こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その3

 今期も色んなアニメがありすぎて笑って楽しめた。それから呆れることもあった。実に退屈しない夏だった。

 

 夏を彩る楽しい作品が並ぶ中、問題児も結構いた。その時には原作側とアニメ会社それぞれの困った都合が出てくるだろうなと想像してしまう。

 現代には、映像の原作となる数多の作品、それを作るアニメ会社がたくさんある。原作側は良いアニメ会社を、アニメ会社は良い原作を、それぞれが願いを込めてガチャを引くような形で、どこかとどこかが運命共同の仲になって行くんだな。これもロマンだ。

 程度の低い会社に選ばれてアニメ化が失敗すれば、原作者は作家性を問われる打撃を受ける。対して、しょうもない原作のアニメ化を請け負った会社は、余計な職歴と拭えぬ汚点を残すことで背中に傷を負う。

 これって結構シビアな駆け引きだよな。良い原作をアニメで潰すこと、質の悪い原作でアニメ会社の名を落とすこと、どちらも割と容易なことなんだよな。

 

 のほほんと笑ってアニメを楽しみたいが、このようにテレビ画面のずっと向こうの事情が見えてくる困った作品も複数あった。

 昨今のアニメシーンを見ていれば、楽しい業界にもしっかりある「不穏」について学べる。

 

 そんな感じで作品の出来の明暗がはっきり分かれる今期のアニメを振り返ろう。

 

 

 

転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~

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 パーフェクトにしょうもなかった。これが新時代のクソアニメか。

 もうキービジュの段階からなんか怪しかったもんな。

 

 待ってましたの賢者枠なわけで、当然出来は良くない。クソアニメハンターの血が騒ぐ今期の楽しい狩り場となった。

 

 主人公の顔と頭が悪い。鼻の大きい主人公なんだな。無口で無表情だけど、もう現代でこういう主役は流行らないだろう。「何もない」という主人公の人間性に好感はまるで持てないが、この手の人間は実際に多くいるので、その点からキャラ設定に共感は持てる。こいつがブラブラして終わりなアニメだった

 これなら第二の職業を得るための転生をしなくてもそのまま日本で第一の人生をやり直す方が良かった。世界最強になりましたの「最強」の意味とは?となる作品だった。

 

 主人公のユウジを演じた小林千晃は、前期クールの「トモダチゲーム」でもユウイチというモブさ加減と名前が似たキャラを演じていた。暗くてボソボソ言う役がマッチする役者だな。

 

 特大魔法を使って皆に驚かれた事について、弱すぎるから驚いたんだろとバカ面で尋ねる序盤回がどうやらハイライトシーンだったらしい。

 こんなバカを言う主人公の無自覚がテーマだったらしいが、無自覚、無知、バカの似た要素はそれぞれ紙一重であり、主人公はどうやら無自覚以外に属する模様。

 特に意味はなかったみたいだけど、日本で会社員をしていた描写がたまに挟まれる。社会人としてコミュニティに参加していれば、自然に「無自覚」のバカを回避可能にするだけの経験を詰めると思うのだが、そうは行かないヤツもいるらしい。

 

 モブみたいな主人公で、シナリオ、作画共に省エネ。総員モブ令が敷かれているのか、固定の可愛いヒロインもなし。この出来で可愛いヒロインがいないならもう救いがない。

 たまに出てくる和氣あず未の演じたドライアドだけはちょっと可愛かった。毎話固定で出すと和氣あず未の無駄使いになりかねないので、無駄使いにならない範囲でちょこちょこ出したのは良い采配だったのかもしれない。

 昨今よく見られる1話目冒頭をハイライトに持ってくる出オチネタがあるわけでもなく、ずっと安定の低空飛行作品だった。

 これで謎に初回1時間SPだった。普通、初回1時間やるならそこそこに気合の入った作品のはずなんだけど、気合の入った作りではなかった。

 

 ちゃんと出来ないからそもそも最初からやらない。大人になる程そこの判断が大事になる。そんな気づきが得られる点に価値がある作品だった。それとスライムは可愛かった。

 

 1話切りをした者、もっと辛抱のない者の中には放送前キービジュ切りを行った者までが多くいたことだろう。1話目から最終回まで完走した私は相当付き合いが良いと思う。

 

シャインポスト

ワンダー・スターター/パレットガールズ

 

 何をするのかまるで分からないタイトル。ウイニングポストと郵便屋さんしか連想しないものだったが、中を開けば素敵なアイドルアニメでとても楽しい。

 昨今のアニメ業界を見ればアイドル枠も戦国時代だと分かる。そこにぶっ込む新手の優良株だった。マジでパーフェクトに可愛いアイドル達出てくるじゃねえか。

 

 そんなパーフェクトに可愛いアイドル達の成長を描くものである。それもスタートラインが他より下がった地下アイドルからのスタートである。「推し武道」レベルのアイドル達の話だな。

 

 前期ではガイコツ男がゲーム世界をブラブラするだけのアニメを作っていたスタジオ KAIがアニメーションを手掛けている。この会社はウマ娘2期で可愛い女子アニメを作るのに成功しているので、ガイコツよりもこの路線で行く方がずっと良いみたい。ライブシーンもいくつかあってそれぞれ最高に華やかで可愛い。

 女子が抜群に可愛いし、全体の作画もとても綺麗。同じ週に放送しているアニメでも会社によって本当に作画のレベルが違いすぎることに驚く今日この頃である。このコンテンツは良いアニメ会社を引き当てた。

 

 物語がスタートしていきなり大橋彩香演じるこの世界の頂点のアイドルが最強パフォーマンスを見せてくれる。この掴みは良い。「なんて可愛い世界なんだ!よしっ、見よう!」となる良き導入だった。

 

 まずは仕掛け人のメガネマネージャーに注目。花江くんが目利きな上に人間の嘘を見抜く異能力を持っているメガネを演じている。嘘つきが黒くではなく光って見えるという逆の発想が意外。アイドルが可愛すぎてメガネが空気になりかけてくるが、実は重要人物。

 小松未可子がアイドル達の会社のボス役で出演している。今期アイドル枠のルミナスウィッチーズでもアイドルのボスの役だったな。

 

「TiNgS」メンバーは抜群に可愛くて名前も良い感じ。青天国春(なばためはる)ってコレ、絶対読めないだろう。人生初の漢字。生天目仁美以来の「なばため」で、どちらも初見では読めない名前だった。

 雪音、紅葉で「ゆきもじ」というもじぴったんを思い出すちょっと間抜けなユニット名で活動しているのも面白い。

 

 最近楽しんでいるアイドルアニメの「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」には、本気系アイドルなんて肩書で活動している手抜き無しの熱いアイドルがいる。一方でこちらのアイドルの春ちゃんは、本気を出したら皆が引くしチームバランスが取れないことから敢えて手加減してのパフォーマンスを行っている。

 アイドルにも色々と都合があるのだな。ソロでやるなら好きにすれば良いけど、グループは総合力だから、出来の良し悪しを問わず水準から外れるヤツはいたら困るんだな。

 春がレベチな件はファンタジーのようでリアリティもあるのだと思う。

 

 メンバー5人各員のキャラの掘り下げが楽しい。アイドルも人間である。であれば十人十色いろんなヤツがいる。そこが楽しい。

 理王さまの小物ぶった実力者というキャラ性が良い。こういううるさいヤツってうるさいのになんだかんだあって最後には好きになりがち。

 最近は女子もイケメンだと良いと思うので、顔は雪音が一番好き。キャラだと理王さまが良い。

 杏夏役の人は本当にアイドル経験者らしい。ガチの人も呼び込んでコンテンツの強化を計っているようだ。

 

 それから毎度やけに目を引くアイドル達のダンス練習着の絶妙な透け感がしっかり良いよな。

 

 毎度ライブに来るガチオタ勢にもスポットが当たる。今期のアイドル枠なら「神クズ☆アイドル」もそうだったな。面白いモブ達が楽しめるのも良い。

 ふむ姉さんやトッカさんはウケる。杏夏の鬼ファンサでトッカさんが昇天してしまうシーンはマジ笑った。

 

 アニメで複数の楽曲が流れたが、ED曲の「パレットガールズ」が一番良い。これはおしゃれセンスが見える格好良い良曲だと思う。

 

「TiNgS」が5人になり、春が隠していた謎の究明も終わって、ここで第一部は完結。

 まるで最終回みたいな第9話をもってして作品はコロナ休止に入る。5人の再スタート曲「 Be Your Light!! 」披露時の作画がとんでもなく良かったので、あれを描ききれば一旦万策尽きても仕方ない。ココ、感動した。

 異世界おじさんもそうだったけどまぁ仕方ないよな。おっさんも可愛いアイドルもコロナを前にすれば慎重にお休みを取るべき。

 気になる続きの放送は10月からと予定されている。アニメがお休みでも中の人が特別番組をお届けてしてくれるというのでありがたい。中の人との時間を楽しみながらアニメの続きを大人しく待とう。とにかく病気にならずに生き残って最終回を見よう。

 目指すは光の標たるシャインスポット。良いタイトルだよね。

 

 

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