ここ数年は色んな事を頑張ったらちょこちょこサボってを繰り返す日々を送ってきた。やる時とやらない時を黄金比率に設定して挑んだ戦いでした。
そうなれば結構な実入りがあるわけで。一方で入った分諸々出ていく分もあるわけで。でも頑張ったわけだから、残る物がマイナスやゼロになるわけはなく、ゼロに結構な数をプラスした分が私の懐を暖める結果となる。嬉しい。
そんな私は、懐が寒くなるその前にちょっくらラーメンでも食おうと古びた暖簾をくぐるのである。クソ暑くてもコーヒー、ラーメン、うどんはしっかりホットが良い。
よく行く店に入店後、席に座る前からもラーメン大盛りを注文する。すると返って来た声にびっくり。
「ラーメンはもう辞めた。今はうどんをやっている」て言われました。
え?おかしいだろ。
これをおかしいと判断して何もおかしくない正常な思考が出来ている。そこは大丈夫。
落ち着こう。この店は何十年と昔からあり、ここの人間は私が生まれるずっと前からもスープを作り、湯を切り、丼を洗って拭いてを繰り返してきた厨房の猛者達だ。
お店の外装を見ればラーメン屋の看板がある。めちゃ「ラーメン」って書いている。端っこにカレーも出来ると書いているが、ラーメンの存在感には押し込まれている。誰がどう見てもラーメンが一軍でやっている店にしか見えない。何年も通っているけどうどんなんて食ったことないし。
落ち着いたところで事態を説明出来る人間に全部説明してもらおう。
ゆっくりお話を聞いて状況を理解しました。
まぁ結論からいうと、何かゴチャゴチャと揉めてラーメンどころじゃない。ラーメンを出すのが9割の店でラーメンどころじゃない騒ぎって何だよ。ヤバくないわけがないヤバいターン到来じゃねぇか。
ここも店の人が何から何まで世話して料理を提供出来るわけではない。お店の管理、外部からの材料の調達など、すべて金が絡んでの都合がある。それを突破して美味しいラーメンがテーブルに出てくるわけであり、どこかで引っかかりがあればそれは叶わなくなる。今回その引っかかりが判明したとのこと。
完全に大人の都合があって取りやめになったようだ。じゃあ仕方ないなぁ。しかし諦めるには惜しい味だったな。
とにかく無いものは無いので出せない。ラーメンは諦めてうどんを食え。向こうはそれしか言えない。
腹がラーメンモードだったが、店を移ることは出来ない。だって腹が減って何か入れないと家に引き返すことに出来ない。
じゃあうどんをくれとなった。
まぁこれが不味いことはまるでなく、普通に美味しいのだけどやはり寂しいし虚しい。
もしかしてこの店の暖簾を出せる期間としては今が末期じゃないのか。ラーメンを一軍にしてやってきた店がそれを封印でこれからやっていけるのか。やっていける気がしない。
飛べないブタがただのブタなように、ラーメンが出せないこの店などただのボロ小屋に過ぎない。私は大変ショックでした。がっかりだ。
そんなこんなで、それまで光って見えた我々の憩いの地がタダのボロ小屋へと成り下がった。
店の人も好きだし、金を持って集まってくるザ・大衆達の雑談に耳を立てて時を過ごすのも好きだった。良き味を出す良き憩いの場だったのになぁ。こうなると9割閉店状態じゃないのか。
ていうかこんな事ある?
なかなか無いのではなかろうか。お店側にとっては存続がかかった決断だぞ。
10日くらい前まで普通にラーメンを出していて、事前予告なく9月から急にこうだからな。ビックリだぜ。今年一番のビックリかも。
もう駄目だな。こうなったら自分で作るか~。私は作るのも好きな人間だから、自分でも美味いラーメンが出来るよう腕を磨くか。
この夏の後半に訪れたレアなハプニングだった。
これは新しい推しの店を探さないとな。今後店に入っても、うどんを啜る度に失われたラーメンの愛しい味わいを思い出して切なくなりそう。
まぁこんなこともある。そんな学びになりました。
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