こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

2024年のアニメ感想(7月~9月)その4

 9月後半に入って順調に夏アニメが終わり、業界も秋への移行がなされる時期になった。それなのにまだ暑いのな。今年は異常だぜ。

 来週から10月でもう新しいのも始まるのか。1年が早い早い。

 そんな時期なものだからこの夏のアニメを振り返ろう。ここで振り返っておかないとマジで記憶に登場するのはそれっきりのアニメも結構あるだろうから、供養の意味も込めてやっていこう。出会いの奇跡は大切に。これはアニメでも人でも同じことね。

 

 

ターミネーター 0

 シュワちゃんと追いかけっこするあのスリル満点SFがアニメになって帰ってきた。

 でもこっちはアニメ用オリジナルストーリーなので、あのシュワちゃんロボは出てきません。

 そんなアニメDEターミネーターの感想とかその他関係ないことを書いたヤツはこちらに記載。

 ↓

koshinori.hatenablog.com

 

俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~

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 これ、めっちゃアホなアニメだった。アホノリに全振りというスタイルのエンタメなのね。

 同期放送の新米おっさんの変なアニメと要素や雰囲気が被ってどっちがどっちだか記憶がごっちゃになったやつ。どちらもゴツいおっさんがなんかやる話だったからね。私の頭の中で被っちゃう問題のパリィはムズかった。

 

 そもそもタイトルにあるパリィてなんやねん?

 そんな第一の謎はネット検索すればすぐに分かっちゃう。パリィとは攻撃を弾く戦闘アクションである。勉強になりました。主人公のノールくんは、どんな強敵の攻撃も全部パリィするのだ。

 そのパリィが戦闘だけに用いられるのなら良いのだが、日常における人からの好意や悪意もパリィしちゃうからそれはそれでコミュ障。

 ノールくんは間違いなくドジで間抜け、そして勘違いが多い。その勘違いも行き過ぎれば物を知らなすぎるアホになるわけで。本編では早期段階からそんなアホの領域に突っ込んでいる。悪いヤツではないのだけど、アホすぎるから見ていて残念だった。

 これをわっしょいしてくれるヒロインちゃんも終始ノールくんの勘違いを肯定してくれるから、ノールくんが事の真相に気づくターンがパリィされていた。冷静に考えると、ノールくんの勘違いアホ要素を伸ばすアシストをしてくれちゃっているこのヒロインもおかしい。とかなんとかこんなアニメを冷静に分析しちゃう脳の余計な働きこそさっさとパリィすべきである。

 最近の異世界ものに結構見る勘違い系ギャグノリがこのアニメにも見られた。

 

 すごいありがたい剣をもらったのに、サイズ的にイケるってことでドブさらいのスコップ代わりにしちゃうノールくんの言動には笑った。最終回でもゴミをどかすアイテムとして使っていたし。

 でもコレちょっと分かるかも。私も最近うちの大人に言われて、敷地内の側溝にたまったドロを掬う作業をした。あの時には幅がぴったりマッチした道具があると確かに助かる。私もノールくんみたいにドブさらいにマッチしたアイテムが欲しいです。

 

 パリィパリィで後はやることも特になく、最終的には見世物としてもまたパリィしちゃったようだ。そんなこんな初志貫徹のコンテンツだった。その心意気は良し。

 あとノールくんが色んな師匠のもとで修行して戦士になるための努力をずっと続けた要素は良かった。努力を続けることは素晴らしいことです。

 

疑似ハーレム

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 これは何ともまぁ……困った出来だな。つまらんとは言わない。ただ圧倒的に面白さに欠ける。

 演劇部の先輩モブ男子とキャラ属性100面相女のラブコメ

 色んな萌え属性の芝居をしてくれるりんちゃんのキャラ性にネタ感があるのみ。それでもう出落ちになっている。

 属性プレイを続けていく二人だけの濃い世界を持っているのなぁ。これは周りから見れば変態臭くもありつつ、まぁでも楽しいなら良いのかな。

 

 はっきり言って1話30分で見れるものではない。りんちゃんが色んな属性を出して先輩くんが萌えるイチャつきタイムを見るだけ。それ以外やることないのに30分は長い。5分もので1クールで良かったかも。

 展開もだが、作画もかなりギリギリ。急な作画崩壊とかでなく、基本として全編グダった作画だった。絵が下手っす。

 キャラデザは元々こんな感じみたい。先輩くんの顔がモブ過ぎてブスだな。

 

 これは芝居で100面相が出来る早見沙織がヒロイン役だったからなんとか成立した見世物タイムだったな。早見沙織におんぶに抱っこのみならず、介護に看取りまで任せたかのような作品だった。役者の持つパワーってすごいんだなって改めて分かる。この作品が伝えたことは、作品内容うんぬんよりも役者 早見沙織がいかに偉くて凄いかってこと。はやみんマニアなら絶対集まれな現場でした。

 早見沙織岡本信彦のメイン2人の役者の掛け合いは楽しそうで良かった。

 

 第7話で一旦綺麗に落としたのに、まだダラダラと続きをやったのは悪手だったかも。7話で終わりで良かった。

 とか何とか言っても、その後に先輩くんが進学して学校が異なる中でも二人の仲が続き、最後は社会人のお付き合いまで持っていって平和に添い遂げてエンドという流れは爽やかで良かった。なんだかんだ最後はハッピーに持っていったことで、最終回視聴後には気分晴れやかです。

 でもりんちゃんは芸能界に入ってしまえば、あんなモブ先輩のことは忘れてもっと素敵な出会いに魅せられるような気もするけどな~。そんな感じで愛の永遠を疑いながら見ることもしていた私ってば、ちょっとひねくれちゃっているのかもしれない。

 

義妹生活

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 良い生活でした。義妹というコンテンツも時代を越えての不朽のものなので、令和時代にもしっかり楽しめました。

 

 開幕早々意識高い系のポエム音読開始なのは印象的。家族だって他人の始まりだというくらいだから、そもそも血の繋がりがない義理の兄妹なんて一生他人に違いない。そんな感じの冷めた家族論だの他人論を語ったところで義兄妹の物語が開始。意識高くちょっと文学的な語りから入るのはなんかいい感じに思えた。まぁ自分が文学の出なもんで。

 

 主人公少年の父が娘持ちのシンママと再婚することで義理の兄妹生活が開始するという、ギャルゲーあたりで古くからも擦られ倒された我々の好きな展開開始。飽きよりもワクワクがちょっと勝った状態で1話目を視聴しました。

 

 見た目はギャルいけど冷めた感じで落ち着き払った綾瀬さんは可愛かった。たまにはこういうクールな感じも良いじゃないか。

 1話目からびっくりした要素といえば、このギャルの母親を演じているのがうえしゃまこと上田麗奈だったこと。あのうえしゃまが子持ちのママンの役をするようになったのか。今はプリキュアに出て学生役もしているのに、こっちでは若くて綺麗なママンをやっているとかナイスじゃないか。うえしゃまのママ役が見れたことでこの枠の価値観が増しました。

 

 テンションとしてものすごく静かに話が進んでいくのが特徴的だった。

 前期放送だと「アイドルマスター シャイニーカラーズ」がそうだったが、今期だとこのアニメが静かなBGMが目立つ枠になっていた。ノイズが少なくとにかく静寂な間が目立つ。

 綾瀬さんが新居に越した後に照明のスイッチ箇所が分からず探し回るシーンなどにもリアルにして静寂な間を見た。

 極めつけはメインの二人。浅村くん、綾瀬さん共にどんな育ち方をしたらそうなるのってくらい冷めている。表面的に冷めを出すのが通常モードになっていて、後半になると内部に熱を持つ想いも抱くようになってくる。しかし基本が冷めた感じでボソボソ喋るからコイツら元気が足らんなぁとは思ってしまう。

 

 互いに異性から異性へのアクションに期待せずに生活しよう的な示し合わせを序盤に行うも、男女は理屈じゃないってことで、結果的に互いに好きになっちゃっていた。

 結局そうなるんかい!と思っちゃう一方で、どんなに理性的に格好つけたことを言ってもそこの想いはタイミングだし、それも突発的に来ちゃうものだからまぁ仕方ないとも思う。

 まぁ若い内なんだから、うだうだ理屈を言ってないで「好き」の想いに正面から向き合え。うだうだ理屈は結果的に時間の無駄だ。そのくらいの男女恋愛観で行けば良いんじゃない。というちょっと乱暴かもしれない理論に帰結するのが私なりの作品への理解。まぁある程度は理屈も大事になるけどね。

 

 でもああもぼさっとした浅村くんが一級ギャルに好かれるのはちょっと不思議かも。大人しそうな彼もバイト先の先輩や眼鏡の文学少女と深めの関係になっているから、そこはラノベ主人公的ファンタジック無双を決め込んでいるんだな。あとラノベ主人公で本屋のバイトって結構見る設定だよな。

 バイト先の先輩女子も可愛かった。こっちと付き合うのもありでした。

 

 同期放送の「恋は双子で割り切れない」がノイズが目立つ恋愛ものだったので、そこと比べると静かにキャラ心理を掘り下げて行けるこちらの作品の在り方もまた良いものだと思った。まぁどっちも結構好きだったけどね。

 ふざけたうるさい作品も多くあった中だったから、たまにはこういう静かな作品も良いものだと思って楽しめた。あとはやっぱり義妹って良いものだ。

 

下の階には澪がいる

下の階には澪がいる

 タイトル通り、そこに澪という女がやってきます。

 これって上の階か下の階か、どちらによりお得性があるのだろう?という考えたところでどうなるのだろうか?なことを思ったのがアニメを見た最初の感想。

 

 不思議と最近のアニメにある第一の要素なんだけど、まずはヒロインが芸能界で揉めて休業状態になって何でもないヤツとつるむようになるという導入で来た。芸能界で揉めてそこを脱することで次なる出会いがという導入って色々やりやすいのかな。同クール作品なら「真夜中パンチ」もそのポジのヒロインがいるし。

 

 まずはメインヒロインの澪ちゃんに注目。コイツ、かなり強かな女で初っ端から強烈だったな。そういう業界だからそうなっても仕方ないのかもだが、周囲に対しての猜疑心、そこから発する攻撃的態度がすごい。可愛いアイドルでもキレたらヤバい。

 なんか妖艶で美人さんでということから男子の夢が詰まっているが、実際にこれが自分の所に来たら結構厄介かも。

  

 偶然にも丁度放送期間に漫画を読んでいたからか、澪を見ていると「きまぐれオレンジ☆ロード」のヒロインの鮎川まどかを激しく思い出す。この夏に丁度読みたくなって読んでました。オレンジロードも良い作品です。

 しかし似ているなぁ。綺麗な皮の下に確かにある攻撃的ギャルの一面という点でもキャラ性が一致している。まさか鮎川をヒントに作ったということはないよな。まぁ別にそうであっても問題にはしないけども。

 追い打ちをかけてオレンジロードを思い出した要素といえば、次に出てくるマコト先輩がオレンジロードのひかるちゃんに見えてくること。ひかるちゃんは主人公の後輩だったからそこは逆の設定だけど。

 

 陽くん、澪ちゃん、マコト先輩の男1人女2人の楽しい三角関係がスタート。

 陽くんは元々マコト先輩に憧れていて長らく片思いが続いていた。そんな中でも急に出てきたアイドル女の澪ちゃんにドキドキ。これは実際の関係性としては全員フリーだけど、陽くんの心を見れば精神的に優柔不断なのでは?ていうか浮気心みたいな。

 こういう決断がボヤボヤした冴えないお兄さんが中心にいて、周囲に可愛い子ちゃんいるというラブでトレンディな構造が嫌いじゃない。ていうかメインキャラの関係性を見てもオレンジロードと一緒じゃないか。

 そこに途中からはサラさんも突っ込んできてもう1段ギアをあげてトレンディドラマなテンションになるし。結果、結構面白かったっす。

 

 クールで妖艶にこちらを手玉に取る余裕を見せる澪を演じた坂本真綾の芝居が良い。

 年上だけど少女のように明るいマコト先輩を可愛く演じた大久保瑠美の演技も良かった。大久保瑠美の明るい少女の声は可愛いな。

 

 澪かマコトか、どちらを取るかで陽くんの心もかなり揺れたが、結果は澪で行くことになった。やっぱりタイトル女だから彼女が勝ちヒロインか。

 でもね、マコト先輩とお別れをする過程で陽くんの青春が溢れて出るあの感じはなんかグッとくるものがあった。マコト先輩への想いは貫徹で今も好きだが、澪への想いが勝ったということで、涙ながらのお別れだった。

 マコト先輩の家庭の事情が厄介なことになっていたから、二人の想いが重なった時でも付き合おうなんて余裕が無かったんだな。互いに好きでもその想いが一番旬な時期にさっさとぶつけてしまわないとぶつけるタイミングを逃すんだな。恋は旬物で必ずしも長持ちしないってわけね。

 好きの想いがあってもこういうのはタイミングだから仕方ないと陽くんが語っていたが、まぁそうだな。ここは優柔不断男や浮気男とは切り離して考えても確かにラブの真実かもしれない。人間ってそんなものだから。

 澪とのターンよりも、マコト先輩と青春している時が楽しかったな。結果を見ても、私だったらポッと出のアイドル女より古くから親しんだ憧れの先輩だろうが!と突っ込んでしまった。というわけでマコト先輩派でした。

 結果的に強めに感情移入してこのトレンディドラマ的世界を楽しんでしまった。結構良かったっす。恋多き者の下の階への引っ越し、大いに結構です。

 

黄昏アウトフォーカス

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 今期のBL枠。

 学校の映画部チームの中に、実は3組のBLカップルがいた。そいつらの愛のメモリーを1組ずつ順番に見せていくオムニバス的に楽しめるBLもの。

 男子ばかり集まって活動しているとこんなこともあるのかよ。同じ部内で3カップルは多いぞ。

 コレは結構面白かったっす。メインの人物たちの心理に迫る描写が結構文学的なそれで私には受けました。BL要素排除で考えても、キャラの掘り下げや各員のやり取りが面白かった。

 

 1番最初のインパクトある出会いが、BLに花を咲かせるメインの人物とは別の外野枠にいる加賀利ブラザーズ。こいつら二人の髪型ぁ!

 これもきのこヘアーの仲間なのだろうか。何かを被っているようでずれているようでな不思議な頭。兄弟それぞれがヘルメットを斜めにずらして被っているようなちょっとおしゃれなきのこ頭になっている。

 この間抜けに見えるシンメブラザーズの並びに笑った。すげぇ攻めた髪型してんのな。面白い。兄弟二人で示し合わせて散髪屋に行ってんのかな。自然とこうはならんだろうに。

 

 爽やか青春のターンもあるが、体を重ねてやる事をおっ始めるターンはちょっと過激かも。男子同士で燃えてんのなぁ。

 最初の真央、寿カップルから既に過激かも。寿くんが先に学校の男性教師と付き合っていて、しかもDV行為も受けていたっぽいのは印象的。殴られて帰って来たし。すごい青春を送っているんだな。なんかここらからも引き込まれるドラマ性を感じた。

 寿を演じた内田雄馬は、近い時間帯に放送していた「先輩はおとのこ」でもBL男子役で出ていたな。

 

 2組目の菊地原仁、市川義一カップルの物語が1番面白かった。

 この二人のバチバチとぶつかり合って反発しながらも心は繋がっている関係性に真のラブを見た。良いじゃないか。

 互いに映画論として反発するものを持っているからしょっちゅう意見衝突を起こすが、互いに「映画」という好きな趣味で繋がっているから、心はどんどん近づいて行く。この感じが良いのよ。喧嘩をして互いを知ってこそ深まる友愛がそこにある。

 人相手でも映画相手でも、自分の好きの想いには嘘をつけない二人の生き様に好ましいものがあった。この二人が1番推せる。

 

 冷めた礼とキャピキャプくる詩音の凸凹コンビのカップルの物語もインパクトがある。

 まず詩音くんが彼氏を作る目的で映画部に来ることについては「お前ナメとんのか。帰れ!」とまずは思ったけど、今となっては全部許そう。コイツもコイツで感じやすい良い子な部分を持っていて、ただの恋愛脳のお馬鹿さんではなかった。なんだかんだ人間的で愛せる可愛いヤツだった。斉藤壮馬の明るい小僧みたいな声の芝居は良し。

 礼が序盤はあんなに冷め散らかしていたのに、燃える時にはしっかり熱いやつなのも良いのではなかろうか。

 最初は揉めたけど、なんだかんだこいつらも仲良しさんで良かった。

 

 性の交わりについては寛大な人間なので、こういうのも普通に楽しめました。キャラを丁寧に描いていて面白かったです。

 山崎育三郎が歌うOP曲もアニメの雰囲気にマッチしていて良い感じでした。

 ではまた黄昏時にお会いしましょう。

 

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