世は夏休みシーズンを迎えた。
休むのが好きなヤツは海にでも山にでもバカンスに、働くのが好きなヤツは相変わらずそのまま会社仕事へ。過ごし方は人それぞれ。
そんな中、私の夏はクソ暑いのを敢えてもっと熱くする仮面ライダーな夏にすることに決定しました(←なにそれ?)。
ちょっと前に50周年イヤーを迎えたってことで、今一度見ましょう、栄光が過ぎる昭和のライダー達を。つっても50周年が2年前かぁ。時が行くのは本当に高速。
私は生まれてからこの方しっかりと順番に仮面ライダーを見てきた。じいさんの代からも活躍していた1号ライダーから、今やっているギーツまでしっかり見てきたのだ。
それだけで、なんて長い時間テレビに齧りついていたのだろうかと思わずにはいられない。50年には余裕で届かない時間しか生きていないのに、私は50年分をしっかり学習している。これは間違いなく英才教育。もちろんそれだけでなく学校の5教科+αだってしっかり抑えているぜ。学校の勉強をちゃんとしてないとここまで自由に特撮は見せてもらえなかっただろう(←自慢がしたいお年頃)。
私が生まれる前からも何人と仮面ライダーはいたわけだが、そこは我が家の大人がマスクド英才教育として時を遡って勉強させてくれた。そこは感謝だ。謎に豊富な特撮関連の資料が整っていたことには感謝するしかない。
そしてこの夏、かつて勉強してきた資料の中でも多分一番最初くらいに手をつけた作品を振り返ることにした。人生そこそこに生きたなら振り返ってみようくらいの余裕を持った方が良い。て、じいさんが言ってた。
で、倉庫を漁って取り出した懐かしの一作がコレ。
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なんと昔懐かしいVHS!
VHSとベータどっち派?戦争が終結してから久しい。とこれもじいさんからのコメント。私はそこのところをリアタイしていません。
VHS再生環境ならまだ廃れてはいない。我が家にはVHSプレーヤーがなんと3台もある。皆生き残っている。
映像オタクくらいしか言わない事情だが、実はなんだかんだと問題があって未だにVHSでしかパッケージ化されていない作品が割りとあるのだ。だからそれ用にいつまでもこんなレトロな家電を始末出来ない。
このビデオの中身はライダーシリーズの総集編なので、各シリーズ本編のDVD、BDを見ていれば問題はない。でもこの形で編集された映像は、このVHSでしか見れないのだ。貴重っす。
このビデオは親がお兄ちゃんに与えた物だ。お兄ちゃんだって人生の初期だと特撮に熱を上げていた。彼はライダーマン、Xライダーあたりが好きだと言っていた。私はいわゆるD.D(つまり箱で推す全部好き好きいうヤツ)なので皆愛している。
そのお兄ちゃんもライフステージが進む内には「もう男のヒーローなんて暑苦しい。時代は女のアイドルだ!」というまぁ分かるっちゃ分かる男子心理から徐々に特撮から離れていった。
お兄ちゃんがモー娘。とか乃木坂でエンジョイするようになる頃には、このビデオはすっかり私へと譲渡されることとなったのだ。こうして人の心、物を含めた万物は流転していく。
私はテープがかなり痛むくらいにコイツを鬼リピして勉強したのだ。
栄光の12人ライダーの歴史をだいたい30分くらいで学習できるザ・優秀な学びコンテンツだった。何回見ても格好良い。仮面ライダーのデザインは普通に最強だし、変身する俳優もハンサム揃いで良き。
このビデオの内容は、仮面ライダーBLACKとその次のRXとの繋ぎで放送されたSP回をほぼそのまま流用したものとなっている。
話の流れはこうだ。
↓
創生王を遂に倒すBLACK最終回の振り返り→チャリで来るで有名なスカル魔が南光太郎を襲う→先輩ライダーの熱き戦いの歴史を振り返る→RXに変身してスカル魔を殺る→これにて来週から放送のRX1話にむけての予習完了。
以上、無駄なく学習出来るスーパー構成。作ったヤツに拍手と胴上げとライダーキックを!
ここへ来て想うが、やっぱり昭和は熱が特殊。今のがふざけている、手抜きとは絶対に言わない。しかしこの時代にはこの時代ならではの熱がある。
昔のを見るとスタントがすげぇ。めちゃ疲れるだろってくらいに体を張っている。
そして最近ではパソコンで出しているから逆に新鮮なのが、マジの炎と煙を見れること。派手にバンバン火薬を投入している。これを見ていると人間と爆発が近いからあぶねぇって想う。公表してないだけで、何人か火傷したりその他大怪我もしてるんじゃないかな。
令和に昭和特撮を見れば変化がすごい。その古い時代のやり方を今見るのもまた乙ってものだ。
再生するといきなりBLACKの最終戦からスタート。ここはマジで熱かった。
ビルゲニア、シャドームーン、ブラックサン、そして最後には本来の持ち主の創生王の元へと帰って行くサタンサーベル変遷の物語のオチ。こいつは完璧だぁ!
ゴルゴム産の王者の剣が幾人もの持ち主を経由し、最後には他でもないボスを滅ぼす一打になる。なんて皮肉の利いたいわくつきのアイテムなんだ。このオチはすっきり気持ち良い。
なんたって興奮出来るのは、世紀王、創生王、両ポジに座するのを拒否した仮面ライダーBLACKが、最終局面で王者の証たるサタンサーベルを使ったこと。これはリアタイ勢が燃えたはず!まさか仮面ライダーがあれを使うとは思わないものな。
時期創生王候補として、シャドームーンと同じ権限を持つ向こう産のこっち側の戦士っていうポジが美味しかったよな。
BLACKがサタンサーベルを呼んだ時に、シャドームーンがサタンサーベルから手を離したのは、死んで筋肉が弛緩したためか、はたまた秋月信彦の意識が戻って協力したのか。その真実は倒壊した基地の下。
リアタイ勢にとってコレはロマンスだったはず。当時SNSがあったら、どっち説を正史とするのかオタクたちで有意義なディスカッションが巻き起こっていたことだろう。
こんな感じでBLACKは、一応考察系オチ残しシリーズです(と勝手に思っています)。
にしてもシャドームーンを演じているてらそままさきの声が最近の芝居と違い過ぎる。これは今のファンも気づかん。
そして次には例の遊園地あたりでスカル魔に襲撃されて光太郎が先輩ライダー達の魂の歴史を振り返る。
こうして一挙振り返りすると気づくが、一個前の作品のスーパー1が白が目立つ系だったのに対して次のBLACKが真っ黒っていう対比はおしゃれアイデアだったな。
ここから1号~ゼクロスまでの振り返りが開始。見ていて気づいたのだが、劇場版が作られたシリーズはそこからの抜粋シーンが多いな。なんでだろ。
後にこれだけ後輩が続くシリーズに出来たという可能性が1号ライダーの頃からたっぷりあった。
改めて1号ライダーを見れば、第一号ヒーローにして全てが完成されたデザイン性が確認できる。
最初の怪物感も少し出した全体的に暗めのスーツデザインもあれはあれで良い。後半の爽やかさと清潔感が出た明るい色味の1号はめちゃ完成されている。これぞヒーロー。
シンプルかつ洗練された一作目でこの完成度。すごい。続く後輩が蛇足なわけはないが、そういう意見が出てきても不思議無いくらいにもうこの段階で完成している。なんならキャラデザ案としては先発のスカルマンの段階からも完成されていた。
完成されたデザイン性ならライダーの相棒のバイクのデザインもそう。
サイクロン号なんてマジで最高じゃん。どうやったらこんなに綺麗で格好良いのが出来るんだ。
新サイクロンの速すぎて減速に困るから小型パラシュートを搭載した発想はマジで好み。
歴史の良いところだけかいつまみ編集なので、ライダーマンの空中爆発シーンもあり。あれは泣いた。そしてライダー4号の名を送ったV3の粋な計らいはナイス!
Xライダーのキングダークが立ち上がるラスト展開はすごかったな。この鋼鉄巨人が立ち上がるとかもう日本終わったなって思ったものな。
デカいといえばストロンガーの岩石のボスも。こちらもしっかりこのビデオに収められている。
ウルトラマンならともかく、仮面ライダーで見る巨大な敵となると、子供の頃にはかなりビビったものだ。
そもそもデルザー結成の段階で「日本オワタ!」て思ったし。ONE PIECEでいうところの「最悪の世代」のもっと熟して最悪加減が極まった状態みたいなヤバヤバ軍団だった。そんなデルザーが大好き。
タックルの殉職シーンもありだった。ドクターケイト、許せん。でも声が曽我町子なのはナイス。
ストロンガーの後半はめちゃワクワクしたからもう一回見たいかも。
アマゾンの時は確か集合無しだったと想うけど、他のシリーズだと先輩ライダーが駆けつけるスペシャルな展開があって、それが子供心的に超ワクワクしたんだよな。
こっち側、あっち側関係なく、すごいヤツがいっぱいいるという状況に人はめちゃワクワクするのだ。
1号からRXの物語の頭までをさっくり振り返るものだったが、さっくりだけでもとても心が震えた。全部マジで格好良い。
ライダーは当然だけど、立花のおっさん、滝、玄海老師などの名物生身キャラも復習できた。
久しぶりにお兄ちゃんにも見せてやると、想い出話に花が咲いてとても楽しい。
やっぱり仮面ライダーは一級娯楽コンテンツ。これの仕掛け人となった石ノ森先生は天才。テレビと内容、雰囲気共にかなり違う漫画の方もちゃんとチェックしたぜ。それから石ノ森先生もイソギンジャガーに襲われる釣り人としてこのビデオに映っている。
というわけで、今更ながらこの夏昭和の仮面ライダーが熱い!
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