こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

2024年のアニメ感想(10月~12月)その7

 毎年どこぞの寺で今年の漢字をお習字で表すイベントがあるという。で、今年の字は「金」だと聞いた。 

 確かに物価高騰だとか、そんなの抜きにケチをやる修正から「カネカネ」言っている1年だった。そうして読みがカネかと思ったら五輪の金メダルのことで「キン」読みだったらしい。

 五輪、そういややっていたっけな?1秒も見た記憶が無いんだけど。日本にも金メダルがいくつか来たのかな。

 自分が出ない運動会なもので、開催日やプログラムのチェックもしていない。なんなら自分のであってもテキトーに顔出しして諸々のチェックを怠っているくらいだし。

 五輪をやっていたのを忘れていたぜ。それくらい皆「キン」より「カネ」に注目して生きていたんだろうなぁ。まぁ大事な物ではあるし。

 しかし去年の字が「税」で今年は「金」と来ましたかぁ~。これがそれぞれマイナス面で捉えた金の都合だからな。景気が良くてたくさん金が入った~からの選出でないことが情けないし残念だ。ていうか私、よく去年の字を覚えていたな。なんか忘れそうなネタにしては覚えていた。

 

 とかなんとか言っても私はキンよりカネよりアニメなので、今日も元気にアニメのお話をしていこう。

 体を動かすのは嫌いではないので、今ある豊富な娯楽が消滅して運動しかやることがなかたっとすれば、私も黄金の栄光を掴みに五輪に顔を出ていたかもしれない。そんな夢あるifを胸に抱きながら今年ファイナルクールのアニメを振り返るぜ。

 

 

きのこいぬ

『きのこいぬ』Blu-ray 第2巻 [Blu-ray]

 お前はどこから生えてどこに行くんだ。そんな感じでとにかく不思議でよく分からんがたっぷり可愛い生物、それがきのこいぬ。

 後でもう一匹出てくる不思議犬にはプラムという固有名然とした名前が与えられたが、きのこいぬはまんまの名前でずっとその呼び方だった。こいつだけその種の総称みたいな呼ばれ方なんだな。もっとオリジナルの名前とかなかったのかな。というツッコミと純粋な謎。

 

 きのこいぬがとにかく可愛いので毎週癒やされた。きのこと犬のハーフであるヤツの主食はたこ焼きというのがまたなんとも不思議。

 皆してたこ焼き器でおいしくたこ焼きを作っては食すシーンが複数回あった。あれは美味そう。私もお家でやりたいがマシンを持っていないので、そこはフラパンでお好み焼きにするしかなかった。小麦粉なんてダシと混ぜて焼けば絶対に美味いものだ。

 

 飼い犬との別れは切なく辛い。初っ端から込められたメッセージがそれだった。しんみりな所からのスタートです。

 他の家族もなくペットの犬も死んでしまったことで傷心のほたるくんの心の支えとなったのが、きのこと犬が合体した謎の可愛い生物だった。これは傷心男の心を癒やして救うハートフル不思議ペットアニメだった。この現代が求めているいくつかの要素がそこにある。だったら視聴して良し!の感想が出てくるってものだ。

 毒になれども薬にはまったくならないクソアニメが横行する昨今にあって、危険成分ゼロな癒やし枠の今作は貴重枠。そんなわけで好きな時間でした。

 

 きのこいぬの飼い主のほたるくんがボサ~としたもっさり系男子で締まりが悪いなぁ。演じた上村祐翔はこの手のボサ~とした男子役が多いイメージがある。ずっと眠そうにしているヤツだったな。こういうのがクラスに一人くらいはいるよね。

 情報社会極まるこの現代において携帯電話を持っていないほたるくん。これは珍しいことです。この設定には深い事情があった。ほたるが携帯電話を持たない理由に迫る回は印象的。携帯電話を扱うにもマナーを守りましょう。

 そんなほたるくんもやがてはスマホを持ち、おまけにきのこいぬにも持たせて連絡を取るようになって来る。これは過去のトラウマから抜ける心の成長と取ることが出来るだろう。

 

 ほたるくんや家に集まってくる仲間のことは見た感じ若者だと思えたが、多分こいつたら思ったよりも若くないぞ。後に出てくるほたるくんの幼馴染や学校の元同級生が結構大きなお子さんを持っているから、じゃあほたるくん何歳だよ?となった。

 ちょっと強気女子なこまこちゃんはイケてる姉さんで悪くなかった。

 つばきさんのプライベートに迫る回も印象的。現在はシングルマザーだけど、元夫は寂しがって定期的につばきさんを呼び出す。プラムやきのこいぬと関わる中で、そんな半端なズルズル関係を変えるべくすっぱり別れを選ぶ彼女の心の前進も思い出要素。癒やし犬アニメに特化でなく、このあたりにはちょっとアダルトな心理描写も見えて印象的だった。なんか男女関係としてリアルにありそうな構図ではあるんだよな。意外と大人なことも言っている&描いているアニメだったかも。つばきさんの過去に歴史ありなお姉さん感も悪くない。

 

 後半では亡きおばあさんが孫のほたるくんを想う真心、それをきのこいぬに託した経緯が見えてくる。こういうの良いやん。私もおばあちゃん子だから、ばあ様の温かい愛が見える展開が好きなのよ。

 おばあさんの願いの形が今のきのこいぬとも言えよう優しい物語になっていたのが良い。あときのこいぬが微妙に態度のデカい犬なのもちょっと面白くて良かった。

 家族も犬もきのこも皆揃って地球の仲間。じゃあ大事にしよう。そういう学びが得られるアニメでした。ありがとう。

 

株式会社マジルミエ

株式会社マジルミエ Blu-ray(特装限定版)第3巻

 このタイトルを目にして一瞬「えっマジカルエミ?」と思ったそこのあなた。良い酒が飲める仲間になれそうですね。と一瞬思ったが私は酒をやらないのでそんな関係になる未来はありません。

 

 最初は冴えない就活生として描かれた桜木カナちゃんの就職先はまさかの魔法少女だった。

 なるほど、職業も多様化の社会だからこんな仕事もあるのね。赤髪ツインテ魔法少女のカナちゃんはなかなかの可愛い子ちゃんでした。とりあえず可愛い魔法少女が見れるというだけで赤点回避です。

 最初はカナちゃんを冴えない就活生の感じに描いていたが、魔法少女としては冴えていた。彼女は記憶力に長け物覚えが良いというシンプルに現場向けな能力がある。覚えが良いならそれだけで上等。若手でもジジイでも覚えられないヤツはホントに時間がかかるからな。彼女は普通に優秀です。

 使える社員、使えない社員の差についてもなんとなく見えてくる作風でした。とかなんとか言って、アニメを見るのに会社員マインドを働かせているようなヤツが趣味で見るには向かない。でも私はアニメも魔法少女も大好きです。労働はそんなになので、隙があれば積極的にサボります。

 

 作品世界観はユニーク。多くの魔法少女ものでは無償で行う危険な魔法バトルが、ここでは世間的にちゃんと会社仕事として認められている。よって魔法少女は立派なジョブであり、サラリーもたんまり。多くの人間が憧れる高給取りなお仕事だと作中で説明されている。

 夢と憧れと萌え、全てが手に入る良い身分と思いきや、やっぱり危険がいっぱい。敵は完全なる化け物ゆえ、油断すればすぐに死ねる。そんな危ない現場への出動なのだから給料が良いのは当然である。

 本作に出てくる化け物は思った以上にグロキモくて良いデザインだった。そういうのが好きなもので思わず高評価をポチってしまった。

 

 実地で魔法をぶちかます魔法少女の戦いと共に濃く描いていくのは、そのシステム開発や戦闘補助を行う裏方スタッフの生き様。立派にビジネスしています。

 従来通り魔法少女ものとして楽しみ、加えて会社員のお仕事ものとしても見ていくことが出来る。去年やっていたロボバトル×会社員ものの「ブルバスター」みたいな魅せ方で行く新作だったな。

 魔法少女に萌えたいアニメオタクは、現実逃避の目的でもそっちに行きがち。そこに会社員都合というリアル要素を混ぜたら食い合わせが悪く、気分も萎えて困ってしまうのではないか。そういうことを思う人もいるのかもしない。とか考えている私としては本作の要素は普通にアリでした。

 

 バトルを会社チーム皆で乗り切る一体感は良し。ワンプレイで行くなら野良魔法少女でもやっていればよいわけだから、そこはチームで当たる良さを描くべし。

 敵はめっちゃ化け物なのでセオリーが通じない。どいつがどんな動きをするのかあらかじめの予想がつきにくいため、使用魔法、作戦の決定にはケースバイケースで当たることになる。このライブ感に特徴がある。

 私も拳を使って実地でやったことがあるから言えることだが、戦闘とは常に生モノである。相手、場所、自分のコンディションなど、いつだって異なる条件下で行うものだから、その場での判断が大事になるのだ。マニュアルに従って思考を閉ざした人間では乗り越えられない現場がそこにあった。良きです。

 

 従来性ある可愛いらしい魔法少女のカナちゃんがいて、その先輩の越谷さんはヤンキー上がりなやり手魔法少女と来ている。越谷さんのヤンキー風味ありなお姉さん感も良いな。キャラ性として随分対照的な先輩後輩コンビが良い。

 ファイルーズあいがカナちゃんを、花守ゆみりが越谷さんを演じている。この2人はトロプリな2人でもある。役者それぞれのキャクター性、これまでの芝居の傾向を見るに、2人の配役が逆じゃないの?と最初は思った。2人の配役が入れ替わったバージョンんでも見てみたいな。

 他には魔法少女の服を着ているおっさん社長がいたりと視覚的にインパクトありな設定も印象的。

 

 最終回で2期をやると発表があった。こちらの制作は今とっても忙しいJ.C.STAFFなので、息が上がらないか不安ではある。かなり息を落ち着けたところでないと再び走るのはシンドいだろう。しっかり息を整えてからまたどうぞ。やるなら見るから。それでは未来で待っているぞ。

 

女神降臨

 韓流アニメです。最近の韓流ものはちょこちょこ面白いのもあれば、しっかりゴミっているものもあるのでこいつは賭けですなぁ。

 で、コレは面白かったです。やることがシンプルで見やすい。

 1話の尺もちょっと短めで20分くらい。それもダラダラ長すぎない良い仕様として働いていた。日本の他のクソアニメが25分だとクソ長く感じることがあるから、こういうちょっとショートな方が疲れなくて良い。

 

 そもそもの事を言ってしまえば、女神を決めようなんてコンテストがあるのがいけない。というのが1クール分見終えた時に一番に出てきた感想。

 このイベント自体は面白みがあり大衆向けなんだけど、関係者には怖い心理が働くものだから、そういう意味では結構闇のイベントにもなっていた。とかなんとか元も子もないことを真面目に言ってしまうとこの物語が開幕出来ないので、そこは思っただけで口にするのは無しにしよう。

 

 主人公ちゃんは「肉まん」とあだ名されて学校の怖いギャルにクソほど虐められている。ここまでとなると酷すぎて笑い事ではないのに笑えて来る。←不思議な心理と体験を味わいました。

 ブスだからという理由でここまで蔑ろにされるのか。怖すぎる。ブスに生まれなくて良かったと心から思う今日この頃。でも私はブスに生きる権限がないなんてことは思わないから言わない。それはそれで妙味ってものがある。全くダメな女子などいない。カラマーゾフのお父さんがそんな感じのことを言っていました。

 で、ジュギョンちゃんは虐め回避と乙女の逆襲の意を込めてメイキャップに出るのだ。このメイキャップ技術が神っていて「誰?」ってなレベルで美人になれる。こうなるとどんなブスでも一発逆転が叶うメイクという発明がそれはそれで怖い。隠す、騙すがし放題とも取れるわけだからな。

 それからジュギョンちゃんはすっぴんでも別にそんなにブスじゃない。メガネな地味子にはなるが、それはそれで良し。ていうかあっちのモードも結構良かった。というわけで2つの顔が楽しめて悪くない世界。

 

 ジュギョンちゃんとお近づきになる2人のイケメンくんがいて、それを嫉妬して彼女を女神候補から引きずり落とそうと鬼ほど画策してくるゴミギャルがいる。こうして楽しくもめっちゃ面倒くさい青春物語が展開していくのだ。

 キャラの関係性もスマートで、なんか日本の少女漫画にもありそうってな感じで親しみを持って楽しめた。

 スホとソジュン、それぞれ微妙に愛想の悪いイケメンのどっちとくっつくのか?そこを見てジュギョンちゃんの恋物語を楽しむのである。

 1クール分を見ているとスホが優勢だと見えたのだが、最後にはソジュンにキスされる展開があったので、これはもっとややこしくなっていく三角ラブなのかも。

 スホの青春も波乱で、家庭不和があり、友人が若くして死んでしまうこともあった。ここの要素はお気楽な学園ラブものにしてはシリアスなものだった。

 

 私はゴミキャラのゴミムーブを見るが結構好きな殊勝な趣味も持っている。その観点からヒールなゴミギャルのカン・スジンを見ているのが楽しかった。女の嫉妬は醜く怖い、そして結構面白い。そう分かるものでした。演じた佐藤日向がノリノリでゴミギャルの芝居をしているのもナイス。

 

 SNS、メール、動画撮影、これら現代的あれこれを使って人を陥れる、またはそれをやられた逆襲に使うなどする情報戦が怖い。「喧嘩独学」の時にも思ったけど、いつでもネット経由で誰に対しても晒しが出来るのが怖い。それも学生なんてガキの世界でもそれで行けるのが現代ならではの怖さだな

 カン・スジンがそれ経由でジュギョンを陥れるし、そこからの逆襲のためにもやはり情報戦が用いられた。物理での殴り合いの方がある意味可愛く健全なのかも。そこまでやるのか?という情報戦が怖いけど面白かった。

 

 まぁ女神なんてのはそれぞれ己の心に宿して楽しんでいこう。多感な学生にやらせるとこういうことになるから。というまとめをしてこの楽しい女神アニメの感想を締めよう。

 どうやら2クール目もあるようなので最後まで油断せずに見ていこう。

 

合コンに行ったら女がいなかった話

合コンに行ったら女がいなかった話 Vol.3 [Blu-ray]

 冴えない大学生男子3人が合コンに出かけます。すると向こうも男が3人。女いねぇじゃん。クソかよっ!最悪じゃん!

 という即タイトル回収な始まり。これがマジでそのままだったら最悪の話だったのだが、そこには嬉しいタイトル詐欺が隠れていた。

 実は相手側の男3人はガッツリ男ではなく、ギャルが男装した姿だった。つまり本当のところでは女。じゃあ3対3でカップル成立でイケるぜ!

 嘘に対して「嘘で良かった~」と喜べるレアパターンでした。本当に全部男だったら総員ラリアットではっ倒しエンドだったぜ。←可愛さゼロの過激暴力派でゴメン!

 

 この仕掛けは面白い。男と男装女子でラブるものだから、一見すればBL、奥まって物を見ればやはり男女ストレートラブ。一口で2度美味しいというヤツだな。そんなお買い得な作りにしているのは良い発明。

 内容は好きで楽しかったのだけど、問題なのは作画力。男子はイケメンじゃないから、男装した女子ズだってそんなにイケメンに見えない。男装を解いて素の女子になった女子ズも萌えないからもう困ったもんだ。絵に美と華、そして萌えがなかった。それがあればもっと良かったのに。勿体ない。

 男装を解いても解かなくてもあまり違いがないという女子の描き方が一番勿体ない。ここでギャップをしっかり見せることが出来たらもっとファンが増えたことだろう。てな感じで偉そうに評論ばかりするヤツは嫌われるのであんまり言わないでおこう。←自覚はあるけど言いたいことは全部言うタイプの人間です。それで得も損も両方経験しています。

 

 イケイケで攻めるイケメン女子ズの言動は良い。私も女子が可愛いだけの時代は終わったと思っているので、そこらの陰キャ根暗男なんてぶっ飛ばすくらい女子の方が格好良い!という事がある分には一向に構わん。男女問わず格好良い人が好きなので作風としてアリです。

 だがそうして男装女子が輝くと、一方で濁りとして目立ってくるのが受動的になりすぎている男子ズ。こいつらちょっと受け身すぎないか。女子がグイグイ来るのが悪いことはない。だがそっちばかりになるとやっぱり男子がこうなってくるわけで。

 そこは「お前らからももっと行けや!」とツッコミ+応援してしまうわけで。そんなことをしている私ってば、大変この作品を楽しんでいるなぁ。

 

 3カップルのお話を順繰りに見せて行くのだが、それぞれ結構楽しいです。なんだかんだ楽しんだよね。

 ちょっと興味深くて面白いのは、琥珀ちゃんへのラブに戸惑う萩さんの心情。彼は面白いっすね。

 琥珀ちゃんのことは先に男装姿で知ってそっちにときめいてしまっている。これについて「もしかして俺、BL野郎なのか」と戸惑う萩さん。ここで1オモロ。

 そして次に厄介なのは、女子の姿の琥珀ちゃんも当然好きなこと。男装した琥珀も素の琥珀も好きだが、萩さんの中でそれは謎に別人カウントされている。それはある意味浮気じゃね?となって彼は一人葛藤するのである。確かにこれは二人目を必要としない一人でずっとやるしかない葛藤だ。

 この物理的にはしっかり一人に向いたラブが、萩さんの心理的には2人に向いた浮気心にも取れてしまう点がなんか深いようで、やっぱりバカっぽいようで、とにかく面白い。

 しょうもねぇ事をウジウジ考えているヤツだなとは思うが、それだけ彼が真面目とも言えるので、結果良いヤツで好きです。最近はこんな感じで、どんなヤツのことも肯定的に捉えられちゃうフリーダム思想な私がいると気づく。

 

 まぁこういう事があると困るので、合コンに行く際には前もって情報の整理をしておこう。そこを確実にしておけば、こんなBLめいた面倒なくスマートにラブれます。だが私は敢えて複雑性なラブを求める傾向にあるので、こういうイレギュラーもきっと楽しめちゃう。ラブは人それぞれ、そう分かる楽しいアニメでした。

 

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