こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

時代が求めるハンサムは男子だけにあらず「ハンサムな彼女」

ハンサムな彼女」は、1992年に発売されたOVA作品。

 りぼんで連載されている漫画のOVA化である。私はりぼんアニメならだいだい好きになる人です。

 このタイトルだけはなんか聞いたことがあるが、中身はノータッチ。じゃあ令和に入った今になってしっかりタッチしてみよう。というわけでサクッと1話のみ約40分のアニメを見てみた。

 

ハンサムな彼女 [VHS]

 

内容

 ヒロインの萩原未央は、俳優業を行いながら学生生活を送っている。

 同じく学生ながらも脚本、監督に挑戦するイケメンの熊谷一哉がいる。

 未央は一哉が撮る映画の主演に抜擢された。撮る側、撮られる側の関係が段々ディープに男女のラブに発展していく。

 というわけで、映画撮影と共にラブが捗る芸能界を舞台にした青春ラブストーリーが楽しい。

 

感想

 まずこのタッチの絵柄がなんか懐かしい。他にもこういう絵柄のりぼん系アニメがあったよね。

 

 主人公の未央ちゃん、なかなか可愛い娘じゃないか。

 10代ギャルの役を若き日の玉川砂記子が演じているのは印象的。今だとこの年齢のキャラの芝居はレアだろ。好きな声です。

 

 冒頭部分で一哉が未央に「芝居が下手」とわざわざ言いに来る所から二人の物語がスタートする。

 そんな事を言われれば未央ちゃんはプンスカしてしまい、二人の出会いは良くないスタートを切る。

 で、ここからの切り返しが少女漫画らしく鮮やか。

 

 後に二人が監督と俳優としてチームを組む時、一哉くんが仕掛けてくる。まだ経験が足りないから下手と言っただけで、磨けば光るだけの魅力と可能性がある。そう後付けの詳しい回答をくれた。

 なるほど。こうして最初は最悪の出会いの感じにしておいて、下がりきったメージを分かりやすく上げる一言をぶっ込むのか。イケメンのテクだな。

 これを受けて未央ちゃんの心もやっぱり変化する。最初は下手くそなんて言ってくるムカつく男だと思っていたけど「やっぱり結構良いヤツかも」に変わる。こうなればアイツが気になるのラブい兆しがすごいことになってくる。

 

 一哉くんがまだ若い学生なのに、人生の早期段階から海外で勉強し、在学中にも大手企業から一本映画を上げるよう案件をもらっているのがすごい。こんなスピード出世な人がいるのか。

 若い可能性に賭けたいという依頼側の心もすっきり心地良いものだな。しかし後半になるともっと上から企画ストップがかかる。

 わざわざゼロからこちら側で企画を立ち上げて作らずとも、既にやり手のプロが作り上げた物を買い取れば良いという、なんかリアルな注文が上から入って映画撮影がピンチになる。芸能界ってシビア。

 

 アイドルタレントを売り込む企画が作中で動いていたことから、アイドルの歌が流れるアニメMVシーンが取り入れられていた。そこのシーンも印象的。

 挿入歌、主題歌はアイドルグループCoCoのメンバー羽田恵理香が担当している。彼女をアイドルとして売り込むのにも一役買ったアニメだった模様。ちなみに私はCoCoの楽曲といえば「EQUALロマンス」を未だに聴いている。良い曲だよね。

 こういう時代には、何らかの形でアニメにアイドルをコラボさせ、双方売り込めてウィンウィンという目算で来るパターンがちょくちょくあったみたい。

 

 タイトル回収は映画に詳しい一哉くんのセリフで成される。

 一般的にハンサムは男性に対して使いがちだが、知的でクールで毅然とした女性にも用いるのだとか。そういうイケてる女性俳優にこそ「ハンサム」の称号が送られる。

 へぇ、そうなのか。ハンサムって舘ひろしとかだけでなく女性でも当てはまる人がいるんですねぇ。そういや女子に対してハンサムは言ったことがない。 

 ハンサム女が良いと分かったところで、一哉くんは未央のことも最高にハンサムに取っ手やる!と監督魂を燃やすのだ。そんなうんちくと共に一哉くんの映画に対する意気込みが見えるシーンも良し。

 いいじゃないか。10代少年のこういう熱い魂が見えるのも青春って感じがして心地良い。私は青春とハンサムが好きだ。

 

 一哉くんは現場でかなり使える人材。脚本、監督だけでなくバイクスタントもこなす。

 このバイクスタントで死にかけの大事故を起こしてしまうからさぁ大変。特撮でありそうな崖の上から車が落ちて爆発してめちゃ燃えるっていうアレをマジで起こしてしまう。よく生きてたな。

 

 死にかけた事で一哉くんが一気に正直になります。

 以前撮影仲間から、お前はカメラを通して未央ちゃんにラブを燃やしている。好きなのを認めろと詰められるが、仕事として熱く見ているだけでラブではないと一哉くんは嘘をこきます。

 バイクで死にかけたことで、本当の想いを言わないままでいると後悔するとなり、入院病室でやっぱり好きと自分の答えを出すのだ。

 男ってばホントバカね。失うか失いかけるギリギリまで大事なその想い気づかないんだから。元気な内にさっさと言えっての。←と急に恋のやり手のスナックママみたいな感じの感想が出てくる。

 

 未央の親友のあやちゃんが実は一哉くんの元カノということが分かり、ちょっと三角関係な感じも見えてきたが、なんだかんだ未央と一哉の想いは重なって平和にエンドって感じだった。

 

 原作漫画はもっと話が長いはずだから、アニメにはない山と谷がありつつの恋物語が楽しめるのかもしれない。

 サクッと1話で見るには平和にまとまったエンドだった。

 

 ハンサムは男の特権にあらず。女子だってハンサムを極めたい。大いに極めれば良いだろう。ギャルでも男子を全部倒す勢いでハンサムになって行けば良いと想います。そういう時代を我々は生きている。

 というわけで時代の最先端を生きるイカすハンサム女育成物語が楽しめた。

 

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