけて駄目になることもある。だが二人ならカバーして立っていける。だからプリキュアは二人なのだ。

 戦士が二人いることの必要性について、ロジックを解いてから正義のパワーをぶち込んで無事討伐する。スッキリでした。

 

 喧嘩しちゃったけど、ちゃんと修復して前に進めば以前よりもっと強い繋がりになる。友情を高めるには喧嘩も良いエッセンス。

 ギャルの友情は美しい。それと昔から女子同士のギスり合いを見るのが好きなので楽しかった。性格悪いかもだが、胃が痛む感覚もありつつ眺める険悪なムードに人生の実感を得るのです。それを得ることはなんだかんだ心地良い。まぁ人の喧嘩を面白がる野次馬根性っすね。

 

 というわけでプリキュア的時計じかけの摩天楼が面白かった。

 

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