こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

シリーズの冬を越えて行け「みなみけ〜おかわり〜」

みなみけ〜おかわり〜」は、2008年1月から3月まで放送された全13話のテレビアニメ。

 

みなみけ~おかわり~Blu-ray BOX(Blu-ray Disc)/桜場コハル(原作)佐藤利奈(南春香)井上麻里奈(ブランド登録なし

 みなみけ5期が決定しためでたい流れでYouTubeにてこちらが全話無料解放されました。そうして解き放たれたことで出入りし放題になったなら突っ込んで行った方が良い。というわけでサクッと全話見てきました。

 最近はYouTubeが益々強いものだからテレビが終わったコンテンツ(縮めてオワコン)と呼ばれるのにもまぁ納得ですな。

 

 こちらもやることは1作目から貫徹で、南さんちの3姉妹の楽しい日常を見ていくものである。でもこちらの2期はちょっとだけ変わり種となっていて、時に楽しい日常に暗雲が立ち込めることもあったりなかったり。まぁ総じて面白いものではあります。

 

 無印の第1作みなみけが2007年12月まで放送し、次クールである翌年の1月にこちらがスタートした。ということは連続クールでやっているのに、1作目は1作目として一旦終わりにし、タイトルを変えて2作目がすぐにもスタートしたわけだ。これは珍しい。 

 珍しい点でまだ特筆すべき点は、1作目と2作目で製作が変わっていること。そのためキャラデザも結構変わっている。個人的には1作目の絵の方が好きかも。

 連続2クールで行くのに、それぞれ違う会社が同時進行で同じ作品を作っていたことになる。これは歴史的に見ても珍しいのではなかろうか。

 放送の期間が長く空いてから続編をやる際に会社や絵柄が変わることは結構あることだが、連続クールなのに早くもバトンタッチなのは珍しい。これはどういった放送予定や製作方針でこんなことになったのだろうか。

 ついでにこちらでは原作に無いオリジナル展開を盛り込み、予てからの作風もちょっと変えている。作風まで変更とは更に珍しい。その最たる要素がみなみけ史においてかなり嫌われている冬木くんの存在。

 原作にいない存在であり、アニオリとして登場させる意味や意義があったのか未だに不明なところである。ゆえにこいつの存在についても何がどうなって出すことになったのだろうか。

 

 2期の季節は冬で雪の日が目立つ。運動会エピソードも冬に行っている。昨今だとバカ暑いことから真夏の大運動会をやっていると頭もバカになって死ぬことだろう。その都合で秋の涼しい時期や冬に運動会を行なう学校も増えたと聞く。でも2008年の段階でもう冬に回していた学校があったんだ~と思った。私の通った底辺田舎学校だとクソ暑い夏休み明けくらいにやっていたんじゃないかな。毎年暑いからもっと遅くにするか、そもそもやらんでもいいわと思いながら学生時代を送ったものだ。

 1期と比べて色合いが全体的に暗いシーンが多い気がする。そして暗いなら冬木の陰キャムーブもそれ。モブの顔が黒塗りというのも明るさと楽しさが売りな本来のみなみけとは異なる陰気な感じがする。

 陰気さゼロの陽気な原作に敢えて陰気要素を突っ込んだのは、ある意味挑戦的な原作改変として注目出来る。2期は2期で独自性を出し、それによって1期と差別化を計ってもっと伸ばして行きたかったという意欲は見えるわな。

 私としてはその挑戦者魂を買っても良いと考えている。だが広く世間的にそうは行かず、全く買わない不買運動に出る勢力もあったわけだ。つまりウケがよろしくなかったようで。

 そんなこんな既存のみなみけスピリット的になんか違いませんか?と思った皆さんからは嫌われる出来となり、その結果黒歴史扱いされているとか。そうも黒くくすんだ暦を前にすれば、人は起こった現実を見て見ぬふりしたくなるものだ。そんな皆さんから歴史的に確かにあったにも拘らず「なかったもの」とされているのがこのみなみけ2期だとのことです。

 こういった世の反応についてはかなり後になって知った。私がみなみけアニメを見た時には、1期も2期も連続で楽しいものに思えた。そのため2期が世間的に叩かれるようなものだと後で知った時には意外に思った。そんなに気にならなかったけどな~。

 ファンから嫌われている冬木の存在についても別段不快感なく見れたし、まぁこんなヤツもいるだろくらいに思っていた。

 

 そんな本作がこの度YouTubeにて全話無料解放された。それを久しぶりに見た感想や考察を書き殴って行きたい。ではそのようにしていこう。

 まずスタートしていきなり思うのは、OPから雰囲気が変なこと。昔見ていた時には気にならなかったが、OPはアニメから曲調まで1期と作風が異なっている。

 なんか動きがおかしいOPアニメ。特にカナちゃんがのそのそ歩いているところがそう。OPアニメの世界観も本編と関係ないカオスな感じだし。藤岡くんが高いところから落下してくるところは面白い。

 曲調も1期の可愛い感じとは異なりなんだかシリアス。明るいみなみけの日常からすると遠い感じがする曲調かも。今思えばこのOPアニメからして様子がおかしかったのかも。

 

 風呂のシーンが多い2期だったような。寒い冬だからしっかり温まろうってことか。それは良いことです。

 開幕一発目から温泉旅行回となり、温泉入浴シーンがすぐにも見れる。そこはナイス。

 2期を見ていて感じたことは、気の所為かカナのウザキャラムーブが以前よりも目立っているような。皆さん冬木くんの悪口を言うばかりだが、2期ではカナも結構やらかしているんじゃないかな。

 バレンタイン回でチョコ作りの邪魔をして千秋の作ったのを食うし、千秋がお湯を入れて出来上がりを待っている間にカップ麺を横取り食いしたりと食い物関係でガツガツ来てウザい。序盤の地域ゴミ拾い運動で関係のない学校の皆さんを巻き込んでくるし、ハルカ姉様のウザギのアクセサリーを壊した問題の解決のためにまたまた関係のない皆さんを働かせるなど迷惑行為が目立つ。あとは千秋や冬馬に対してのセクハラ行為もしつこい。

 それも元気な彼女の良さであると思う反面、こいつは一度皆さんにキレられた方が良いかもしれないとも思ってしまった。

 それでもハルカ姉様が海外留学すると思った時には、姉が安心して出ていけるよう良き妹ムーブに出て、取り乱す千秋を諭す良き姉ムーブも見せていた。まぁ迷惑女子ではあっても根っこは良い子です。藤岡くんとくっつけるにはなんだか不安にもなってきたけどね。

 

 そしてこちらのシリーズの象徴となるのが冬木くん。千秋の学校の転校生として途中参戦し、早々に消える。千秋にとっても我らみなみけリスナーにとっても通り雨のような存在。だがやけに記憶に残っている。

 彼の存在意義やキャラを通して何を描きたかったのかを私なりに考えていこう。

 はっきり言おう。公式が何を思ってこいつを投入したのかは、私ごときの頭で考えてもよく分からん。ただこの冬木という人間を解体していくと、こいつはイエスを強要されてノーを言えない日本人の国民性を表した記号だったのではなかろうかと思えてくる。それを伝える表現、キャラ設定としてなら納得出来る。

 まぁこれもその時代のそれではあるのだろうけども。今の若者は単純に不遜や無礼から年長者に楯突いたり、そもそもイエスが言えるだけの実力も自信もないから言おうにも責任問題から言えないという都合もある。その点イエスを言ったからには実行出来る力を持つ冬木くんはそれだけで偉いっすわ。

 冬木くんといえば、周囲からの頼まれ事や期待にノーを言わずイエスを出しちゃう器用である反面不器用なムーブが目立つ。これもイエスが言えるだけの彼の要領の良さがあってこそ叶うことなんだけどね。こうして素直に他人の言う事を聞いてあげることが出来る点は普通に良いことだと思う。

 冬木が嫌いという意見をネットで多く拾うことが出来るが、彼のように実際として地域にクラスに、広くは社会に貢献出来る若者はそれだけで無価値の外にある。逆にそれらどれもが出来ない働きの無いはみ出し者よりずっと良い。

 私くらい寛大で人を許す博愛精神がある者からすれば、こういうヤツがいたっていいじゃんで全部終わる。冬木くんみたいな陰気なヤツなんてクラスにも普通にいるものだから強く気にして非難するものでもない。

 彼に対して抱く思いは、リアルな同級生感だった。非リアルな明るくて面白いキャラばかりの原作に対して、陰気な冬木くんと来れば実にリアル。リアル性を求めるなら彼が一番くっきりと現実世界にイメージ出来る一人だと言えよう。保坂なんかはファンタジーの生命過ぎるからな。千秋には妖精扱いされていたし。

 

 本当は嫌なことでも他人の顔色が気になる彼は嫌と言えない。そのイジイジした鬱屈な心を意外にも敏感に読み取ったのが千秋ちゃん。言動はハッキリとスマートにのスタイルで生きる彼女からすれば、その通りに出来てなさすぎる冬木の言動が苛つく。そこもまたストレートに「そういうところがイライラする」と伝えるものだから、今回は千秋の辛辣発言が他シリーズ以上に目立っている。

 カナや内田に対してズケズケと痛い所を突くそれと比べ、冬木くんに対するそれにはマジなシリアス感があってちょっと良くないかも。千秋が冬木を気にしながらもイライラしている描写が原作には特にないものとして目立つ。見方によっては、千秋が物言いのキツいイジメ行為をしているように見えなくもない。

 そういうはっきりしないところをはっきりさせるようはっきりと指摘する千秋ちゃんの言動は気持ち良いもので好ましく思います。でも冬木くんに対して言うそれはリアルにチクチク来るから千秋の良さが出ているとは思う反面、ちょっと傷つくから見るのが嫌だったと思える点も少々あります。複雑です。

 でも私としては千秋を気にして言いたいことを全部言えない、特に最後の転校のお別れが言えない冬木くんの言動はちょっと可愛いかなくらいに思える。ハキハキしないのは気持ちが良いものではないが、ああして焦れったくも言いたいことが言えない少年の心も少年の内だからこそ可愛らしいものじゃないか。大きくなってアレなら良くないが、等身大の少年ならあれくらいイジイジしていても普通の範疇かと思います。

 こちらとしては想像だにしないレベルで嫌われているんだけど、私としては冬木くんみたいなヤツもそこらに普通にいるヤツとして結構愛着が湧くんだけどな。仕事が忙しい転勤族の親を持つ身として、あまりわがままを言ってはいけないという若い割には悟った意見も持つ出来た子だったと思う。でも出来たガキを嫌う不良なハートもあるからってことで一定数ヘイトが集まることになったのかな。かく言う私もまた出来たガキだったものだから彼については少し共感があるくらいで不快に思うことはなかったっす。

 最後に引っ越し先から手紙を寄越してきたことで千秋もちょっと安心していたよう。まぁないだろうとは思うけど、今後アニメの新作をする中で同窓会気分での再会があっても良いかと。私は冬木くんへのアンチ意見皆無勢です。

 

 冬木という異物が紛れ込んだことで少々荒れる千秋ちゃんの青春ハートなどお構い無しで変態キャラを貫く保坂の物語もやっぱり笑える。こいつヤバ面白いっす。

 ハルカ姉様との直接的な絡みは作家の方でも危険に思ってさせたくないのか、思った以上に接点が持てない二人。でも裏で情報収集をしてまるでストーカーのごとくハルカ姉様の行き先に先回りしてくるのが面白い。

 ゴミ拾い運動の時にはアルミ缶もスチール缶も腕力のみでベッコベコに潰して回収していた。エコな変態でした。

 プール回でも浮き輪屋さんとして先回りして潜んでいたし、最終回ではハルカ姉様の交換留学先にジェットで向かっていたし。彼に見る変態性と行動力は大変清々しい。いつの間にやら料理の腕も極めて男子力が上がっているのは素敵です。

 製作サイドも保坂を気に入っているようで、最終回は保坂の海外追放落ちだったし。三姉妹でなくこいつでラストシーンを落としたのは笑う。

 

 冬木くんの転校は無しにならなかった一方、ハルカ姉様の留学は無しになって良かった。

 留学するしないの騒ぎで仲良し三姉妹の絆が見えたのは普通にキュンとしました。 最終回で1期のOP曲が流れたのも良かったよね。

 とまぁ黒い黒い言われているシリーズのようだが、私としては普通にありです。つうかそれならもっとヤバいジャパニメーション黒歴史になるようなアニメがコレの後に何作も出てきたしな。

 今やっているクソアニメを比べれば2008年なんてその数が少なくて平和だったのだな。みなみけは良い時代に出てきた良い作品でした。

 それでは5期にも期待。保坂の暴走がまた見たいです。

 

 

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