こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

楽しい3年間の修行「ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」

ノーラと刻の工房 霧の森の魔女」は、2011年に発売したニンテンドーDSソフトである。

 

 レトロゲーマーの私からすると、10年代発売ソフトなんてかなり新作の部類に入る。なのでかなり新鮮な思いで手に取った。

 このゲーム、もちろん前情報はなんのこっちゃで何も知らなかった。それでも選んで手にとった理由は、ズバリジャケットがめちゃめちゃ可愛いかったからだ。本作のキャラデザはマジで可愛い。そんな可愛いキャラがバッチリ写ったジャケットを見て心ときめかないのも美的感覚がちょっとアレな感じもする。決め手がジャケットの魅力オンリーというわけで、ガチのジャケ買いとなった。

 やる前からでも見てくれで好印象を取れると、商品情報を全く知らない者をラッキーで引き込むことが可能になる。その点でこのゲームは有利だったな。例え中身がクソだったとしても、知らぬが仏の状態でジャケットにワクワクを覚えたらなんとなくレジにゴー。という経験はこの私に限らず多くの者が体験したことがあるだろう。この場合には幾度かジャケット通りの面白いものをゲット出来、また幾度かはジャケの期待を大きく裏切ったクソにも出会ったことがある。このゲームはというと、ちゃんと面白かったので買って良かった。

 

 最近はたまたまレアゲーのプレイを連投して来たが、今回のゲームは安い部類に入る。定価の3分の2も切るくらいでゲット出来た。レアゲーをプレイすればそれは嬉しいし楽しいのだが、値段を考えるとやや緊張してのプレイにもなる。今作くらいのリーズナブルさがリラックス出来て丁度よいものなのだ。なかなか楽しく、なによりも癒やしをもらえたゲームだった。こいつもあと5年10年待つと市場値が今よりもグンと上がるのかと思うと未来が楽しみになる。

 

 ではゲーム内容に触れていこう。

 

ノーラと刻の工房 霧の森の魔女

 

 美少女主人公ノーラは、時の流れを操る導刻術師の見習いである。一族の住処を離れ、人里で3年間修行して一人前の導刻術師を見目指す物語がスタートする。

 

 初めて街に降りると、昔話の怖い魔女とイメージを重ねられて人々からウェルカムされない。そんな中ノーラは、人々の役に立つ多くの依頼をこなしていく。これによって信頼度を勝ち取ってゲームクリアに繋げる。

 特に町長が口悪く攻撃してくるがムカつくが、こんな村八分状態でも明るく元気に修行をこなしていくノーラのひたむきなヒロイン性に萌える。応援したくなる萌えな主人公なのが良かった。声が竹田津彩奈という点も思い出に残る。ゲームが発売したこの時期なら「けいおん!」の劇場版の収録とかもやっていた頃かなとか思ってプレイした。あれも視聴後にはかなり心が震えた名作映画だったな。

 

 タイトルに工房とある通り、森の中のお家で色んなものを作るのが楽しい要素となっている。そこらで拾った物を加工、分解して別のアイテムに仕上げたりすることが出来る。

 加工、分解の他のアイテム作成手段として、時を操る力を使って物体の時間を進めたり速めたりする導刻がある。これによって花を種や球根に戻したり、逆に一気に枯れるまで進めることも出来る。時間を操ってアイテムの姿形を変えていくのも面白い要素だ。これら3つの技術で様々なアイテムを作って行くのが楽しい。

 

 工房ってくらいだからパンを焼くことももちろん可能。パンは本来回復アイテムであるが、作ったあとずっと放置していたらカッチカチになり、それを敵にぶつけて攻撃することも可能になる。パンが攻撃アイテムに変わる点が面白い。パン投げゲームとして有名な作品になっているらしい。

 

 街に行ってアイテムゲットの依頼をクリアしたり、ひたすら新たなアイテムを生み出すために工房にこもってあれこれするなどが楽しい。ゲットしたアイテムは図鑑でチェックできるのでコレを全て埋めるのがやりこみ要素となっている。

 

 RPGの要素もあり、アイテム採取中には敵とのバトルパートも楽しめる。こちらはおまけ程度くらいになるが、場所によっては敵が一気に強いのでなかなか油断ならない。物語を進めていくに連れて冒険のお供に出来るメンバーが増え、合計9名の中から選んでパーティーを作れる。仲間のキャラクターも愉快で可愛い連中がたくさんで癒やされる。主役のノーラをはじめ、全体的にロリな感じのキャラが多い。そっちのジャンルに造形の深い方々には間違いなく受けるキャラデザだな。いずれのキャラも名の売れた声優達が演じている。声優陣を見ればなかなか豪華な顔ぶれだとわかる。

 

 仲間に出来るキャラと交友関係を深めると、各キャラ専用イベントが発生する。ややギャルゲーチックな楽しみ方も出来て面白い。どのキャラと仲良くなったかでエンディングが変わる点もやりこみ要素となっている

 

 全体的にアトリエシリーズ牧場物語っぽい感じもある。ただこのゲームは、ノーラの修行期間である3年間の物語しか用意されていない。半永久的にまったり続けることが出来るスローライフものではなく、スピード重視な点もある。3年の期間内にさっさと依頼を片付け、キャラとの友好度をあげないとお目当てのエンドルートに入れない。スローライフのガワを被った忙しいゲームでもあった。よろしければ三年目が終わってもリセット無しでずっと遊びたいところだ。

 キャラ絵が可愛く、画像も綺麗。家具を作る、花を植えるなどしてどうぶつの森のようにお気に入りの部屋、庭を作れる点も楽しかった。のどかなBGMはお耳の癒やしとなった。戦闘シーンの曲はおしゃれ格好良くて特に好きだった。

 

 基本的には楽しくて可愛いゲームだが、決して簡単ではなかったと思う。複数あるエンディングの中には完全にバッドエンドなものも含まれる。初期プレイでのバッドエンド回避はなかなか難しいだろう。

 嵐が来て街が荒される事件が起き、それはよそから来た魔女的な女のお前が悪いという厳しい責めを受けた末にノーラが追放されるという胸糞悪いエンドもある。いわゆる魔女裁判的なやつで、なにかにかこつけて人を異端者に仕立て上げて糾弾するという因習が見られた。このエンドはさすがにムカついたよな。ノーラを執拗を追い詰める町長に対しては、お前の街の復興に尽力してやったのに恩知らずなことを言いやがると思わざるを得ない。

 

 同じバッドエンドでも複数ルートが用意されている。どうせがっかりする未来なのに余計に細分化されているから、無駄に作り込んでいるとも思える。よろしければ全ルート開放したかったのだが、数回バッドエンドに入ると心が折られて立ち上がれない。それにそろそろ次のゲームが遊びたいと思い始めたこともあり、全ルート開放には至らなかった。楽しかったのでまた立ち返ることがあれば極めたいゲームでもある。

 

ノーラと刻の工房 霧の森の魔女

ノーラと刻の工房 霧の森の魔女

  • 発売日: 2011/07/21
  • メディア: Video Game
 

 

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