こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

人に贈る用のお土産に手を出したら背徳的美味を楽しめた

 親戚付き合いが死ぬほど大事だとは言わないものの、決して軽んじて良いものでも無いと思っています。というわけで、求められた分に対して答えられる分にはしっかり応じてその関係をなるたけ長く良好に保っていくのがベストだ。 

 

 そんな私は自分で言うのもなんだが、親戚連中から受けが良い。向こうからアクセスしてくることもしばしば。

 で、この夏、いや毎年の夏がそうなのだが、お盆の関係で諸々の事を手伝ってくれと言ってくる先がある。

 こちらは時間とお金はいくらあっても問題ないくらいにその消化先に心あたりがある。つまり人生において「暇」が微塵もないのだ。

 暇ではないから暇なら来いくらいの誘いは止して欲しいものだが、まぁそこも付き合いだよね。1人はもちろん好きだが、集団が苦手なことはない。むしろ得意なんだなコレが。

 要請に応じて手伝いをすれば交通費と飯の世話はしてくれると言うし、こちらに大きく損はない。ていうかその親戚とは仲が良いのでめっちゃ喋るし、ゲームとかして遊んだりするので、実はそのイベントが楽しみだったりもする。

 そんなこんなあって、ちょっぴりだけ出動が面倒みたいなツンデレのもう一歩手前のおちゃめな感じで向かうのだ。

 

 ていうか昔の家の人って風習を重んじるよな。お盆になるとまずは軽くの範囲をやや越えた重めの掃除をし、その後なんか飾ったりして色んな用意をする。まぁやっている方もちょっと楽しんだり、充実感があったりな顔を見せているので良いんだけどね。

 

 この私ときたら、アニメにゲームに読書三昧でやってきたインドアの才能がすごいばかりでなく、意外と現場仕事も柔軟に対応出来ちゃう才があったんだよね。まずフットワークが軽いし、身体機能も野良仕事をするには問題ない。というわけで、向こうとしては問題なく現場要員として引っ張り出すことが出来るのだ。まぁ出来る事が多い分には損はないわな。早く家でアニメを見たいとは思うけど。

 

 そんな夏のお盆のお仕事なのだが、今年は台風の関係で出立が伸びた。1日遅れで仕事に向かうことになる。

 なんとかっていう種のペンギンは、神経質過ぎるため、巣を出て餌を取って帰って来る経路が守られなかったらめちゃムカつき出すと聞いたことがある。自然のことだから、朝通った道が夕方にも無事通れるとは限らない。そういう事情の上に、そういうムカつきもあるらしい。

 私の予定も変わってしまったのだが、そこまでイラつくことはない。家にいてもやることはいくらでもある。でもね、とは言ってもやっぱり予定は予定のままに進む方が気持ち良いってものだ。予定のままに行かないことで気持ち良くなれる道理ってのもあまり無いだろう。

 

 私の場合だと、親戚の家に出向くにあたって小洒落た菓子を差し入れる予定があった。これはしっかりと渡す予定で買ったものだ。

 で、なんだろうか。これはどういう感情でそうなるのかロジックがしっかり解明出来ていないのだが、今日渡す予定だったのを今日渡すことが出来ないなら、もう延期は無しにして中止で良くないか。つまりは、むこうに渡すのでなく、自分で食っちゃえとなってしまったのである。

 生の菓子でもなく、しっかり焼いたクッキーで賞味期限も次の春くらいまである。にも拘わらずもうコレはイッちゃえとなった。

 渡すはずだった美味しい菓子を食いながら、1日伸びた分は有意義に過ごせば良いじゃないか。それに決定したのだ。 

 というわけで、土産物として用意した菓子にめっちゃ手をつけてしまった。

 

 こういうのって贈答用という事でちょっとは格好をつける。そこらで100円くらいで買えるブルボンのクッキーとからなら自分で買うだろうからわざわざ土産物にすることはない。今回はクッキーを用意したのだが、もちろんスーパーで普通に買える普通価格のヤツではない。

 用意したのは舶来品である。おフランス産の良いものだ。イヤミが愛した国だね。

 こういう海外産なんて自分用ではまず買わない。自分で食うなら100円以下の菓子で十分だ。人にあげることはあるけど、高級な物を自分用で買って食うことはほぼ無い。だから今回はそのすごさを思い知った。コイツ、完全に美味いじゃないか。

 なんかイチゴのジャムが入っている甘くて美味しいクッキーだった。ヤバイ、止まらぬ。一緒に飲み下すコーヒーも何だかいつもの倍掛けで美味い気がする。

 フランスって凄かったんだな。「キャプテン翼」のファミコンゲームでフランスという迷宮の中から岬くんを探し出すターンがムズかったため、フランスの広さにムカついたことがあった。それきっかけでちょっと嫌いだったけど、今回フランスが好きになりました。ありがとう。

 

 土産物として買った物に自分で手をつけるなんて、まるでガキの使いの出来底ないみたいな感じがする。そこにちょっと背徳感がある。しかしその中で味わうこの美味さよ。これは忘れられぬ。やっぱり海を越えただけのことはある。熟され感も極まっているなぁ。

 どうせクッキーだろ、100円のも1000円のも変わりないだろうってくらいにナメていたけど、それは失礼だった。高い分やっぱり美味いわ!そんなわけでもっと舐めたくなる美味さ。

 

 食い終わって満足した。同時に申し訳ない気持ちも出てくる。

 コレ、マジで美味かったので、こうなったら親戚にも食べさせてやりたい。素直にそう思った。

 こういうのは向こうから「くれくれ」と言われて贈るものではない。手土産はあれば善意が100、無いなら0で別に文句を言われることもない。どうやっても悪意にはならず、自分の好きにすれば良い。

 でもね、真心があるじゃない。色々考えた結果、私は同じ物をもう一つ買ってくることにしたのだ。これはやっぱり美味いので向こうにも味わってもらおう。消えた土産が戻ってきました。シンプルに出費が2倍になってなんだかなぁ~な感じだが、人生なんてそれの連続だ。

 

 土産物を自分で食っちゃったという他人に聞かれるとしょうもなくて情けない話だが、そんな事に対してこれだけ思うことがあり、言いたいことがあり、めっちゃ書き込んでいる私ってヤバイのかなぁ。

 

 この夏ひっそり食ってしまったクッキーがすごく美味かった。これは良き想い出です。でもなるたけ土産物には手をつけないようにしましょう。人にバレると査定が下がります。

 ここにこっそりと懺悔を記すことで後の人生への戒めとしよう。

 後悔からの反省、そこから前を見て踏み出す一歩、全て成功への大事なプロセスです。

 

 それではお休みなさい。

 

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