こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(7月~9月)その5

 普通に暑すぎてムカつく9月後半。それでも秋に楽しめるアイツ、そう茄子が家に届くから嬉しい。普通に天ぷらにして食っています。

 

 茄子ってすげぇな。もうどうやって食っても美味いやん。ちょっと前には「マツコの知らない世界」でも茄子はどうやっても美味いと紹介していたし。私としては天ぷらにするのが一番好きかな。

 

 私が茄子が好きでよく食うのを横で見ている茄子が嫌いなお兄ちゃんがいる。困ったさんやな。彼はこんなことを言うのだ。

 

「茄子って鈴虫の食い物じゃん」

 

 おい、謝れ。

 確かに鈴虫も私もその他哺乳類の皆もきっと食うことがあるだろうさ。でもそこを鈴虫と絞って言われるとなんか嫌じゃん。飯食ってる時に虫の話って何か嫌じゃん。鈴虫って心を乱した状態で見るとGから始まる例の嫌われ者にも見えてくるじゃんか。とか思う私の心は曇っているのかもしれない。

 

 という茄子への想いが膨らむ中、今日も愛しきアニメ達をいっぱい振り返ろう。そう、いっぱいね。

 

 

もののがたり 第二章

もののがたり 4 [Blu-ray]

 

 第二章開幕です。1期が結構楽しかったので普通に続きも楽しんでしまった。

 

 兵馬とぼたんの男女の関係値をもう一段階進める、傘の軍団との大激突を迎えるなど、物語はしっかり前進していきます。

 

 大学の仲間にも応援されてぼたんと兵馬が距離を縮めるラブのターンにはキュンとしました。

 ぼたんが大学で所属するクラブが百人一首同好会なのは渋い。「ちはやふる」の香りがほんのり漂ってくる。私はその親戚みたいなゲームの坊主めくりしかやったことがない。

 

 復讐の鬼だった兵馬が、ぼたんや仲間の付喪神達と親しむことで人間的に落ち着いて明るくなって行く。その点にほっこり要素があって良かった。やっぱり家族って暖かいよね。

 

 兵馬役の大塚剛央はここ最近めちゃめちゃ出てくるな。今期だと「AIの遺電子」「SYNDUALITY Noir」でも主演だし。赤丸ドンで来ている一人になったようだ。私も注目しよう。

 

 ぼたんは可愛いし良い子だな。高田憂希の声も良い。アイカツで黒沢凛をやっていた時から応援してたぜ。

 そのぼたんが皆から恐れられる謎の力を開放させるシーンも二章の見所。なんかすごい力を持っていた。1期の時から皆がぼたんの事をまるで化物呼ばわりしてビビっていた謎がコレだったのか。

 

 長月ファミリーといえば、それまでずっと喋らなかった匣が最終回にちょっとだけ喋ったのが印象深い。大塚明夫ボイスだった。ええ声や。最終回に良いサプライズを持ってきたな。

 

 兵馬の兄と姉をやった傘の軍団とぶつかるバトル展開が二章のハイライト。バトルターンが多くて楽しい。

 先行して仕掛けてきた時雨が怖い。ぼたんの友人も巻き込んでのことだから緊張感があった。ここでも日笠陽子が時雨の怖いキャラ性を引き出していた。今期は毎日くらい聞く声だな。良いことです。

 

 ピンク頭ギャルの椿ちゃんが戦闘狂だと分かった。椿ってあんなに強かったのか。バトルの中で興奮して頬を紅潮させているのは危険な香りがしたけど、なんだかんだ良かったっす。ちょっと危ないくらいの女が良いお年頃。大西沙織のギャル声も良かった。

 

 戦いの中で雅楽寮の皆がまさかの裏切りに走ったのはビックリ。ロックババアの爪弾は結構好きだったのにな。アイツ何回「ババら」って言ったよ。このアニメの印象的なワードにもなったな。でも今思えば雅楽寮って敵みたいな顔をしていたな~と納得出来る。

 

 最終回終盤の兵馬とぼたんの可愛らしい日常シーンと来たら、戦いの後に見るには平和過ぎる。ぼたんを可愛いお嫁さんにしてあげて下さい。良い最終回だった。

 

大奥

大奥 1 (ジェッツコミックス)

 大奥ってテレビドラマや映画にもなっているから良く聞く有名タイトルだけど、どれもちゃんと見たことが無かった。

 今回はコンテンツビギナーでも楽に入って行けるアニメの形を取ってNetflixで配信しくれた。ウェルカムされるままに楽な気持ちで見てみた。

 するとビックリ。全然楽な世界ではない。派手に乱れ、清々しく狂っている凄まじき世界観だった。だがその中で命の花を咲かせては散らす人物達の巻き起こす人間ドラマに魅入られるものがあった。

 

 全部見た感想はとても面白い!

 こんな内容だとは思わなかったが、見始めると面白くて全10話を一気に見てしまった。

 アホみたいなギャグ満載の異世界ものとかを普段から楽しみがちな私だが、それらと何にも被らないこういうジャンルもイケる口だったのか。ホント気の多い人間。自分の事をそう振り返ります。

 

 最初1話目は時間軸として一番新しい話で、この回はコレで完結するちょっと特殊仕様。この回だけ1時間20分もあって長い。

 残り9話は、大奥の過去が記された書物「没日録」を紐解く内容となり通常の30分尺で進行する。この書物なのだが、読むことでかなりカロリーを消費する。そんなすごい内容。

 

 男だけがかかる謎の病気が流行りまくって日本人口の内男がめちゃめちゃ減る。そうなると子供が増やせなくて日本人は絶滅に向かっていく。

 国と女性にとって男が、というか種がとても貴重な時代に入っていく。そこで良い男を一箇所に集めて閉じ込め、将軍の血筋を持つ女子と掛けわせて命を増やしていく。その基地が大奥である。怖いなぁ。

 男としては自分をありがたく受けて入れてくれる仕事先、女子から見れば逆ハーレム。そう見えてきそうなものだが、それも最初だけで中身を見ればどっちにとっても過酷な道しかない。

 なるほど、この物語にSF性を加えてもっとスケベにしたら昨年放送した問題作「終末のハーレム」が完成するんだな。という発見もアリ(もちろん個人の勝手な見解です)。

 

 死を意識の範疇に入れた女性の心理としては、相手が何であろうがとにかく「子を抱きたい」がファースト・プライオリティーに来るらしい。

 そのため金を払ってでも男にソレをやらせてもらって子供を残す女もたくさん出てくる。そんな都合も描写されている。きっつ。

 愛は度外視で子孫繁栄を取る。めちゃめちゃ切羽詰まった女性心理というか、生命の根源たる心理だな。すごい内容だ。

 ヒッキーニートみたいなやつでも良質な「種」さえ取れたら宝物扱いされる。ヤバい時代だな。本当にアニメの中の事で良かったって思えた。

 

 男が減りまくる問題の他にも作物の不作、そこから来る飢饉、とにかく荒れる世と、もう絶望感が止まらない酷い世界観。

 家の壁の内部に組み込まれた藁を取り出して食うため、壁を削る農民の姿が描かれるシーンが強烈だった。そこまでしないと食うものがない絶望感がヤバい。

 

 これら社会問題をなんとかしようと奔走する大人達がいて、その過程でどんどん巻き込まれる若い命がある。そんな苛烈極わる絶望世界の中にも輝く命の花があることに感動しちゃう内容の物語だった。

 

 外目には華やかな大奥という監獄を維持するのに全てを欠ける春日局の人生に驚愕する。

 道徳、貞操観念、当たり前の人間としての愛、その全てを投げ売って徳川家の維持と復興に欠けるガッツがババアの物とは思えぬ程すごい。

 17歳の声優 井上喜久子がばあさんの役を熱演しているのもすごい。喜久子姉さんを尊敬します。今ではもう娘の方が年上らしい。えらいこっちゃ。

 

 上様の夜の相手をさせるためにイケメン僧侶の有功を無理やりさらってくる春日局の策略がえげつない。若くてイケメンだったばかりにこんな残酷で怖い目に合わされるなんて可哀想。ここから僧侶と交わる例のタイムスタート。

 

 有功と家光のラブドラマの顛末から目が離せない。この2人のドラマが熱い。

 ほぼ拉致みたいな形で大奥に合流した有功も家光と出会った事で幸福を味わっていたのに、それも一時で終わる。

 あんなに愛し合っていたのに、肝心な子供が出来ないことから有功と家光が引き離されることになるのが可哀想過ぎる。自分で連れてきておいて子供が出来ないと分かると有功を下がらせて次の男を連れてくる春日局が鬼ババアに見えた。

 子作りのために家光が他の男と交わるのを容認するしかない有功の胸中を思うと可哀想でならない。次の男の捨蔵との間に出来た子供を2人が眺めるシーンには胸が痛む。父になれない有功はどんなに切ない想いになるのだろうか。

 

 こんな事になっても挫けない有功のメンタルがすごい。それと弟子の玉栄も。メンタルが柔だったら大奥の中ではやっていけない。

 どういう形を取っても彼女の助けになりたいと尽くす有功の生き様に漢を見た。玉栄が主としてどこまでも付き従ったことにも納得出来る。玉栄も元気な良いキャラで良かった。

 自分に種がないと分かった有功が、弟子の玉栄に家光の夜の相手を頼んだシーンはキツい。見ていて胸が痛かった。

 

 男が遊女のような真似をさせられ、お姫様は性別を偽って男の振りをして好きでもない男と無理やり交わる。その中で皆苦しんでいるからマジで可哀想。救いが少ないアニメだった。

 最初はじゃじゃ馬で悪者だと思った家光も、乙女だからこそ持つ悲哀を有功に吐露してからは可哀想に見えて来た。

 

 今がこんな世界じゃなくてマジで良かったって思えた。

 狂った世界の話だけど、人物の生きる熱量のすごさに良さがあった。真に生きるとはこういうことか~と心に響く秀逸な作品でした。

 

 イケメンの色っぽさを出して有功を演じた宮野真守の演技もすごく良かったっす。ラジオとかのトークの現場だとうるさいお兄さんだけど芝居は一級品だな。 

 

 それと出演していた小岩井ことりが京言葉指導も担当していたのはすごい。

 アイカツの大地ののをやっていた時くらいから知っている人だけど、最近はいろんなすごい事をしていて、もはやただの役者には留まらない活躍ぶりですね。素晴らしきにゃんぱす~。

 

 にしてもこの夏Netflixが切ったカードが強い。ガメラアニメ、BASTARD、バキと来て本作だ。どれも作風として異なる魅力があることから娯楽の見せ幅が広すぎる。バラエティに富んだ映像配信サービスだな~。Netflix自体も評価します。

 

自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う

自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う1 (電撃コミックスNEXT)

 

 これはタイトルとキービジュを見た時から笑った。異世界転生アニメもここまで来たか。またアホなアニメが来たなぁ~。

 

 現実の自分を脱しての変身願望が叶うコンテンツとしてやりやすいのが異世界転生ものだ。これまでも色んな冴えない日本人がすごい逸材に転身してきた。

 で、今回はまさかの自販機。人ではないマシンだからびっくり。出オチ要素としては爽快にパンチが効いている。

 ちょっと前には異世界でネットスーパーが使える出オチアニメがあったがあれの親戚みたいなものか。

 

 その昔「ラブクエスト」というネタまみれのRPGを遊んだことがある。あのゲームだと意思を有するUFOキャッチャーが旅のお供として着いて来た。あのおかしなゲームを思い出すアニメだった。

 

 昨今だと異世界で楽しく人生をやり直したい、でも人間をやるのに疲れたから別の何かになりたいって願望も大衆の中に多数あるようだ。

 人間をやめた次の命として機械が選ばれる。これが現代の世相を反映した新しい転生の形なのかもしれない。というわけで、異世界から学ぶ現代日本における社会心理でした~。

 私だったら自販機とかかまぼこの板とかの何かそこにあるだけの物には絶対になりたくないけどな。人間をやっている今の自分に満足しています。良いことだ。

 

 今期の転生大喜利枠として笑わせてもらった。

 1話目で主人公が自販機と心中したアレはアホ過ぎる。なんとか主人公を殺さないと話が始まらない都合があるのは分かるが、あの殺し方はアホすぎて笑う。普通に無駄死にだった。もう日本で大人しく自販機マニアやってろって。

 

 本当に自販機になるから主人公が自分で動けないし、いきなりモンスターに攻撃されて死にかける1話目は地味だけど笑えた。

 何かを売って収益を上げないと死ぬっぽい。悠々ニート生活とは行かない点でちょっと厳し目。

 ラッミスが怪力女という設定がないとどうにもならないアニメだった。本渡楓はまた変なアニメに出ているのな。どんなアニメでも全力で仕事するあなたが好きです。

 ハッコンから発せられる「いらっしゃいませ」「ざんねん」のワードは、今期でたくさん聴いたアニメ的流行り言葉(になったかどうかは知らない)。

 

 面白い点は、ハッコンが色んな自販機に変身出来ること。前世が自販機マニアだった点が活かされている。

 自販機にも色んな種類があるのだと勉強になったぜ。エロ本、風船、酸素、やまと衣、生理用品となんでもござれだった。

 こんな感じで世界の全自販機を集めた博物館でもあったらきっと面白いと思う。

 

 環境汚染でまともな空気が吸えなくなった時用に酸素が吸える自販機があるってのは怖いな。そんな物がないとダメになったら世も末だ。

 エロ本の自販機ってあったなぁ~。どこか田舎の方で一回だけ見たことがある。お店が無い場所だから置いているのかな。まぁ私は間に合っているので購入したことはないけど。どんな心理であんな所で本を買うんだろうか。

 エロ本自販機の使い所は、ヒュールミが寝ている時にいたずらしてきた男を追っ払うためだった。眼の前に本物の女がいるのにエロ本をあげたら帰る悪漢ってどうよ。それで間に合うくらい性への向き合い方が雑なのな。

 

 最終回では心肺蘇生のためのアイテムAED自販機に変身した。あれは金いらんけど。

 使用シーンを描くことで使用法の説明も行った。塵ほども教養が無いことで有名なこの手のコンテンツにしては珍しく実用性のある学びとなった。そこは評価しよう。私も心肺蘇生の講習でしっかり学んだぞ。

 

 この仕掛けなのでもちろん出オチ枠として終わっていく。新鮮味があった1話以降はどんどん元気が落ちる。ざんねん。

 基本的に次の週には前週の内容を忘れてしまっているような感じ。まぁ異世界はだいたいそう。ざんねん。

 たくさん楽しめるようなものではないが、導入の大喜利としては記憶に残るものとなった。後に残っていく物語を作るのってとても難しいのですね。ざんねん。

 

 1期が終わった段階で2期が決定しやがった。マジかよ。

 いらんいらん!もう良いって。異世界は消耗品だから、長く楽しむより短く切って次の大喜利に行こう。一回目だけでも「よく映像化出来たな~」て思ったのに、それの二回目ともなると一体どこからリソースを引っ張って来てんねん。

 とは言うけどこの私、付き合いの鬼だから1期に立ち会ったなら2期もいらんとは思えど必ず見ます。こういう視聴者を大事にした方が良い。

 

 2期の感想を書く時にもきっと言うぜ「ざんねん」。

 

koshinori.hatenablog.com

 

 

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