こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(7月~9月)その4

 アニメが大好き!

 そんな私は普段の生活の中でふとこう思うのだ。

 

「声優ってどこにいるんだろう?」

 

 声優も好きなんです。当然っす。

 アニメに出る人間、見る我々。同じ地球の仲間なのだから、近いようで遠いようでよく分からない距離感で暮らしているはず。巡り合うのが簡単ではないが全く無理ということもない。

 でもね、どういうわけか結構生きてきた割には遭遇率が低く、マジで会ったことないんですよね~。

 

 知人がたまにどこそこの街角で芸能人を見たことがあると自慢してくるんだけど、私は一人も見たことがない。引きこもりじゃないし、どっちかと言うと外をほっつき歩くのが好きな部類なのに、向こうは全然ほっつき歩いてないんだなコレが~。何してんだろ?

 

 一回くらいそこらを歩いている声優を生で見てみたいものだ。そんな事を想いながら過ごす蒸し暑い9月後半。暑くてムカつく。

 

 では今日も愛しき夏アニメ達をいっぱい振り返ろう。

 

 

政宗くんのリベンジR

『政宗くんのリベンジR 第1巻』 [Blu-ray]

 平成終盤の男女の揉め事が令和に入ってリブートしました。政宗くん、まさかのカムバック!マジでおかえり~。

 

 2期をやるまでの間に「おさまけ」という微妙に政宗くんぽい既視感誘発コンテンツがあったのがもうちょっとで記憶から消えそう。

 

 政宗くん1期と近い時期にやっていたキングオブクソアニメのスマホ太郎だって令和になって帰ってこれたのだ。こうなればどれだけ間が空いていたとしても全てのアニメに2期が作られる希望が持てる。なので政宗くんが帰って来たのにも納得です。

 

 にしても今年は年明けから「進化の実」の2期、「いせれべ」、そして今作と、デブの変身願望が反映された愉快なアニメが3クールに渡ってバトンを繋ぐ形となった。なんとも奇妙な縁が見える面白き1年となりました。まさか10月からもデブ枠があったりしないよな。やるなら来い。

 

 第2章開幕からいきなり修学旅行編がスタート。今期はココとホリミヤ2期がいきなり修学旅行をやる枠になったな。まさかのフランス行きを決め込んでいる。ガキの旅行にしては遠いな。私の学校は国内だったぞ。

 旅行先でみっくこと伊藤美来演じる愉快な現地オタク女に絡まれる。変なオタ女来たなぁ~。

 一期をやっていた時だったらみっくの名前も今ほど売れてなかったよな。みっくも立派になりました。

 

 誰が本当の豚足か誤解していたアキ様のあやふやな記憶を正して、政宗くんとアキ様がやっと付き合う。そして事態を引っ掻き回したもう一人の「まさむね」こと雅宗兼次を政宗くんに殴られる。スッキリしました。でも雅宗も大変な想いをしてきているのなぁ。

 ファイナルに向けてやっと落ち着いた軌道に乗ったこの展開は、ロマンチックかつドラマティックで面白かったっす。

 

 その後吉乃師匠がぶっこんで来やがったのは読めない。師匠も豚足のことが好きだったのか。そして揉め事の一番根っこにいたのも師匠だった。そういうことだったのかぁ~七面倒臭せぇ~。

 

 師匠が同級生の事を豚足って呼ぶのはどうかと思います。

 これの一期を見た当時だと豚足って耳にするだけで口にしたことが無かったんだよな。作品を深く知る取材ってことで、1期視聴後には実際に食べてみることにしました。じいさんに場末の中華屋に連れて行ってもらってモノホンの豚足を食べたらとても美味かったっす。程よい罪悪感に浸れる脂っこさ、これに大衆はハマるのか~と勉強になりました。

 

 師匠が政宗くんに愛の告白をする時に豚足が好きって言うから事情を知らない人が聴いたらややこしい。作品知識無しで聴いたらこんな間抜けな内容の愛の告白って無いよな。

 

 師匠が仕掛けて来てアキ様が政宗くんを振るしで、コレはどうなるの?

 アキ様が負けヒロインで師匠が繰り上がってくるのか。幼馴染が負けるコンテンツになるのか。ハラハラします。

 

 失恋を受け入れたアキ様が最終回でバッサリと断髪してしまったやないか。乙女の第2の心臓にハサミを入れる儀式、胸がキュンとします。短髪のアキ様も結構イケる。

 

 長期間に渡ってたっぷり遠回りした結果、政宗くんとアキ様の面倒臭いラブに決着がついて良かった。

 政宗くんのラスト一手がラブレターだったのは可愛い。強めに青春をこじらせた者が辿り着くにしてはシンプルなラストだった。

 私の学校では一生やったことがないキャンプファイヤーの中で迎えた良き最終回だった。

 

 アキ様の名字の安達垣ってすごい珍しいよな。見たことがない。

 アキ様を熱演したへごちんこと大橋彩香にもありがとう。もうマイクへごちんしないで下さい。

 格好良いOP曲も堂々と歌って成長したよなぁ~。最終回では1期のOP曲も流れていたし。あの頃は皆わがままだった。

 アイカツや無かったことにされたエウレカセブンシリーズに出ていた時から応援して来て良かったです。立派になったよ。なんかオムライス食いたくなる。それと先日20代最後の挑戦で出した写真集も思わずチェックしちゃいました。

 

 政宗くんの妹役で久しぶりに大亀あすかの声を聴いた。そういや出てたな。

 麻雀ばっかり打って芝居をしなくなったという文句がファンから上がることがあったとか。それで有吉反省会に出たよな。妹声を聴いたらしっかり可愛いじゃんか。もっとテレビに出れば良いのに。

 

 政宗くんのママが奇跡のロリで声が小倉唯だったのもそういやそうだった~と手を打つ要素だった。小倉唯が年齢的にはおばさんの役をやっているって今でもレアだよな。もしかして彼女が演じた最年長キャラ枠じゃないのか。

 

 みもりん演じる藤ノ宮さんも青春していて良かったっす。熱い本心を吐露する際には京都弁が出るのにちょっと萌えました。

 

 というわけで華麗なる青春逆転劇ここに成る。良い時間を送らせてもらいました。

 青春はいつでも何度でもリベンジするべし!

 

夢見る男子は現実主義者

夢見る男子は現実主義者 Blu-ray 2(特典なし) [Blu-ray]

 これはキャラの思考解析が難解なハイレベルラブコメかそうでないからタダの駄作。見る者によって評価が極端に分かれそう。

 

 まず私はこういうキャラ心理が織りなす言動が紡ぐ作品を見るにあたって「共感」を度外視する。

 作品は手に取るお前達のために作られているのではない。であらば共感を誘うような作りである必要はないのだ。共感出来る、出来ないで作品を選ぶことはしない。

 

 にしても一部の人間に思った以上に共感出来ないから、彼らの言動の理由も見えてこない。つまりはワケワカメな展開もあったりする。となるとやはり共感出来るかどうかって作品には大事なのかも。

 当初の考えが変わるような不思議なアニメでした。

 

 これはつまるところ、ラブにおいて押してだめなら引いてみなを実践した成功例を描きたかったのかな。

 夏川さんに対して熱烈ストーカー行為を働いていた佐城くんがいて、そこにサッカーボールが飛んでくる。ぶつかって頭がはっきりするとか記憶喪失にでもなるのかなと思いきやぶつかることはない。その後から急に夏川への想いが冷めて距離を取るようになる。

 これには「は?」の疑問表現を禁じえない。サッカーボールがきっかけになったようだが、それがきっかけになる根拠や要素がないような。ボールの意味は?

 

 でもまぁココは所詮未熟な思春期だもの、青春の中でふらつく心があっても当然。今日はあの子が、明日は別のあの子が良い。そんな具合に心は簡単に移ろいゆくものだ。そう思って強引に納得出来ます。

 ボールが浮いて着地する刹那の間にも心変わりする若き命がある。そういうことが言いたいのかな。……違う気がするなぁ。

 

 佐城くんが分からない。分からない遺伝子がリレーするのか、コレの姉も分からないなぁ。序盤で佐城くんのお姉ちゃんが謎に佐城を気にして距離を置いて面倒臭いことになるのだが、あの姉の心理も何か謎だったな。

 そして愛川さんも良く分からない。佐城くんの青春においてはアイドルの彼女に今ひとつが魅力がなく、こちらも心がふわふわした何か面倒な女だったな。昨日までウザかったストーカーが消えたならそれで良いじゃんってなりそうなものだが、佐城くんが付きまとって来ても距離を置いても結局表情が曇っているのなぁ。

 

 愛川さんが面白くないし、あんまり可愛くもないような。あっ、可愛く無いのは絵が下手なせいだけど。

 それなりに長くやって来て可愛い女子も多く描いて来たStudio五組にしては作画がダレていた。同期放送の自販機アニメも手掛けていたが、あちらの方が綺麗に描けていたと思う。あっちにリソースを割いてこっちでは疲弊したのかな。

 

 愛川さんよりも友人の芦田さん、佐城姉、中盤から出て来た笹木さん、一ノ瀬さんの方が可愛かった。特に笹木さんが出てきてからはヒロイン交代かって感じになってたし。笹木さんと絡んでいるターンが楽しかったです。笹木さんが中学生にしては発育が良すぎる。

 

 男女は適度な距離感を空けることで互いを見て真の想いに気づける。そんな考えを反映してなのか、ラストはすったもんだの末にメイン2人の男女仲がしっかり深まった。

 しばらく佐城くんと離れて寂しくなった愛川さんが「あんたは私の居場所」と言ってグッと近づいてくるのには「何言ってんねん?」と思うのが半分、もう半分はキュンとしました。なかなかのパワーワードを用いての告白。やるやんけ。

 この感じで私も誰かにとっての居場所になっているのかもしれない。そんなことも思えました(←余計な思考)。

 

 物語としては読みにくい思考が反映されたものだったかもしれない。だが言動の前後に必ずしも整合性が取れるわけではないってのもこのくらいの年齢の人間のリアル。そこにスポットを当てたのだとしたら、こういう内容でもアリだと思う。人目に見てよく分かんないことをやってるってのが、人間としてはリアルな在り方なのかもしれない。この私も他人からはそうやって見られているし。

 

 というわけで、考察が捗ったのかどうかも良くわからない謎のラブコメでした。なんだかんだ楽しかったし、結構好きな時間でした。それと石原夏織のOP曲が好きでした。

 

 ただ、こうなれば良いな~ああなれば良いな~と夢想する中2脳の男子には「現実を見てね」って言いたい。ストーキングのターゲットにしていた女子とやがては仲良しになれる、そんなこと実際は0に近い確率でありえません。

 夢見る間があれば勉強して下さい。私は現実を見て一生懸命生きるあなたのことが好きです。

 

Lv1魔王とワンルーム勇者

Lv1魔王とワンルーム勇者 第3巻 [Blu-ray]

 この夏始まる楽しいワンルームアドベンチャーワンルームアドベンチャーってドラゴンボールの「摩訶不思議アドベンチャー」と比べると、思いっきり規模が狭くて語感は良いのにダサいワードだよな。そんな気づきも楽しい。

 

 今期はコレの他にも「レベル1だけどユニークスキルで最強です」というステータスの低レベルさが反映されたアニメがあった。同じレベル1アニメでもワンルーム勇者の方が圧勝でした。ちなみにユニークスキルのアニメは本当にレベル1くらいの作りの困ったアニメだった。逆に見る価値があるかも。

 

 作画、シナリオ、キャラの面白さ、ギャグのノリ、どれを取っても楽しめる好きな作品でした。

 放送前にマックス、フレッド、レオのおっさん3人が叫んで対峙するキービジュを見た時には「何をする番組なんだ?」と思ったものだ。見てみると好ましい内容で良かったっす。

 

 昔は若くて格好良かった勇者がその後冴えないおっさんになってグダグダするお話。

 現役でなく引退した後の勇者の生活はこうだという内容をお届けするアフターファンタジー。この設定からその昔やっていた「ゆうしぶ」というアニメを思い出す。ゆうしぶだと勇者引退後は電気屋で一生懸命働いていたけど、こっちの勇者はニートなんだな。

 

 元とはいえ勇者なのに爛れた生活を続け、世間を騒がす不祥事を起こすなどしている。とにかく威厳を全て失っている。人生の楽しみが昼間から公園でカップ酒をやることってのには哀愁がある。

 

 勇者マックスの住むワンルームが思った以上にボロかった。ワンルームと言っても内容はピンからキリまでだな。見る前はもっと都会的で新しい部屋をイメージしていたが、またずれ荘みたいな古い部屋だった。

 しかも貞子みたいな幽霊付きの事故物件だったし。霊感のあるフレッドにしか見えていない幽霊女の存在に笑った。

 同期放送で同じようなボロアパート暮らしをしている「はたらく魔王さま」だったら魔王がしっかり働いているのに、こっちは勇者がサボっているから対比が面白い。

 

 おしかけ女房みたいな魔王ちゃんが可愛い。元々は化物のオスっぽく見えたから多分オスの魔族だよな。でも人間の女の格好で来るので可愛かった。JKに変身後はセクシーで目の保養になりました。

 大空直美の声で魔の者だからジャヒー様を思い出した。

 

 女体化した魔王がかつて敵対した勇者のボロい家に行って家事をして飯を食わせてやるという世も末なファンタジーが展開した。魔王の料理スキルの高さがすごい。

 

 魔王秘書のゼニアが良いキャラしていたな。冗談みたいなスケベな格好をして来るからウケる。

 日笠陽子はクールで高貴な女をやるのが一番良いと思うが、ゼニアみたいなテンションの高いアホ女をやらしても芝居が光るな。

 酒を飲んだゼニヤとマックスが街中を追いかけっこするエピソードがバカ過ぎて笑った。

 ゼニヤがフレッド陣営にスパイとして潜入する回も笑った。スパイの訓練を受けているようだけど、スキルを活かしきれず結局全部物理のゴリ押しで突破するのに笑った。

 日笠陽子は「はたらく魔王さま」だと魔王が暮らすボロアパートを訪れる勇者を演じていて、こちらでは勇者が暮らすボロアパートを訪ねる魔王の秘書なのか。同期放送2作でこの演じ分けは何か面白い巡り合わせ。

 

 魔族キャラコンビを担当した大空直美日笠陽子がMCの番組ラジオも楽しく全部聴きました。

 

 基本はコミカルでフザケているノリだが、中盤くらいからシリアスさも目立ってくる。

 かつての仲間達が異なる勢力に属し、そこからの衝突に挑むか回避するかという政治的駆け引きの要素も目立っていた。

 裏でいろいろやっていた9人大臣の勢力も印象的。9人を演じる声優が有名人ばかりだった。ここの顔ぶれは豪華。

 

 終盤のバトルシーンの作画はノリノリの出来だった。今期は絵の下手さが目立つアニメも複数あったが、その中で今作は作画の出来が良いと言えるだろう。

 スーパーバトルも展開しつつの大揉め案件は、マックスのスーパー土下座でなんとか解決した。メディア経由で全国にシェアされる土下座映像に笑った。勇者にあるまじきこの情けなさよ。

 

 世界がどうにかなるかってレベルの事件を越えて日常が戻った後には、公園で安酒を飲んだりバドミントンに興じれるのがどれだけ平和で幸福かって事がよく分かる。そういう学びがある素敵なアニメでした。

 

 ワンルームは構造的に無駄のないとても実用性の高い住まいだと評価します。私はワンルームでくすぶっているおじさん達をこっそり応援しています。

 

 

koshinori.hatenablog.com

 

 

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