「夜明け告げるルーのうた」は2017年5月公開の劇場アニメ。
それにしても2017年がもう過ぎ去ってしまった時代というのが未だに信じられない。ついこの前も日付を書くときに間違えて2017年と書いてしまった。
そんな約一年前の作品である。
海辺の町を舞台とし、伝説にある人魚と主人公男子の愛と友情を描いた物語である。結局のところ、人と人外生物が種族の壁を越えて仲良くなる話が小さい頃から好きだし、心温まる。
人魚は日光に当たると燃え、人魚に噛まれた人は人魚になってしまうという設定がなされていた。アンデルセンの人魚姫物語を3回くらい読んだことがあるがこの設定はなかったと想う。
BDで見たのだが、回し始めてすぐにヌルヌル動いている感じがした。
取りあえず言っておきたいのは、冒頭の主人公カイ宅の朝食シーンで、味噌汁に入ったアサリが中々口を開かないと爺さんが言うの聞き、お料理男子として「うん、わかるソレ」と共感してしまった。あれってイライラするんだよね。これアサリあるあるね。それにしてもしばらく食っていないのでアサリを食いたい。
「アニメーション」と一括りにしても、この作品を手掛けた湯浅監督が関わった作品はどれも異質であり、異彩も放っている。従来のアニメーションに色々と仕掛けをして他との差別化を確立している。という訳で取りあえずシナリオとかは抜きに視覚で楽しめるので湯浅作品は一つお得なのである。
特にラストの方の人魚と人間入り混じってのてんやわんやの騒ぎをする「お陰様のたたり」のシーンのスピード感は気持ちよかった。
婆さんが船で海に出て、銛でルーを仕留めようするシーンがガチだった。
あとは、人間に捕まったルーを助けにルーのパパが太陽の下で体が燃えながらもドームに突っ込んでくるシーン迫力があった。父の愛にちょっと泣けた。背広を着て擬人化しているつもりらしいが、ルーのパパの顔が完全に魚なのも面白かった。魚の活き締めのスペシャリストとして仕事をしている設定もコミカルでルーのパパが一番好きなキャラだった。そしてEDテロップを見るまで全然わからなかったが、ルーのパパの声優が伝説の柔道家篠原信一だった。
あと芸人の千鳥の二人も声優で出ていた。
ヒロイン遊歩は寿美菜子が演じた。寿は「俺がいる」でうざい女子を演じたのがはまっていたと思い出す。遊歩もウザ可愛いキャラで寿ボイスがはまっていた。
キャラの動きがコミカルなのが特徴的で、良い点でもある。人魚のルーは歌っても踊っても可愛い。急に鳴り出すOP曲を聞いて「これは耳に心地よい」と想った。
ルーとカイが公園でブランコに乗っているシーンで、ルーがカイにチュウするシーンが可愛くて萌えた。ルーのチュウの時の口が可愛い。
犬の人魚もいて「どうゆうことだ」とつっこんでしまったが、可愛かった。
骨になった魚が街を元気に走るシーンも面白かった。
当時の番宣CMが印象的で覚えているだけで本編は未だに見ていないのだが「崖の上のポニョ」のポニョとルーがちょっと似ている気がした。
主題歌は斉藤和義の「歌うたいのバラッド」、挿入歌はYUIの「fight」。この2曲はどちらもリアルタイムで聴いていたので、どうにかなりそうなくらい懐かしかった。特に「歌うたいのバラッド」は230回くらい聞いたので思い出ある一曲であった。
伊藤静の演じた放送係りのお姉さんが、都会に出た後に出戻ったら恥ずかしい的なことを言ってのを聞いて、考えたことがないけど郷を後にする者の中にはそういう想いの人もいるのだなと新しい気づきがあった。人生色々と考えることがあるわな。このシーンはちょっと大人な考えがうかがえるシーンだった。そして伊藤静はやっぱり良い声なので好きである。
これは子供も大人も楽しめるアニメだった。
人魚と河童には死ぬまでに一度会ってみたいものだと常々想っている。
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