こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2024年のアニメ感想(4月~6月)その8

 春クールでは「狼と香辛料」「バーテンダー」「うる星やつら」など過去作の復活枠が印象的だった。これらに続き、これからはキン肉マンの新作をするというし、つい先日には「らんま1/2」の新作制作も決定した。

 最近はこんな感じでリバイバルやらリメイクのブームが来ているみたい。まぁ悪くないことだと思います。

 

 こういう流れが来るのも、一つは最新作が情けないせい。また一つは、そろそろ新作をやるにしてもオリジナリティの枯渇が来ているからっぽいな。既に色々とやり尽くされているから、今更新規で何か目新しさを出すのは難しい。

 これはビンゴの穴みたいなもので、抜かれた枠が多くなりすぎた最後の方ほど、どの数字が来ても新しく枠を抜きにくくなる。そりゃそうだ。

 もうアイデア枠も埋まっちまっているのなぁ。確かに私ほど色々見てきた人間からすれば、何を見ても既視感が先行してその物語にハマって行きづらい。そんな状態になってきた。

 そして昨今では特に異世界枠に見る傾向だが、二匹目のドジョウを狙って意図的にオリジナリティを殺したパクリ作品も多く出てくるようになった。狙ってパクるならそりゃ我こそがオリジナリティ!な作風になるわけがない。

 なろうとかを見ていると、お互いがお互いを訴えたりしないのが不思議なくらいだ。まぁあの分野に限っては、オール持ちつ持たれつなのが暗黙の了解なんだろうけど。

 

 新しいのを作るのに頭打ちとなれば、過去作をまた擦ればよろしい。そのノリで過去作にまた腰を上げてもらって現代で戦ってもらう。こうして時代は回るのだな。

 ファッションもそんな感じで、ブームが今の時代を一周したらまた一つ前の時代のがブームとして戻って来るなんてことが昔から連続しているとか。

 

 そんなこんなでアニメ業界もぐるぐる回ってなんとか現代でやり抜いている。頑張れジャパニメーション。 

 

 

狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF

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 すっかりオールドファンタジー作品の「狼と香辛料」が装いも新たに帰ってきたぞ。では快く「おかえり」と言ってやろう。そして楽しく見よう!

 

 最近は最新作が情けない出来なことから、過去作にお帰り願って戦ってもらうリブート企画が割と多く見られる。中でも「廃れ」の要素が濃く見えるファンタジーラノベ界隈がまだまだ若くて元気だった頃の作品が令和時代でまた立ち上がります。しかしこれ、どういう経緯でなんでこのタイミングで帰ってきたのだろうか。

 とにかくふざけたザコファンタジーが多くある中、栄光を掴んだ実績ある過去作品がここにいるぞ!と声を上げてくれることで気が引き締まります。それからホロちゃん可愛い。

 

 主要人物の声は旧作と同じで行く。この点は声優好きとしては注目。

 福山潤小清水亜美の主役コンビの仕事ぶりが素晴らしい。二人の歴も長いし、ここで再び合流するまでにたくさん経験値を稼いだのだなと実感出来る。二人とも応援しています。

 

 若手商人 ロレンスが主役の「商業」をテーマにした物語になっている。 

 転生、異世界、魔法とかの最強スキル、そんでハーレム、そこらの要素を一話目冒頭からもサクッと回収して出落ちと成すファスト思考を好むZ世代的には、しっかりとインテリに攻めるこういう話はどのように受けるのだろうか。

 ファストだけでやっていたら脳みそに内容が入ってこないかもしれない。もう今の若者にはインテリ思考の濃い作品や純文学を相手取る気力が無いのだろう。とかいう年寄り目線で今と昔の作品を考えたりしてみた。

 

 物を仕入れて売って利益を出す、貨幣価値の上げ下げを見越しての投資話があるなどの内容は、最近で見ると地味で堅実な内容だな。

 ロレンスくんは堅実で弁が立つ才覚ある若者の一面もあるにはあるが、チート一直線ではなく、時に商談に失敗して痛い目にあうこともある。ちょっと情けないところもあり、精神的+金銭的に追い詰められるターンもあった。頑張れと応援したくなる。商業の道はやはり楽ではない。

 

 行商人の地味な話がベースにある。そこで華と萌えを添えるのが狼娘のヒロイン ホロちゃんの存在。ホロが出ないなら多分このアニメのことをこんなに愛していない。なにはともあれ可愛いケモ耳娘がいるならチャンネルを合わそうっていうのが、多くのユーザーと作品を繋げる入口ゲートになったはず。

 

 このアニメの旧作版を見て初めて知った言葉が「一張羅」。ホロちゃんが着こなす一点もの服のことっす。他で聞かない言葉だよな。あとは一人称の「わっち」も。色々初体験アニメでした。

 

 女子に対してそこまでやり手でないロレンスを翻弄し、童貞殺し感を出すホロの言動は印象的。年齢的にも間違いなく彼女の方がお姉さんだからまぁそうなるわなで納得の力関係だけど。

 でもそんな彼女が意外とちんちくりん要素も持っているのがなんか不思議。いつも余裕なお姉さん感かと思いきや、たまに塩らしいところも見せるからギャップに萌え。同性には厄介なスキル持ちとして敬遠されそうだが、異性には受けが良いであろうヒロインムーブだな。男を転がすのに長けるホロのヒロイン性はとても良い。

 

 中原麻衣演じる羊飼い娘も覚えていたぞ。あの子は可愛かったなぁ。こっちの羊飼い娘とロレンスが仲良くしていたらちょっとムスッとするホロの仕草も可愛い。

 

 印象的な演出は、1話目と折り返し地点の13話で、ホロと少女が喋って過去回想を始めるやつ。これは旅が全部終わった後にホロが思い出語りしている内容なのか。

 旅の落ちってどうなったのか分かんないので今後も見るしかない。連続2クールなので夏からも狼娘に萌える日々を楽しもう。 

 まぁこれは安定して見れるので良し。懐古主義的にも刺さります

 

リンカイ!

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 女子競輪の世界を描いた作品。今期は本作と「HIGHSPEED Étoile」が走るギャルの枠として楽しめた。あとゆるキャン3でも後半回で一瞬だけチャリ女子ターンがあったよな。そんなわけで、今をときめくギャルならたくさん走っとけ。

 

 まず気になるのが絵柄。決して絵が上手くない。結構変わった絵柄だったような。ヒロインわんさかアニメだけど萌えない、可愛くない。人数が多くてどれが誰だか覚えられない。

  

 ヒロインズで仲良くわいわいなターンもあるが、やはりどこまで行ってもここは勝負の世界。勝者は天を仰ぎ、敗者は地に伏す。残酷なまでに速い者が強いという勝負世界を描いている。そんなシリアスな勝負世界を描く内容は結構楽しめた。

「弱ペダ」みたいに部活でチャリを漕ぐのではなく、こちらはプロ選手として挑戦する物語を描いている。まずは訓練学校に入って特訓を受けることになる。

 学校を出る前からも既に厳しい勝負世界の洗礼が待っている。同期の中でも優れた者は飛び級的にぐんぐん上に行っちゃうし、成績が振るわない者は退場を余儀なくされる。

 思った以上に厳しいぞ。まだまだ若いギャルだからといって心身ともに甘えが許される世界ではない。クマちゃんの退場を見ればそこのところが良く分かる。あれはキツいリアルを見せつける内容だった。

 栄光の未来を掴みたきゃ休まず漕ぎ続けるしかない。そんな忙しい女子の青春物語っす。結構骨太でした。

 

 良い所のお嬢様の那古屋紗智のエピソードは印象的。

 会社のお偉いさんのパパが、会社員もスポーツマンも経営ビジョンが大事だから、勝利の法則をプレゼンしてみろと紗智に課題を与えることになる。

 このパパさんの課題で娘はしっかり資料を作ってプレゼンするからなんか面白い。家系の都合が出た突飛なエピソードでした。

 

 そもそも男子の世界も知らなかったから、女子の競輪世界のことだとなおのこと知らない事が一杯だった。

 ただチャリを漕ぐだけで終わるお仕事ではなく、若手のホープでギャルともなればアイドル的顔売り商売もあり。そういう番組や雑誌で若い女子選手は取材を受け、チャリから降りた状態でメディアに取り上げられる。ほぅ、アイドル選手をこういう形で売り出す業界の戦略や仕事があるのか。

 これを受けて普段厳しいことをいう競輪オタクが、やっぱり厳しい意見を発することもある。どこの世界にも誹謗中傷を言いたいアンチが潜んでいるのだな。ネットで泉ちゃんに対してアンチ意見を飛ばす者が出てくる。怖いっす。

 最終回では、アンチによる精神攻撃に参っちまう泉ちゃんの心理が語られていた。そりゃ現代アンチ勢はネットを隠れ蓑にしてどこまでもネチッこく来るからな。ネットという名の光学迷彩装備が叶ったなら、普段気弱な者も皆ツヨツヨ発言者になるから怖い。

 こいつは断言で良いと思うが、ああいうことをやっている陰湿オタは絶対にモテない。選手へのアンチ活動がちょっとの胸糞要素だった。

 

 最終回ラストはライバル達が一堂に会して爽やかに1レース走ってエンド。すっきり終わって良い最終回でした。

 日本競輪女子に幸あれ。チャリなんて漕げる内が華だから。

 

 私もチャリをかっ飛ばすのが好きだから、かっ飛び女子チャリアニメのこちらも結構楽しめました。

 

Unnamed Memory

Unnamed Memory Blu-ray BOX 上巻 [Blu-ray]

 名もなき記憶を綴った物語。そんな気取ったタイトルがなんとも良いじゃないか。気取らずこれといって名前をつけないというのが一つの気取りである。←悟りの境地からのメッセージ発信

 

 これは良かったです。ファンタジーものだけどふざけていない。そんな事を思うのは、昨今のファンタジーにふざけたものが多くあるから。もちろん同期放送枠にもそれらが見られた。

 同期のふざけたファンタジーの方が名前が無いどころか記憶にも残らんだろ!とツッコんじゃう始末。なので本当にUnnamed Memoryな作品はコレより他にあります。

 この作品は「良かった」と私の記憶に残っただけよくやっている。昨今の作品群を見れば、後々になって人の記憶に残る物を作るのがどれだけ簡単ではないのかがよく分かる。記憶を司る自分の脳でそこは感じ取っている。

 

 最初はオスカーが魔女のいる高い塔の攻略に挑戦するというから、ドルアーガの塔的な塔の中が舞台でやっていくものなのかと思った。そしたら早々に攻略が完了してしまった。

 えっ、そんなに速いの!と初回ではビックリだった。しかも塔のお宝である可愛い魔女ちゃんを連れ帰って嫁にする人生コースを取ることになるし。

 

 オスカーの設定が呪い持ちということになっていて、その内容は子供が作れなくなるというものだった。なんとかしない限り、高貴なる血が流れる彼の子孫繁栄の未来は絶たれることになる。大変なこっちゃ。考えてみれば最悪な呪いだな。

 この呪いは、同期放送の死神坊ちゃん的な感じもするものだった。坊っちゃんはそもそも女子に触れることさえ出来ない呪いだから、触れてあれこれすることが出来るだけオスカーの方がましな状態だな。最悪な状態を語るにも上には上がいると分かる。

 

 主人公のオスカーがちょっと変わり者で面白い。マイペースに我道を行くお兄さんで、それはラブにおいても同じこと。ティナーシャちゃんに冷たくされても静かなる炎を燃やして進軍することを止めない。

 ローテンションではあるけど、いくらイヤイヤ言われてもティナーシャ攻略にはグイグイいく。そんな2人のラブな関係性が面白かった。塩な魔女にはそのくらい淡々かつグイグイ行く方が良かろう。

 彼のラブ的距離の詰め方がなんか面白かった。ティナーシャもすぐにはデレてやらないけど、デレる時にはしっかり萌えるから良い。

 

 ティナーシャがとにかく可愛かった。何百年と生きる魔女だから年齢でいえばおばあちゃんだけど見た目は幼く見える。でもおっぱいはかなりあるからしっかりお姉さん。

 ティナーシャの凛々しく清く強い女性像をしっかり出して演じた種崎敦美の声も良い。綺麗な声をしているな。

 最終回では過去世界に行って13歳のロリなティナーシャにも会えて良かったっす。

 

 ともりる演じるメイドさんがこちらに牙を剥く展開が印象的。ともりるの悪役が見れるのは結構珍しい。

 

 最終回でオスカーくんがどこかに消えてしまった。これはどうなるねん?バッドエンドになってはいないか?

 でも二期が決定したので真の最終回はまだ先だ。続きが来て良かったね。

 最近は2期制作発表が来ても「もうキツいからいらんいらん」と言ってしまういらん続編情報が多いが、これは不快感なく続きも迎えてあげます。ティナーシャに萌えたからまた会えるのが楽しみっす。

 

怪異と乙女と神隠

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 こいつの要素として上げられるのは、怪異、乙女、神隠し、それから「おっぱい」。

 さすがにタイトルに含むことが出来ないことからそのワードは除外しているが、キーワードはタイトルに含まれるワード3つ+おっぱいの全4ワードである。これらが好きな人にはドスリと刺さるこの春イチオシの怪奇譚。もちろん私にも刺さりました。菫子さんのおっぱいをナメるな!物理的な舐めるなじゃないよ。

 

 そんなわけでゲリラ的に始まったおっぱい怪奇アニメ。OP映像で菫子さんの爆乳がボロンしているのは目に程良い刺激として楽しめるものでした。

 構えからして経験豊富な大人のお姉さんな感じがしたけど、序盤の段階で諸々未経験ですと分かりました。なら安心です。

 

 菫子さん達が働く本屋では、本屋の宿敵「万引き」の逆で本を外から持ち込んで置いて帰る「逆万引き」の現象が起きている。

 なにそれ?人生初ワードなんだけど。「逆万引き」というワードを始めて知った。犯罪現場でも実際に使われるワードなのかな?とにかく不思議な導入で気になる。

 

 私生活では聞き慣れない「団地妻」「若作り」のワードが毎度聞こえる点でも珍しい枠。菫子さんのあだ名が他では聞かない珍しいものだった。

 妹ヒロインの乙ちゃんが「団地妻」を一応罵倒の言葉として用いているのがなんかおかしい。 

 そういえば「団地妻」というワードを初めて知ったのは、寿美菜子がそう呼ばれていたことがきっかけだった。まだバリバリの未成年の頃からも落ち着いた雰囲気だったことでそう呼ばれていたそうな。そんな彼女も今では本当に誰かさんの妻になったというのでおめでとうです。

 

 無敵おっぱいお姉さんの菫子さんは、アラサーからロリ、その間のJKくらいにもなれて便利。演じるファイルーズあいの幅広い年代での芝居が見れる。ファイちゃん推しは是非寄っておいでな枠でした。彼女も最近は色んな作品に良く出ているな。応援します。

 

 菫子さんのアダルトな感じも良いが、そこと比べてちっこい乙ちゃんも良かった。良き妹ヒロイン。

 キャラ絵は好きだった。キャラの目が通常時から輪廻眼みたいに見えるのはちょっと怖く感じるかもだけど、それはNARUTOを全く知らないユーザーならなんともないことだと思う。

 

 今期の妖怪枠はコレと「となりの妖怪さん」があった。「となりの妖怪さん」が陽の妖怪ものならこちらは陰の妖怪ものだな。

 お話のテンションや展開としては「化物語」や「虚構推理」みたいな感じだった。化物語ぽいなぁと思って見ていたら、化物語にも出演している斎藤千和猫耳ヒロインの役で出てきた。お世話になります。

 ふざけたクソファンタジーばかり見ている中で、こういうシリアスでシャープな物語性があると味変となって良い。楽しめる内容でした。

 

 陰湿ないじめ問題に切り込む畦目先生の物語は胸糞だったけど、それだけに印象に残った。怪異よりも真に恐ろしいのは人の悪意なのかもしれない。そう思うことも出来た。

 ギャルのよだれを啜って能力発動となる畦目先生のアレにはマニアックなアレを感じてしまうことを禁じ得ないから、もうアレを多様するしなかない感想になっちまうじゃないか。

 

 Vチューバーを扱った怪異の事件が興味深い内容だった。丁度今ホロライブの動画をめちゃ見ているから私の人生的にタイムリーなネタ。

 こういうことを言うと無粋で野暮ったいからあまり触れたくないが、Vってのはガワとそれを被った中の人、それぞれがいるわけだ。

 中の人が引退すると、分離したガワだけが独り歩きしてネット内外で怪奇事件を引き起こすようになる。ガワだけになっても活動し続けるVの亡霊を成仏させるという悲しい内容だった。これは今Vチューバーをやっている人が見れば何かしら響く内容なのではなかろうか。  

 人魚のVチューバー 姫魚よるむんのネーミングセンスが中々良い。よるむんがアニメのOP部分だけの視聴実況をしている公式ネタ動画がYouTubeにアップされている。好きなノリです。

 じゃあそんなおっぱい怪異アニメを見終わった後にはまたVチューバーの動画を見にYouTube遊びに行くか~。←呑気なとある6月の日。 

 

 化野蓮くんがこの世に残した未練は菫子さんとお風呂に入ることだった。これは素直にスケベで面白い。

 最終回で彼が現世に帰還して菫子さんと再会したところでも、一緒に風呂には入らんけどと振られているのが面白かった。良い落ち。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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