こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

人の心も救う「特救指令ソルブレイン」

 「特救指令ソルブレイン」は1991年から1992年にかけて放送された全53話の特撮番組。放送回数がちょっと長め。
 先日まとめを行った「特警ウインスペクター」に続いて次回作のこっちも視聴した。 
 それにしても、ウインスペクターに続き、新チームソルブレインを立ち上げて成長させた正木本部長の手柄は警察賞もの。
 
 本作では、盗聴録音をするのにカセットテープを使う、重要なデータはフロッピーディスクに収める、明らかに古臭い発色の悪い白色のパソコンキーボードが登場するなど、小道具からして色々古いが、こっちの作品でもヒーロー達はカッコいいぜ。
 ソルブレイン隊員が本部に連絡する場合や、一般人から警察へ電話する場合に公衆電話を使用するシーンがあるが、携帯電話の普及した昨今では公衆電話もどこかレトロ感がある。聞いた話によると最近の若者の中には公衆電話の使用方法がわからない奴もいるとか、時代も変わったねと思った。

 

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ソルブレインについて 

 ウインスペクターに続いて発足したソルブレインも事件捜査と人命救助を共に行うスーパーチーム。
 主役ヒーローのソルブレイバーを見て、ファミコンの名作ソフト「ボンバーキング」を思い出した。ちょっと似ている。 

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ボンバーキング 

 
 ウインスペクターが強化スーツを着用した人間隊員1人+ロボ2体で現場に当たったのに対して、こちらではロボはソルドーザー一体のみで女性隊員がソルジャンヌに変身した。女性も大いに活躍する作品である。ブレイバーとジャンヌの装備に見られる呼吸用のチューブってリアルに災害現場に対応できる装備だと思った。
 ソルドーザーは基本は人型をしているが、変形して車になるというトランスフォーマーを思わす仕掛けがされたハイテクロボである。このソルドーザーの変形シーンでは当時にしては珍しいCGが使われている。この映像は頑張っている。
 個人的にはレギュラーで登場した男性隊員の純がなぜ変身しないんだよと思った。
 ソルブレインには、ウインスペクターにも勝る組織力がある。それと言うのが、ソリッドステイツという航空母艦を有していること。発射基地があり、そこで働く隊員もたくさんいる。

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 今作でも隊員はパトカーがないと変身できない。ソルブレイバーに変身する西尾大樹はソルギャロップに乗り込み「プラスアップ」の掛け声で変身する。このソルギャロップがとても格好良いデザインで、ドアが上向きに開くというスーパーカー仕様となっている。こんなにイカした車を乗り回せたら、警察もきっと調子にのるだろう

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 ソルブレインでも強化スーツを着て変身するにはかなりの鍛錬が必要とされ、長時間のスーツ着用は人体に悪影響を及ぼす。ウインスペクターの時に活動時限界時間を5分と設定していたが、ソルブレインでは30分まではいけるように進化している。
 終盤ではスーツの量産化が進んだ。そして最終回でソルブレインは解散し、隊員は各地に転勤してスーツ使用をはじめとした指導者の役を担った。

 

前作と繋がるストーリー 

 特徴的なのは、前作の尻と今作の頭とが繋がったストーリーである点。時系列が連続していて、ウインスペクター解散後の新たなるチームとして正木本部長がソルブレインを設立させ指揮を取る。なので正木本部長は引き続きレギュラーで登場する。変身ヒーローを引退して、次はヒーローを育て指揮する立場になった宮内洋(正木役の人)の姿を見られるというのもオールド特撮ファンには嬉しい。
 まぁコレって結局は正木本部長が主役で、彼の警察生活を描いたサクセスストーリーなんだよね。というのが個人的な感想。真の主役は正木本部長である。
 
 前作登場の火消しの科学技術ケミカルディスチャージャーをパワーアップしたスーパーディスチャージャー、ウインスペクターのファイヤーが使用したギガストリーマーも登場する。
 そして、中盤では元ウインスペクターのファイヤー、バイクル、ウォルターの3人のメンバーがフランスから日本に帰って来て、ソルブレインとの合同を捜査にあたる回がある。今でこそ仮面ライダープリキュアでまで作品を越えて先輩ヒーローと共演するってのは良く見られるが、この時期にはこういう共演はホイホイやるものではなかったので、二作のヒーロー共演には興奮せずにはいられなかった。
 ファイヤーに変身する香川竜馬は後半で日本に転勤してきてレギュラーメンバーになった。しかも前作装備からパワーアップしたナイトファイヤーに変身して戦う。とにかくヒーローのデザインが格好良い。

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・前作にも増してハードなストーリー

 設定内容が前作とリンクしでいるのだが、その中でも今作では前作以上に刑事ドラマパートに力を入れていると思う。むしろ、ソリッドスーツを着て以降の展開がオマケってくらいの回も多い。
 正木本部長は「罪を憎んで人を憎まず」を心情とし、ソルブレイン隊員として人命救助を行うのは当たり前として、その上で犯罪者であろうとも「人の心を救う」ということを心がけている。本当に彼は警察の鏡。
 「人の心を救う」という深きテーマが本作には隠れている。捕らえた犯罪者とどう向き合うかも警察には必要とされる能力なのであろう。
 そんなテーマがあるだけにかなり深いドラマ性のある回も多く存在する。刑事ドラマとしても楽しめる大人向けエピソードは高く評価できるが、絶対に子供の見るものじゃないと思える回もあった。
 中でも印象的な回が第10話「わしら純情放火団」。
 この回では定年退職を迎えた空しいおじさん達が、自分達を蔑ろにした社会に報復するためにあちこちに火をつけて回るということが行われた。
 おじさん達は戦後の日本を立て直した、時代における縁の下の力持ち達だった。それが歳を取って用がなくなればポイなわけで不満も溜まる。そんな自分達の作った日本の現代人の中には汚い仕事をするクソ野郎がいて、あくまでそいつらへの警告として火を放つ。法の目を掻い潜って生きながらえる悪の商売人を襲った正しき老人達だったが、やはり道徳的にはアリでも法的にダメなら法を優先して最後には捕まってしまう。 
 これまで日本のために頑張って普通に生きていた人たちに泣く泣くワッパをかける純の悲痛な心の叫びを聴いて物語が終わるという悲しい回だった。また、歳の行った世代から若い世代へ向けて、諸々の意味を込めた警鐘を鳴らした回でもあった。と言っても本作は30年程前の作品なので当時のおじさん達はもう土の下で寝ている者もいるだろうし、この時の若者はとっくにジジイになっている。
 前作同様にレギュラーの敵キャラや組織は登場しない。しかし、物語中盤でソルブレインが高岡という犯罪者を取り逃がし、以降そいつは執拗にソルブレインを狙って隔週登場するようになり、最終回のラスボスにもなった。
 最終対決で遂には高岡を助けられず、命も心も救えなかったことを悔やむ正木本部長の姿は印象的であった。言うは簡単だが、実行するのは難しい深いテーマ、それが「人の心を救う」であった。

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・曲はやっぱり格好良い

 そして今回も曲が格好良い。
 前作ウインスペクターのOP曲は「メーデー メーデー」の歌詞で始まるのに対し、ソルブレインでは「ヘルプ ヘルプ」で始まる。どちらの歌詞も緊急時を現している。
 歌っている宮内タカユキの声がヤバイ。

 

 

 

・思い出のファミコンソフト

 ソルブレインは、メタルヒーローシリーズで唯一ファミコンソフト化した作品である。

特救指令ソルブレイン

 私のソルブレインの思い出と言えば、一番に思いつくのがこのゲームについて。中古屋に並ぶ格好良いソルブレイバーのジャケを見て、完全にジャケ買いを決め込んだソフトだった。
 おばあちゃんの家でこのゲームをして遊んでいたのを思い出す。中身は結構面白かった。
 しかし、ソルブレインってこんな話だったけ?と思うゲームだった。こっちのゲームの方も懐かしいのでAmazonで調べたらクソ高かった。もしかしてレアゲーなのか。箱付きのやつが、まだ家の押入れに眠っている。

 

 という訳で、不良警官にオススメの警察魂のこもった名作ソルブレインでした。

 

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