こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その2

 

異世界おじさん

第7話 見てのとおりSEGAのゲームは人生の役に立つんだ!

 

 いつもはモブみたいな顔の主人公が異世界で冒険するところを、今回はブスなおじさにし、しかも冒険は終わって日本に帰還した所から物語はスタートする。日本を舞台に戦う珍しい異世界ものだった。

 

 セガ愛たっぷりのOPアニメが良い。OPラストのおじさんの笑顔は、本当にいい顔で笑っていると思うと同時に汚いとも思う。

 

 内容は、メガネの甥っ子と異世界おじさんが異世界冒険ログを見ているのを「バカやってる~」と笑って楽しむ緩いものである。

 エルフの可愛い子ちゃんに「オーク顔」と呼ばれているのは酷くて笑える。向こうの人々にはモンスターと思われて狩りの対象になってしまうおじさんが気の毒。

 

 内容はなんてことのない異世界ギャグだが、とにかく素晴らしき要素だとプッシュ出来るのは、おじさんがセガ至上主義なこと。このキャラ性が作品の全てだ。分かる、だってセガのゲームは世界一だもの。

 植物状態から回復したおじさんがまず甥っ子に確認した現代の情報が「セガの現状」だったのはさすが。

 あのセガがゲームハード戦争から撤退することになろうとは、さしもの私も読めない未来だった。同様だったおじさんもまたセガサターンドリームキャストがあんなことになった事を知ってショックを受けるのだ。セガを信じた男達は皆同じ道を辿って今日がある。

 というわけで、セガを愛する良いアニメです。

 

 サターンのゲームが登場し、小ネタのオンパレ状態なのが嬉しい。サターン本体のシステム音がそのまま入っているのはすごい。キャンセル操作した時の特徴ある音が令和のテレビから聴こえるとはこれもすごい。

 おじさんが「ガーディアンヒーローズ」をゲキ推ししていたが、確かにあれは接待ゲームとして重宝された素晴らしき一本だった。サターンはゴミゲーばかりだと罵っていた我が家のお兄ちゃんが、ガーヒーだけは楽しんで遊んでくれたのは良き思い出。スマブラ到来前だと、これが楽しく乱闘パーティー出来る大人数向けゲームとして一番くらい優秀だったのかもしれない。イブシ・ギンジロウは好きだったな。

 

 甥っ子がおじさんに、子供がうるさい時にこの菓子あげるからあっち行って大人しくしていて的なテンションで「バーニングレンジャー」を雑に与えて大人しくさせるシーンとかも笑った。あれも良いゲームだった。宮村優子が女性隊員役で出ていたんだよな。

 ナイツに挑む時にはマルコンが良いと言うおじさんの意見も分かる。

 

 おじさんを演じた子安武人氏は、私を読み物ゲームの沼に誘った名作サターンゲーム「EVE burst error」のツイン主役の片割れを演じていた。どうやらおじさんは文字を読む系のゲームはウェルカムではないっぽいけど、役者の縁からEVEもアニメに出ないのかな。

 

 あとはゲームギアのテレビを見る装置のヤツの話題にも触れていたのはマニアック。あの環境がどうしても必要な人間なんてまずいないだろうから、あれは売れなかったのだろうな。普通にテレビ見るし。ギア本体では遊んだけどテレビのヤツは普通にいらんかった。人生の中でテレビを見るアレを中古屋で見た事は一度しかない。

 ダイナマイトヘッディーというマイナーの王様みたいなゲームの名前も出てきたし、凄いなコレ。作家はセガを愛した良き人生を送っている。

 

 男共を汚く描くのとは真逆に、出てくるヒロインは大変可愛い。ヒロインにつく声優陣が強い。戸松遥演じるエルフのツンデレ具合はすごく良かった。

 藤宮さんはめちゃ可愛い眼鏡ヒロインで良かった。でも藤宮さんの小学生時代の顔は汚すぎる。「ゼロ使」のラノベをエッチな本扱いしたガキどもを黙らせた藤宮さんは格好良い。それにしても現在たくさんあるクソラノベ郡を見れば、ゼロ使って本当に優秀だったのだな。後になって分かるこのありがたみよ。 

 同期放送の継母の連れ子とチョメるアニメには、ゼロ使と共に当時のラノベ界を牽引した涼宮ハルヒの本が「古いラノベ」として出て来た。あの日のニューウェーブだったゼロ使ハルヒもすっかり年を取ったコンテンツになったのだな。

 

 そんな訳でセガの歴史とか古いラノベを経ての今があるとわかる異世界おじさんの人生を見れば、人ってのは可愛そうなくらいに歳を取る、そして誰しもそれからは逃れられないというオタクならではの人生観が掴めた。

 

 豪華な出演者による楽しく笑えるアニメ見た後には、ゆかちこと井口裕香のゆったりとしたED曲で締める。ゆかちの曲もよかったぞ。

 

 休み休みの放送で8月の終わりまでどうにかやって来たが、どうやらマジに万策尽きたようで9月分の放送は丸々無しになったという。長めの延期が決定した。

 まるで任天堂ソニーが出す機器に押し負けたセガサターンの末路ような万策尽きぶりがアニメにも見えるとはな。これはこれでエモい運命と前向きに考え、放送再開まではデスクリムゾンでもやって有意義かつ気長に待とう。ほんとサターンってクソゲーの宝庫だったよな。そこがまた愛くるしいのだがね。

 

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン シーズン2

 待ってましたのジョジョ6部第2章開始である。9月突入のタイミングで全12話がネトフリで一斉解禁。イッキ見出来て助かる。今日の午前中で全話視聴したし。

 

 曲は未だにプレーヤーで聴いているけどOPアニメは久しぶりに見た。するとOP映像の一部が変わっているこ気づく。ここも要チェックや。

 

 カエルが無理な私には衝撃的だった毒ガエルの雨を見て終わったシーズン1からしばらく経っての新章開幕では、まずエルメェスコステロ復讐の物語が描かれる。なぜ彼女がケチな了見の罪でムショに打ち込まれたのかという謎が解ける。

 ものすごい姉御肌を見せたエルメェスは、意外にも妹ヒロインだった。姉をキルした悪漢への復讐を成す物語が展開した。これが格好良い。

 復讐者を題材に取り上げるなら、多くの場合は過去に囚われた閉鎖的人間性をネガティブに表すだろう。しかしエルメェスの場合は違う。復讐は過去に囚われた者の足踏みではなく、未来を切り開いて進むための誓いなのである。キッスは復讐のライセンスなのだ。格好良い。前を見て進む強き女、それがエルメェスコステロである。田村睦心の気合の入った芝居も素晴らしい。

 

 徐倫が男のいるやばい監獄に移されてからは、多数が入り乱れての監獄ガチファイトが始まる。

 ここで登場する新たなスタンド使いは、空から隕石を呼んだり、風水を読んだりと多彩な攻撃をしかけてくる。本当に次から次へと不気味な能力をよくも考えつくものだ。

 チョーの絶妙にやる気の無い声がマッチしたドラゴンズ・ドリームが面白かった。

 

 後半戦の「ジェイル・ハウス・ロック」という、記憶を忘れて思い出してを繰り返すエンドレスエイトめいた能力は、攻略するには難解なものですごかった。面白いなぁ。

 

 今回から仲間入りして能力を見せてくれたナルシソ・アナスイの存在も忘れられない。前シーズンから出ていてウェザー・リポートと一緒にいたけど、一体何者なのか謎だった。イケメンでちょっとディアボロみたいにも見える。

 それにしてもコイツ、なんちゅう格好してんだ。世界一おしゃれな変態って感じ。腹には足形が見え、下半身は女物下着なのでは?

 ホント、ジョジョキャラはどこで何をしていたらそんなファッションセンスを思いつくの?ってくらい出で立ちが異質なヤツが多い。作家の衣装センスもすごい。

 アナスイの何でも分解したくなる癖はちょっと分かる。もちろん家電の話であり、彼のように人間の分解まではさすがに思いついたことないけど。

 結構変人で徐倫にお熱になっていた。曲者だったな。

 

 今回も元気に素数を数えていたプッチ神父だが、コイツはマジで許せん。神父の手にかかってフー・ファイターズが逝ってしまった。悲しいぜ。

 ただのプランクトンだった彼女が、徐倫と行動を共にしてからは生きる意味を見出し人生を謳歌し、そして散っていく。あの散り際シーンには泣いてまう。

 他シリーズでもそうだが、ジョジョは各キャラの人生を通して生き死にの意味や価値を描く点が深くて良い。それも命を使った当人がそれに気づいて語る点にグッとくる。

 

 水が生命の源だった友の死を悼んだエルメェスが「好きなだけ飲みな」と言って水の入ったコップをひっくり返すシーンにもウルリと来た。あんな荒んだ場所での出会いでも、やっぱり皆友達だったんだよなぁ。

 ここへ来て仲間の退場は悲しい。神父が良いキャラをしているけど頭が良く、強くて悪いから困る。

 

 今回は謎の骨を追って監獄内を駆け回る徐倫の物語が展開したが、その骨の正体があのディオの一部とはびっくり。ディオは回想でしか出てこないけど、子安が本当にイイ芝居をしている。ディオもだが、この役者のキャラもまた良い。

 気持ち悪い緑の赤ちゃんが誕生し、こいつが何なの?不思議な展開で未来が読めず毎度楽しすぎる。

 それからヨーヨーマッもキモイけどなんか面白かった。4部のしげちーに続いてこちらのキモイ怪物も山口勝平が演じていた。

 

 プッチ神父がディオのメッセージに従って新月を待ち、儀式を完成させる段に入っている。徐倫達が脱獄してこれを追いかけるところで終わってしまっている。

 

 これでシーズン3に突入決定になった。次はいつやるんだろうか。早く見たい。この先の未来もしっかりジョジョるぜ。

 

神クズ☆アイドル

神クズ☆アイドル 03 BD [Blu-ray]

 

 とても良かった。意外にも面白い。

 まずOP曲がとても良い。アイドルアニメ曲なら基本的にはラブライブとかの女子アイドルものばかり聴くのだが、本作のOP曲は良かった。

 

 死ぬ程アイドルをやりたい伝説のアイドルが、死んでもアイドルをやっているスピリッツが素晴らしい。そんな伝説のアイドルのアサヒちゃんを東山奈央がキュートに演じたのがとても良かった。やっぱり東山奈央といえば「神のみぞ知るセカイ」の頃からアイドルヒロインが映える。今期だと同じ日に放送していたカノカリにも出演しているので、連続で元気な東山奈央ボイスが楽しめて良かった。

 

 死ぬ程アイドルをやりたいアサヒが取り憑いた先が、やる気の死んだアイドルの仁淀くんだった。この二人のテンションからなにから全く異なるアイドル性に笑える。

 オリジナル仁淀の時には気だるげ、アサヒと憑依した状態では神ファンサを見せてくれる。仁淀くん役は2つのモードを演じ分けるスキルがいるので大変だ。

 しかしアイドルとえばこの世にアホ程ある労働の中でも屈指の高カロリー必須ジョブなのに、よくもこんなに「とにかく楽したい」を言う省エネ野郎が合格出来たな。そんな仁淀くんはスピリットとしてはゴミレベルだけど、歌唱、ダンスのスキルとしては高レベルをマークしているのだ。そんなわけで沼ル固定ファンが結構いる。

 

 気だるげな仁淀とコンビを組む人間の方の相棒のカズキくんは爽やか系でカッコ可愛い。アサヒと組んでもカズキと組んでも仁淀がいれば凸凹コンビが生まれるので、二組の凸凹コンビのやり取りが楽しめた。後は瀬戸内くんと仁淀のコンビに見るギャグ展開も笑えた。

 カズキを演じたのは、これまた同日放送のカノカリの主人公 和也くん役と同じ堀江瞬だった。和也くんの時にはあんなに冴えないダサダサ童貞の芝居なのに、こちらでは冴えまくりな格好良いアイドル役を見せている。やっぱり役者ってすごいんだな。色んな芝居が出来るんだと分かった。

 

 瀬戸内くんと仁淀が揉めて、なんだかんだで仲が良い展開も面白い。瀬戸内くんがメインの物語に突っ込んでくることで、愉快にカオスな展開が生まれて良かった。瀬戸内くんがアサヒガチ勢過ぎてウケる。

 

 作品の良いところは、ステージに立つアイドルのサイドと同じく、それを見るオタク達視点の物語も楽しく描いていること。ステージの上と下、それぞれの要素に楽しいを見ることで、ウィンとウィンが手を取り合っての素敵世界が完成していた。

 毎度登場するアイドルガチオタ達の青春も面白い。上田瞳がハイテンションでフザけたオタ女を演じているのに笑える。石見舞菜香大地葉種崎敦美と、ちょい出のオタ共を演じる面々が何気に豪華。アイドルの話題で盛り上がる彼女達の人生が楽しそうで本当に良かった。

 

 没入感深まる演出が光る「ZINGS」2周年の集大成となるライブをたっぷり見せた最終回は神回だった。すごく楽しいじゃあないか。それから今期はシャインポストに「TiNgS」というアイドルもいたので、「ZINGS」と名前が似てるって思った。

 仁淀、カズキのボーカルに三人目のアサヒのボーカルも重なる演出にはちょっと感動。

 基本的にはドタバタアイドルコメディだったけ、どラストは綺麗に感動的に締めた。10話というちょっと短めの締めだったけど、12話ですらダラダラと長いわって想えるくらいしょうもないアニメもあるから、やっぱりコンパクトにシュッと気持ちよく締めるテクってのは素晴らしい。初回放送時だと全然知らないし期待もしない作品だったが、ダークホースな妙味があって結果的にとても良かった。すごく好き。

 

 アイドルはまず己で輝き、次にはそれを見る者を輝かせる。まるで恒星のような素敵なお仕事。みたいな内容をお伝えした速水奨のナレーションもいい声すぎて幸せになれた。

 

koshinori.hatenablog.com

 

 

 

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