こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

美しき吸血鬼「OVA 吸血姫美夕」

吸血姫美夕」は、1988年から1989年にかけて発売された全4話のOVA

 昭和の尻から平成の頭にかけての発表となり、アニメ的時代の架け橋にもなった作品なのだな。と勝手に振り返る。

 

 先日視聴した「Night Walker -真夜中の探偵-」が結構楽しく、こういう吸血鬼ものって他に無いかなと探すと本作が発見された。5年位前から存在だけは知っていて興味は持っていたが、色々あって視聴が遅れた。令和になったけど、昭和と平成の架け橋のアニメを見る。これがアニメ好き的に乙ってもの。

 

 タイトル読みは「ヴァンパイアミユ」。

 タイトルの注目点は、吸血鬼でなく吸血姫になっていること。鬼でなく姫になっていることから、登場するのは美夕を名乗る可愛い子ちゃんの吸血鬼である。

 

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 美少女ヴァンパイア美夕の目的は、人間世界に放たれた神魔という化け物を退治すること。

 恐ろしき化け物もメインで登場するが、それを多い隠す程に美夕が可愛く美しい。そしてヴァンパイアと謳っておきながらも、西洋の感じは薄く、和服のヴァンパイアとして美夕は描かれる。これはなんか珍しい。なんとなくオスならタキシード、メスならドレスというイメージがあるが、何もヴァンパイアは西洋オンリーの物ではない。日本製のとっておきだっている。それが美夕。めっちゃ可愛いと思う。

 

 美夕という美少女キャラのデザインセンスが良い。一番の好ポイントは美夕が可愛いこと。あとは健全な美にマジでちょっとのエロスがあるのも良い。

「地獄先生ぬ~べ~」に出てくる雪女のゆきめがとても好きなのだが、美夕の服がゆきめっぽいからそこも良い。白い着物とピンクの着物を着ての登場となったが、どちらも可愛い。学生に紛れてのミッションもあり、その時には制服姿も見せてくれる。ありがたい。

 

 しっかり人間の味方なのかといえばそうでもなく、人間を手球に取る小悪魔っぷりも発動させる美夕のやり口にドキドキくる。意外と攻めるギャルな一面も見せてくるからハマる。

 こういうキャラ性のヒロインを渡辺菜生子が演じたのはちょっと意外。ちびまる子ちゃんのたまちゃん、ドラゴンボールプーアルなど、チビロリ声のマッチするキャラを演じるイメージが強いから、クールにしてキュートなイケてるヴァンパイア娘を演じるイメージがなかった。可愛い声だけど、良い感じで美夕のミステリアス性を出せていて良かった。

 

 全4話中、最初3話は京都、ラスト1話は鎌倉を舞台に物語が展開する。美少女と共に巡る観光アニメとしても楽しめた。

 コナンの服部くんのホームベースでもあることから、2回くらいしか行ったことがないのに京都には愛着が湧く。そんな私はコナンリスナーである。

 京都の街並みも美しく描かれ、服部くんみたく心地よい現地言葉を話す人物も描かれる。

 ド古い割に作画がすごく綺麗。人間キャラ、化け物、衣装、建築物、背景とどれも綺麗。

 

 和装のヴァンパイアが和風な京の都で活躍する。この感じに幻想的美を見る。これが不思議で、化け物ハンティングをする話の割には美しい。敵はちょっとグロいかもだが、その度合は弱めなのでトータル美しい作品なんだよな。

 

 内容も普通に面白くて良かった。

 人間社会に侵食する闇のモンスターであることから、化け物の事件に関わった人間達のドラマにも触れている。これが切なげで寂しくもあり、それでいて後味としては悪くない。一話完結で4話それぞれ別個の物語が展開する。どれも良い感じ。

 

 第2話では神魔と人間の儚げな異種族ラブを扱っている。こういうの結構好き。

 第3話は敵のテイストが意外な方向に変わり、カッチョ良い鎧武者が登場する。兜に「玄」の字が刻まれ、声が玄田哲章なので一瞬プススと笑いが漏れた。

 

 主役は美夕だが、毎度死登場するキャラに、ストーリーテラーも兼ねる霊媒師の瀬 一三子(せ ひみこ)というヒロインがいる。こちらはもう少しアダルトな枠のお姉様で、なんかエロくて格好良い。小山茉美のちょっと疲れたお姉さんって感じの声がマッチしていた。

 4話では意外にもタバコを吹かしている一三子を見ることが出来る。良い女がクールに煙を吐くのって何か良い。

 

 彼女が事件を追い、その中で美夕の事も究明して物語に深みが生まれた。

 敵対するかと思いきや、3話目では共闘もしているし、結構良いコンビだったかもしれない。

 

 美夕の仲間には言葉を発さない仮面男のラヴァがいる。ラヴァの白い仮面は、「ジョジョ」でディオがつける仮面とちょっとだけ似ている気もする。

 

 第4話では、美夕が人間の少女からヴァンパイアへ覚醒する始まりの物語が見れる。美夕の両親の謎にも迫っている。どこか薄幸な感じのする母親を演じた池田昌子のお声がとても良かった。

 ラストも幻想的かつミステリアスに締め、これはこれで良いものだった。

 

 というわけでとても面白かった。古いけどしっかり作った良い作品もあるんだな。おすすめの吸血鬼アニメだ。良きアニメライフには良きヴァンパイア枠あり。

 2022年放送中のアニメと並行してド古いアニメを楽しむことを続けているが、古くとも内外共にしっかり作られている物は今見ても楽しいと分かる。やっぱり時を越えてアニメって良いよね。

 

 好評につきOVAの後にはテレビシリーズも展開することになる。この流れでテレビ版の方もチェックしていこう。

 

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