こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2022年のアニメ感想(7月~9月)その13

 ここ最近は毎日が何かの最終回だな。これぞクールの変わり目な現象。こうなると嫌でもこの3ヶ月の内に放送した作品を思い出す。

 こうして日々感想を書いていると、本当に本数が多い。そしてそれらをしっかり見ている私はタフで付き合いが良いと改めて分かるもの。

 

 では色々楽しかった今期のアニメの感想その13を喰らえ!

 

 

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV Vol.2(初回仕様版) [Blu-ray]

 時代は出会い系。地上でも空でも地下ダンジョンでも、求められるならどこにだって求めたい。それが出会いの境地ってやつ。

 というわけで、謎の紐(←ヘスティア神をよく見ろ)がありがたいアニメ第4章スタートである。

 

「間違っているだろうか」の質問形タイトルについて答えると、ウィザードリィをやった後にこんな事を言っているヤツがいれば「それは間違っている」と注意されるだろう。

 だってダンジョンは厳しいのだ。そして今回の第4弾シリーズではそれを特に強く知ることとなる。そのくらい4期のダンジョンは危なかった。今期を見た者は皆「ここは戦場だ!出会いがどうこう言っている場合ではない!」と思うだろう。

 

 今回はよそと連携して更にパーティーメンバーを増やした上でベルの楽しくも危険な冒険が展開する。

 新章開始からいきなりダンジョンに潜ってかなり激しいバトルが展開する。バトルシーンが多く、迫力ある魅せ方でテンションが上がる。

 ファンタジー系作品なら高確率で剣や魔法のバトルシーンが入りがち。昨今流行りのコンテンツなのでバトルありのファンタジーは多くある。それらの中でもダンまちのアクション作画はなかなかレベルが高い。とにかく戦闘が格好良い。主人公もその他の可愛い子ちゃん達も含め、戦士達はバトルシーンで弾けた良い動きを見せていた。

 

 このアニメはキャラが良い。女子キャラは可愛く、衣装も良い感じ。

 パーティーに新たに追加したカサンドラはちょっと色っぽくて良いよね。景気の良い元気ヒロインは当然良いが、たまにはこういう薄幸の美女が来ても良い。

 ダンジョンの中で出会った人魚ヒロインも可愛かった。

 

 リューさんが悪者になったのか?という謎を追う意外な展開に入っていった。マジなリューさんは怖い。

 

 ベルくんが無双状態でめっちゃ出世している。出世に合わせた二つ名を命名する会議でフザけた名前が次々出てくるシーンは記憶に残る。「総受け」とか出て来たのは笑う。

 

 シリーズのOP曲を歌うお姉さんといえばのゆかちこと井口裕香だったが、今回は主題歌を担当していない。ガキのベルくんよりもっとアダルトなおじさんの方が良かったのか、今回はおじさんが冒険する例のアニメに歌のお姉さんとして参戦している。どこで歌っていてもゆかちを応援しよう。ダンまちには声優としては参加してくれている。

 

 早見沙織のED曲が流れる中、一人称視点でヘスティア神とのデート感覚を味わえるEDアニメは助かる。そう思った謎の紐好きは性別問わずたくさんいたはず。

 

 それからアイズが全然出てこないな。どこ行ったのよ?

 演じた大西沙織もウチのターンは?と思っていることだろう。

 今回はアイズとの出会いを楽しんでいる暇なんてマジで無く、ベルはしっかり死にかけてしまった。

 後半エピソードで登場した化け物がガチで怖くて強すぎる。冒険者を虫ケラ感覚で千切って投げてで秒でキルして周っている。最終回でもミッションコンプリートはしておらず、むしろもっとピンチになって終わっている。どうすんのこれ?

 自身も深手状態、そしてもっと弱ったリューを連れて深い階層に潜り、なかなかの絶望感の中で終わった。この幕切れはちょっとどうした。

 

 ベルは死ぬのか、生還してまたヘスティア神の紐が見れのか、そしてアイズと良い感じになれるのか、とにかく未来が知りたい。

 私ってばめっちゃ楽しんで見てたんだな。振り返ってそれが分かったよ。そんな感じでとにかく過去一くらいにダンジョン冒険の厳しさが見える回だった。

 

はたらく魔王さま!

はたらく魔王さま! ! 2 [Blu-ray]

「カツドゥーン!」でお馴染みのお仕事アニメ、9年ぶりに再就職である。

 

 で、絵はどうした?

 いきなりだが、とにかく皆がそう思っただろう。絵が前作と違っている。我々のちいちゃんがブスになっている。悲しい。

 あの日のクラスのマドンナも時を経て同窓会で会えばすっかり命が減ったおデブだった。あれには時間の残酷さをまざまざと感じさせられたぜ。←という内容を同窓会帰りのお兄ちゃんが愚痴ったことがあった。

 私には窓を同じくした空間で共に育った愉快な関係性の仲間がいないことから、そういった回に参加しようにも参加先がない。だからお兄ちゃんと同じ経験がない。でもね、多分今回のアニメに寄せる思いがそれだな。久しぶりにあったエミリアやちいちゃんが何か劣化していたのだ。

 

 久しぶりに結集された役者チームは自分達が演じるキャラが違っていて戸惑ったのではなかろうか。それにしても役者陣は当時から勢いのある連中が集められていたが、9年経ってそれぞれが熟した。結婚してプライベートが充実した者もいたし。出てくる声優は皆好きなアニメだった。ちいちゃん役の東山奈央の芝居に清潔感がありすぎる。

 

 なんだかのっぺりした顔が並び、男女キャラ共に顔面偏差値が下がっての新章スタートとなった。基本のキャラ絵がチェンジしたのは受け入れて見ることにしたが、その後に動画としても動きがかなり悪い事も判明。また絵に対して気になる要素が浮上した。作画、もうちょっと頑張れや。崩れが酷い回だと素人にもバレる違和感。魔王様をしっかり働かせたいのなら作画をサボらないようにしなきゃ。それから漆原は9年経っても相変わらず充実引きニートライフ続行中だったな。途中強制的に仕事場に引っ張られるシーンもあったけど。

 

 キャラ達の宿すキャラ性は良い。お話も楽しめた。

 いつまでもバーガー屋でのお仕事ではシナリオに膨らみがないと判断してのことか、今回は改装のためにバーガー屋を一旦閉め、魔王達をよそで働かせる展開が用意された。海から山へと、大自然をバックに皆がしっかり働いている。

 

 今回は魔王と勇者で子育てという新要素も追加。働いて育児もするとは、いよいよ所帯じみてきたな。というわけで社会に出て、家に帰れば家庭人として更に魔王達がしっかり働くことになる。

ToLOVEる」の主人公の庭の花から出てくるチビを思い出す赤ちゃんキャラだったな。

 

 賛否無いわけがない新章となったが、なんだかんだでまた奴らに会えて嬉しかった。で、これの更に続きも来年に放送するとのこと。じゃあ来年も魔王と一緒にしっかり働こう。

 

よふかしのうた

よふかしのうた 下(完全生産限定版) [DVD]

 

夜明け告げるルーのうた」を思い出しちゃう謎のタイトルなアニメ。どんな物だろうと楽しみに見てみる。

 

「よふかしのうたぁぁあ~」と叫ぶED曲が面白い。

 

 夜の街をぶらつく中坊と吸血鬼が出会って始まる一風変わったテンションの物語。他とは被らない独特の雰囲気と絵柄から、今期の中では良い意味で浮き出た作品だった。

 

 ちょっと品の欠けるおじさんテンションでも行ける吸血鬼のなずなちゃんは、孤高で美しいイメージの方がメジャーな吸血鬼界にしてはやや変化球なヒロイン性を持っていた。お風呂回で髪を降ろしたなずなは超グッドだった。

 凛々しく美しい正統派ヒロインもいける雨宮天だが、今回のように正統派からやや外れた邪道ヒロインの芝居も良い。

 

 夜中にガキが外をうろつくこと。それは補導対象になることからよろしくない事と捉えるのが普通。だが、この作品でコウやその他人物達が闇夜をうろつくのにはちょっと突っ込んだ事情がある。

 日の高い時間でのうろつきでは心の解放を迎えることが困難な者も一定数いる。抑圧からの解放を願っての行為という見方も出来るので、夜と親しくする人間が待った無しの悪だということない。暗い世界にこそ安らぎと居場所を得る者もいるのだ。そんな人間心理が見えもする。闇と親しくしたいというリアル性ある人間心理に、闇の世界で生きるファンタジーの存在たる吸血鬼の要素を上手いこと絡ませた奥深い作品だった。

 とかなんとか夜を語る私は、日が沈めばさっさと寝支度をして朝と共に起きる完全な朝方人間。実は夜をほとんど知らない。

 

 やっている事、描いている事は夜にブラブラしているだけの連中の話。そう単純に解釈する事も可能だが、そこで終わるとアニメライフはそれ以上楽しくはならない。表層をやんわり覗くだけでは分からない深部にこそ魅力がある作品なのだ。しっかり見れば、人間心理の核心をついたそこそこに良い事も言っているアニメ。

 

 メイド喫茶盗撮事件を描く回では、現代人特有の心の闇と病みが見えた。この回では自分をスリルに追い込む緊張感を味わいたい、そしてそれを皆に見せて承認欲求を満たしたいという若者心理が深掘りされていた。吸血鬼の一人がそれについて人間の心の病気だと指摘する。でも、そういうのと上手く付き合っていけるならそれはあるべき人の特性として潰すことはないとも言っている。社会と折り合いをつけたり、個人をそれとなく尊重する点についてコミカルテイストに描いた結構社会派なアニメだった。

 

 初手でなずな、以降も美少女吸血鬼が連発されるが、各員の声優が有名人ばかりで良い。

 最終回で和氣あず未演じるハツカが実は男子だと分かった。実は男の吸血鬼も混ざっっていた。和氣あず未が男子を演じるのはレア。初見では彼女と気づかぬ男子演技だった。男子の吸血鬼とその芝居にも注目だ。

 

 急に吸血鬼同士の激しいバトルが展開することもあるから眠い夜に目が覚める。

 

 あのハイカロリーアニメ「だがしかし」と同じ作者によるアニメ作品だった。この作家の描く男子はもっさりで弱そう。同じテイストで描くのになぜか女子キャラは可愛く色っぽく魅力的に見える。なんでだろう。女子を描く方が断然上手い作家だな。

 

 吸血鬼になるためのハードルは高く設定されている。吸血鬼に恋した状態で吸われないと、人間の吸血鬼化は完成しない。誰彼吸っても吸血鬼側は仲間を増やせないんだな。

 要素は様々あっても、最終的にはコウとなずなの愛のあり方について究明するのが作品の核なのだろう。最終回ラストは景気よく、そしてキュン度高めの二人のキッスで終わった。良い幕切れ。

 

 もっとよふかししたい私は続きがあっても良いと考える。続きが来るなら来いって感じ。

 

サマータイムレンダ

TVアニメ『サマータイムレンダ』 Blu-ray 下巻

 

 春から始まった一夏の物語、9月最終日にして遂に完結す。

 今年放送作品の中でもまとまな作品としてかなり上位に昇る一作だと思う。ホント良いのもフザけたのもたくさんありすぎるから、まともな作品があればとびきり光って見える。

 

 時間を行ったり来たりして行う化け物との長き戦いの物語も遂に決着がついた。これはみっちり2クールでやってこそ正解の話だった。1クールでは足りない。これ以上あれば何かダレそう。だから半年放送でピタッと収まって良かった。

 

 後半クールでは南雲先生の動きがピカイチ。超化け物を相手に戦場を駆けて大立ち回りする巨乳バトルヒロインの要素は全く悪くない。ていうか良かった。

 

 慎平達も経験を積んで強く逞しくなって行く。敵は完全にリアルの向こうの化け物だが、対してこちらは知恵と勇気、加えてネイルガン、スレッジハンマー、ショットガンなど、リアル思考な武器を選んでの応戦となる。日本の田舎が舞台なだけに現地でなんとか調達出来そうな物を集めている。ネイルガンってのがリアル。

 バトルシーンの動きがスムーズで良い。しっかりアクションしている。

 

 前半では回想の中の人でしかなかった潮が、常に慎平の隣にポジを取るようになったのも良い。真のヒロイン見参の流れが熱い。

 これだけヤバい戦闘を行う中でも青春の鼓動は鳴り止まない。というわけで、潮、澪の間に慎平を挟んだドキドキな男女関係の話もそれとなく進行して行く。

 潮も澪もめっちゃ良いな。しっかり萌える美と強さを持った女達で良い。清潔感があるんだよな。南雲先生も爆乳を下品に見せることはしない美がある良きヒロインだった。合わせてトリプルヒロインで楽しめるものだった。

 その中で慎平は姉妹のどちらとどうなるのか。これは大いなる二者択一だ。楽しそうだけどストレスが溜まりそうな立場。2クール目からは男女の話も深く彫り込むことでキュンキュンした。

 複雑な時間移動を絡めることで少年の青春を面白く見せるのが売りの作風なのだろうけど、私が一番推す要素はビジュとキャラ性共に出来の良い姉妹ヒロインの存在である。やはり光るヒロインがいてこそメインのシナリオがもっと光るってものよ。

 

 朱鷺子を演じた河瀬茉希の芝居が良かった。普段の朱鷺子は澪を優しく見守る大人しいお姉さんだが、場面によっては女総長のような目が覚める怒号を飛ばすこともあった。怒らせると怖いお姉さんなんだな。シリアス場面での朱鷺子の芝居には迫力があって良かった。他のヒロインが強いから忘れがちだが、朱鷺子も有能な妹ヒロインだった。

 

 最終回1話前には遂に事件を解決し、また慎平が南雲先生のおっぱいにダイブする第1話の時間に戻る。南雲先生のおっぱいにに始まって、またおっぱいで終わる。そんな夏時間も良かろう。

 最終回はおっぱいの事ばかり言ってられない素晴らしい出来になっていた。夏の田舎の島を堪能出来る観光地イメージビデオみたいに綺麗な景色が楽しめ、戦いはゼロの慎平の楽しい夏物語が見える最後の1話だった。

 これまでのエグい話を乗り越えた先にあるこの平和には感慨深いものがある。怖かったしおり、ハイネもただのガキとして登場する。釘宮理恵久野美咲、それぞれのロリ声の芝居も良かったよね。

 

 そして迎えたラストシーンは本当に素晴らしい。このシーンを迎えるために慎平は戦い抜いたんだなぁ。綺麗に打ち上がる夜空をバックに浜辺で潮と素敵時間を過ごす慎平はリア充の権化と化していた。

「おかえり」「ただいま」を言い合うのが二人の最後のセリフ。人目に見ればただの挨拶のやり取りだが、ここに来るまでに乗り越えてきた山がデカいだけに、このありふれた会話が持つ意味合いもデカい。改めてどちらも良い言葉だな。潮の浴衣姿が可愛すぎる。

 このようにして慎平少年が万感の想いを込めて掴み取った奇跡の最終回が終わる。さすがに泣いた。

 

 終わりよければすべてよしと言うが、まさにそれだな。終わり方って重要。今期アニメ一の良き落とし方だった。

 素敵な夏物語をありがとう。

 

koshinori.hatenablog.com

 

 スポンサードリンク