こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

2024年のアニメ感想(7月~9月)その2

  もう9月も後半なのにお盆の時と同じくらいか、もしかするともっと悪化していないかってくらい熱気と湿気がすごいんだけど。マジで勘弁して欲しい。

 そんな中でも人ってのは、いや私という生物は、精神の根っこから反逆心を宿しているようだ。このクソ暑い中にあっても熱いうどんが食いたいし、コーヒーも絶対にホットが良いというわけでもっと汗をかく日々が続いている。あれだけ寒気を求めながらも胃に入れるのは熱々なあれこればかりなんだよな。まぁそれが出来るのも元気な証拠ってことで。

 そんなこんな汗でビチャりながらもアニメを見ることは止めない。で、見たからにはダラダラと感想を書くのも止めない。むしろ捗る!

 じゃあ今日も楽しいのとその逆でつまんないのと色々あった夏アニメを振り返りましょう。全部終わって振り返る頃には涼しくなっていることを期待しながら各作品の1話目を見たのだが、最終回を迎えてもまだ普通に暑いから地球も終わりが近いのかもしれない。私、心配です。

 

 

魔王軍最強の魔術師は人間だった

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 魔王軍のエースに骸骨男がいる。そいつの正体は、骸骨のお面をしただけでしっかりと人間だった。

 これが分かった1話目でタイトル回収終わり&1話切りポイント通過となった。でもこの私は、負けない、めげない、諦めないを信条としてクソアニメハンターの鑑をやっているので、タイトル回収が終わった1話切り作品であっても最後まで戦うのです。ちゃんと全話見ました。

 

 絵柄にくせがあってちょっと変な感じだった。そんなに絵が上手くない。

 タイトルからお察しの通り低クオリティ作品だが、メインどころで出演している福山潤伊藤静のことは応援しています。声優は好きでした。

 

 骸骨男がいて周りにはセクシーな師匠ヒロインがいる。部下が揃って骸骨男をわっしょいしてくれる。ここら辺のキャラ配置や関係性を見るに、同じく骸骨男コンテンツの「オーバーロード」っぽいと感じた。どこのアインズ様やねんと思って見始めた諸君も多くいたことだろう。

 ボスの魔王様がロリ少女なのは「勇者、辞めます」の魔王様と似ている設定。そんな少女魔王も悪くはないが、めっちゃ良いのかと言うとそこまででもない。

 まぁそんなこんな先達コンテンツの要素をちょいちょい足してまた新たに煮詰めたような感じで新鮮さ、新たな面白みもない感じ。

 

 主人公に仕えて食い物をつまみ食いをしてるメイドちゃんは可愛かった。 

 主人公にちょっかいを出してくるスケベな悪魔のヒロインを和氣あず未が演じているのはちょっと意外だった。優等生キャラの方を多くやるイメージがあったので、彼女の不真面目ヒロイン役は印象に残る。今後はもっとこっちの方面で行っても良いと思う。

 ヒロインからブス呼ばわりされる豚男の部下の扱いが酷い。ブスだって一生懸命生きているし、それはブスな彼自身でも分かっているのだから、そこでおまけの追い込みは止めてあげて。彼をブス呼ばわりするこの世界のノリにはちょっと傷つきました。←こんなアニメなんか見ておいて言う事マジメちゃんか!

 

ばいばい、アース

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 タイトルが良いよね。「ぼく球」とか「地球へ…」を思い出す。

 これはいつものクソふざけたヤツとは違う硬派なファンタジー世界な感じがしたが、ふざけたクソファンタジーに慣れすぎたせいか、硬派で行くスタイルが馴染まないというなんか変な反応が出た。←ヤバい。

 結果、全然ハマることなくお話もなんだったっけ?て感じ。何が悪いってこともないが、良かった点もあんまり言うことが出来ない。←もうアニメレビューに向いていないんじゃないかと思う。

 

 とりあえず目立って印象的な点といえば、字幕で出てくるこの世界だけの新語。1話目からもバンバン出ててくるやないか。どんだけ独自ワードあんねん。てな感じでツッコむのがちょっと楽しい。

 これら新語理解については、リアル世界で博識の優等生をやっている私の知識でも通用しないことから、誰が見ても初っ端の情報量が多いわ!となる。

 100均とかにあるパラパラめくる単語帳で英語を覚えていた同級生がいたが、あの感じで頑張らないと作中ワードが記憶出来ないぞ。とはいっても私は覚えが良かったものだから、ああいった単語帳を使用して学習したことがないのだけど。

 オタクコンテンツにお受験対策の風景がちょっとでも見えてくるのはちょっとどうだろう……という独自の妄想を含めたツッコミをしてしまったが、これはこっちの妄想の暴走のせいであって作り手の罪ではないと想います。

 

 女主人公の冒険ものなのか。最近は異世界女の役が多いファイルーズあいが主演。主人公のラブラック=ベルの名前は素敵だと思う。語感良く覚えやすい。ネタ要素の無いショートヘアヒロインで見た目も結構好きでした。

 主人公が両親に大事にされていたと分かったところで旅立って行くエピソードはええ話やなぁと思った。

 たまにオスのウサギ人間が出てくるが、オスのケモミミにはときめかないので困りました。ていうか萎える。

 

 シナリオについて深く感想がないのだが、とりあえず2期が決まったというのでシナリオがよく分かっていない中でもまたチャンネルを合わせようと想います。意外にもまだばいばいするには早かった。

 こうして特に面白みを感じているわけでもないのに何でも見ていくスタイルの私ってば本当にチャレンジャーだな。アニメと私が真にばいばいする日はまだまだ先のことだ。

 

小市民シリーズ

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 あの気になる青春ミステリー「氷菓」と同じ遺伝子を持つめっちゃ地味な小市民ミステリー。

氷菓」にあった青春の甘さ、「気になりますっ!」の要素、そしてヒロインのえるたそを抜いた上で展開する類似作品として見ていこう。←普通にめっちゃパワーダウンしとるがな。

 

 まずは主人公の小鳩くんの髪型と顔が間抜け過ぎる。なにこの弱っちそうなモブい見た目。まずは彼に笑った。

 小鳩くん、見るほどに魅力がないなぁ。そこはザ・小市民思考で大人しくまとまったキャラデザで徹底するのか。全然イケメンじゃないから焦って萎えた。

 

 小鳩くんを演じた梅田修一朗は、今期は3作も主演で出ている。彼にとっては小市民らしくない快進撃の夏になったなぁ。たくさん出ている彼の事も最近は気になりますっ!

 本作の他には「先輩はおとこのこ」「負けヒロインが多すぎる!」でも主役で登板している。どの主人公くんも冴えない童貞みたいな感じで、今時のラノベ主人公な感じの役で連投しているのな。でも本当にそんな感じのする声。←コレは文句や中傷でなく、キャラにマッチした声で良いということで褒めています。冴えない童貞でいることに罪があるなんてことは全くありません。

 

 ヒロインの小佐内さんも華がないなぁ。ちっこくて可愛いのだけど、なんかちょっと面倒臭くて怖い子だったし。割とサイコパス寄りの子なのかな。

 この子をただ菓子を食っているちんちくりんだけで終わらせず、後半で覚醒させて歪感あるキャラに仕上げてきたのは意外性があって良かったと思う。

 最初と最後で印象の変わる子だった。青春なんてのはある程度は歪なもの。歪なヒロイン性が光る小山内さんのキャラ性にはパンチが効いていた。

 この手のボソボソ言って影がある女をやらせたら優秀な羊宮妃那の芝居も良しだった。

 

 キャラ性として悪くはないが、メインの二人どちらとも友達になりたくないなぁと素直に思った。私も結構小市民思考なはずなのにな。

 

 毎度起きる何かしらの事件解決のために推理する流れになるのだが、その事件がくそしょうもなくてめっちゃどうでも良い。これは逆にすごいかも。こんなにしょうもない話で1クール行けちゃうんだってのが新発明だったかも。

 マキシマムよりもミニマムに絞った暮らしとミステリーをってことなのか。この小市民然とした狭まったマインドで展開する内容は地味だが、その地味さが嫌いじゃない。だんだんクセになる良さがあるとも言える。

 

 所詮何も持たぬ小市民の日常から魅せる一大事件を錬成して見世物へと昇華する。マジックにも等しいその展開を生み出して攻める発想とチャレンジャー精神は良い。

 これもインテリジェンスの産物なので、それがゼロの異世界ラノベものと比べればぎっしりと面白みが詰まっている。詰まっている分には良し。

 

 でもね、最初のカバンが無くなった、その後にはチャリが無くなった、ココアの作り方の謎、ロシアンルーレット菓子の謎などなど、やっている事がめっちゃバカい。

 高等技術を用いてくそしょうもないカラクリを解き明かすみたいな、スペックのミスマッチぶりがなんか笑える面白みになってくる。

「1+1=2」の簡単な算数問題を「フェルマーの最終定理」もクリアしたすごい数学博士を呼んで解いてもらうみたいな感じの馬鹿げた大げさ加減が見えて面白い。

 

 買ったいちごタルトは大事に扱い、チャリの鍵はしっかりかけた状態で駐輪する。この学びが得られた。ボロいチャリだろうが盗んだらしっかり犯罪だから泥棒キッズには気をつけて。

 

 おバカな内容を賢く見せようというミニマムなエンタメ性が小市民思考だとか、これといって何もない地味な青春が小市民の人生とか言いたいのだろうか。小市民ってのは、そりゃ努めて地味に生きる精神だって持つ者達だろうけど、この作品はなんというかちょっと違うような。

 とにかく小市民はデカくはないが安くも軽くもないちゃんとした「人」だ。安易にワードと概念を多様することでその品位を落とすようなことがあれば、それに対しては「舐めんな!」と言っておきたい。←うるさいとは自覚しています。

 

 小市民らしく地味にと言いつつも、後半では警察も出てくる大きな事件にも突っ込んで行くことになる。メイン二人の男女関係も小市民にしては波立ちが大きくなり、なんかそれはそれでオモロイことになってきた。

 小鳩くんと小山内さんが別れる最終回になったが、その後すぐにもそれぞれに言い寄ってくる異性キャラの言動が見られた。小山内さんはモテそうだけど、小鳩くんに行く女子はレアだろうに。

 最終回ラストでは、車が燃える気になるシーンが入って終わった。何だったのだろうか。

 気になりますっ!となった所で2期をやると決定したので、そちらも見てやるか。小市民を代表してね。

 このアニメを見ていたら何でも良いからスイーツが食いたくなってきたな。

 

僕の妻は感情がない

家電が妻になりました

 皆大好きなあのVアイドル ときのそらちゃんがOP曲を歌うということで注目して見始めた作品です。OP曲の「おかえりなさい」は良い歌で好きです。

 作品が持つ最初の要素は、そらともホイホイであるということでした。

 

 冴えないお兄さんがロボの嫁を得て楽しくなるお話。これはこれでラブです。

 この世界でもどの世界でもそうだが、ロボの扱いは家電なのである。その家電にラブっていることで、まずはラブのイレギュラー要素をぶっ込んでいる。家電にラブっているとかHOOKSOFTのゲームにでもありそうな流れだな。

 がしかしこの作品、ただの恋愛不適合者のラプソディーを謳ったものではなく、ちょっと深めの恋愛心理やラブの多様性にも触れ、その中で心も温まるという点で割と良かった。

 

 同クールの、しかも近い時間帯に放送していた「ATRI」も同じくロボヒロインを題材にした作品だった。あちらではロボにしては感情がありすぎるという要素が目立ったが、こちらではタイトルに感情がないとあるのでさぁ一体どういうことだろうとなり、結果ロボヒロインと戯れる夏が捗った。

 ミーナちゃんは感情がないと言いながらたまに「やっぱりコイツあるんじゃね?」となっちゃうこともしばしば。

 ロボだから目を不自然にかっ開いたまま口パクもない。そこの違和感が印象的。でも口パクがないってことは、声優的にセリフを合わせやすかったのかな。あとは作画が楽だよね。

「ATRI」のようにどこからどうみても人間の女子のように見える男子にとって都合の良い作りではなく、ミーナちゃんは顔の部分以外思った以上にメタリックボディだった。表面の人体寄せ加工が乏しく、服を脱げばめっちゃメカメカしくロボっている。ロボが普及した創作世界にあっても、なんかそこだけは妙にリアル。ミーナちゃんを最新でなく、一世代前のモデルに設定しているのも味噌な要素だったかも。

 

 ロボにお熱をあげるタクマくんのことを単純にキモいとか異常とか言って一蹴するものではない。単純にキモいだけのオタクならそこらにいるが、ここではちょっと話が違って来る。

 彼はファンタジーの虜というわけではなく、現実も見ている。仕事もちゃんとしている。周囲からは異常に見えるラブの形だと自覚があるし、そこのことについて家族と向き合うシリアスなターンも設けられた。ここらのシーンにはちょっと緊張しました。

 ここの妹は相当に脳がハッピーで、異種族ラブみたいでアリというライトなオタク的軽い意見でミーナちゃんウェルカムだった。その考えも悪くはない。

 注目なのは他の大人の反応。タクマくんの事を思って頭ごなしにロボラブを否定することはしないが、それでも心に持つ違和感というか気持ち悪さがあることははっきりと伝える。これは家族ならではの踏み込みだな。

 嫁に対して所有者権限があるというタクマくんの立場に対して、不自然さが強いと主張する彼のママンの言動には確かになぁと頷いちゃう。愛にボーダーはないが、人とロボの立場にボーダーが引かれているのが分かる言動で感心した。

 オブラートに包みはしても心にあることはなんだかんだ全部言ってくる親達の意見もまぁ分かる。そこから逃げない奥まった作風はなんか良いじゃないか。日常にロボがいるということに対して人間が持つ本当の感情に迫っていた。

 タクマくんのロボ愛に嘘はない。それでも親に対して申し訳ないのは、どう頑張っても子供を、つまりは孫を抱かせてあげられないこと。そのことをすまんと思ってオヤジに言うタクマくんのことは全く責める気にはならない。

 いいんだよロボでも犬でも猿でも。真に愛を注ぎ込めることが出来る何かがあるなら、愛なき乾いた命よりずっと良いさ。

 というわけで、ラブの多様化も悪くはない。そもそも簡単に割り切れない細分化された難しい感情がラブなのだから、複雑であること上等なのだ。同期にも「恋は双子で割り切れない」という簡単でないラブの方程式を謳った作品があったくらいだし。

 なんだかんだと考えさせられるアリなアニメでした。意外と味がある。

 

伊藤潤二『マニアック』

 かつてNetflixで配信した作品をこの夏には地上波でお届け。初公開は数年前の作品だけどこの夏に入ってしっかり楽しみました。

 ホラーでちょっとは寒くなりたい気持ちがあったのだが、ホラー慣れがすごくて(そっちの人生経験が豊富なゆえ)、もはや本物の貞子でも攻め込んでこない限り心からビビることがなさそう。そんな私が求めたこの夏を彩るホラー作品です。

 

 伊藤潤二のダークでホラーな世界を楽しみたいそこのマニアックなあなたは寄っといで。

 そんなマニアックコンテンツでとても楽しかったっす。楽しかったその思い出は別途記載でよろしく!

  ↓

koshinori.hatenablog.com

 

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