こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

謎の島の青き巨人「巨神ゴーグ」

巨神ゴーグ」は、1984年4月から9月まで放送された全26話のテレビアニメ。

 

 その昔ロボット図鑑で見たことがあるけど、なかなか本編を見るチャンスに恵まれなかった。

 それも綺麗なBDになったこのタイミングで行くしかない。にしてもBDの画質がすごく良い。よそのアニメだとBDにしたのは良いけど画質アップ作業をサボってDVDとあんまり変わってないじゃんっていう残念なものもあったりする。その点ゴーグBDはとても綺麗だった。グッジョブ。

 そんなわけで桜舞い散る中見たロボットアニメがコレ。

 

巨神ゴーグ Blu-ray BOX [4Blu-ray]

 

内容

 時は1990年。

 海底の噴火によりオウストラル諸島が誕生した。誕生からしばらくしてその島は地図から消され世界から無き物とされた。しかしそれは嘘の話で、島はそのまんまそこにあったのだ。

 ではなぜ世界はそのような嘘をついてオウストラル諸島を世間から隠したかったのか。それには大いなる秘密があった。

 その秘密をまずは保持する。そして事情を知る者達はそれを暴くため暗躍するのだった。

 

 そして8年後。

 オウストラル諸島の研究に関わっていた亡き田神博士の息子 悠宇(ユウ)は、父の遺言によりオウストラル諸島に謎がある事を知る。

 父の意志を継いでその謎に迫るため、ユウはオウストラル諸島目指す。

 

 島でユウを待っていたのは謎の青き巨人ゴーグだった。ゴーグとユウが出会うことでオウストラルの大いなる謎が解き明かされる。

 

感想

 青いロボと少年が主人公ということで、ちょっとだけ鉄人28号感もあり。鉄人ってずっと好きなんだよなぁ。

 主役機のゴーグが序盤は出てこず、放送から1ヶ月くらいしてやっと主人公と出会うことになる。鉄人の漫画を読んだ時もタイトルの鉄人がなかなか出てこなかったよな~と思い出した。

 

 まずこのアニメは絵がとても良い。この古い時代にしては作画が綺麗で絵が元気。とにかく元気に動く絵が素敵。

 安彦良和のキャラデザはとても良い。特に女性キャラが醸す品は抜群に良い。少女ヒロインのドリスとサラはまだ幼いながらも良い感じの発育でとても健康的に見える。そして作中屈指のエロス担当のレイディがとても美しい。レイディ姉さんは終始エロくて格好良い激マブ女だった。一番注目したキャラがこのお姉さんだった。

 

 作品の看板となる青き巨人のゴーグも格好良い。シュッと引き締まったナイススタイルで綺麗なロボだ。ロボだけどイケメンでスタイルも良いと思う。中盤で出てくるマノンのガーディアンも綺麗で良い。

 微妙に「グランゾート」のロボット感もある。一番ゴーグ似なのだとウィンザードがそうかな。とにかくゴーグが格好良い。それと関係ないけど名前がもうちょっとでゴーショーグンだな。

 

 ゴーグは島の守り神的神秘性を持っていて、分かりやすく現代超兵器を使ってこない。ガンダムマジンガーで慣れているとそこはちょっと地味に思えるが、硬派な巨人として良いとも言える。ビームや剣はなしで基本的に殴る蹴るで行く硬派な戦闘スタイルが印象的。

 

 少年ユウは乗りやすいゴーグの頭に乗っかることもあり、しっかりとコクピットで操縦する感じがない。これもちょっと珍しいかも。

 ゼノンの亡骸が収まっていた人間が乗り込むコクピットがあるにはあるが、ゴーグは単体で普通に動いてめちゃ強い。序盤はユウとゴーグが上手いことコミュニケーションが取れなくてまごつくのも印象的。

 

 ゴリゴリのロボット大戦を見せてくれるものと思えばそうではなく、ゴーグら文明の超兵器を除くと後はGAIL社の渋い重機とかで固めているのでそこも硬派だな。

 ゴーグという超文明の遺産が看板ではあるが、メインシナリオは謎の島の秘密を追求するもので、普通に少年の冒険物として楽しむターンが多い。意外とSFしていない感じがやはり意外。

 

 人間キャラも魅力的。

 オウストラルオタクのウェイブ博士や見るからに只者ではない船長らおっさんも良い味を出していた。船長の本名が何なのかは分からなかった。

 ビビリなくせして島の秘密を知りたいマニア気質から、なんだかんだ危険につっこむしかないウェイブ博士のキャラは面白い。妹のドリスに叱り飛ばされる兄妹でのコミュニケーションもなんかほっこりする。結構おっちょこちょいでトラブルも持ち込むが、ドリスは可愛い妹ヒロインで好きだった。

 ウェイブを演じたのはキートン山田。中盤まではクレジットが過去名義の山田俊司だった。この作品の途中でキートンに改名したのは、メモリアルな要素として覚えておこう。

 

 船長、レイディ、ロッドのそれぞれ違う勢力のボス的立場の大人達が魅力的だった。

 レイディとロッドの痴情のもつれとかもロマンスで良い。最後は核の雨を前に全てを悟って二人がキャッキャウフフになるのも何か良かった。絶望が待っている先で二人が海のラストバカンスを決めこむのはトレンディドラマのワンシーンみたいで良かったぞ。

 船長がレイディをボコボコにするシーンはやめて欲しかった。あそこだけはショック。船長にあんなヒール役を背負わせることはないだろう。私にお姉さんをいじめる趣味があれば楽しめただろうが、まるでその趣味がないがために傷ついた。

 

 最終的には「人類」という括りで皆が共闘、共生の関係になって丸く収まるのは良い。そこに至るまでは、船長をボスにしたユウ達のパーティ、GAIL社、クーガー・コネクションの三つ巴で島の秘密を取り合う形になっていたのも印象的。

 

 マノンが率いるガーディアン軍団を温存した島の地下の秘密はエグく、人類が調子こくなら軍団を使って全部ぶっ潰すとうヤバいことになる。国が管理出来ないレベルの勢力があれば臭いものに蓋で、今度はマジで島を消す算段に入ることになった。結果、ユウ達がいるのに島に大量に核爆弾がぶっこまれる。後半のこの流れには緊張感が高ぶった。

 

 大人が怖いもの見たさに謎を掘り起こしてその報復を受けてヤバいことになった。その尻拭いをするため子供のユウが立ち上がるとう人類の良くないサイクルが見えた。

 触らぬ神に祟りなしだな。それがよく分かる内容だった。

 

 強い力を持った勢力があると知れば世界が黙っていない。オウストラル諸島に平穏はなくなった。それを悟った島は自ら沈むことを選び、最終回では嘘が誠になって島は本当に消えてしまう。

 う~む、これはドラマチック&ロマンスでもある。結局コレでベストかなというオチだった。加えてロッドとレイディの仲も修復されて良かった。

 

 そういや全部見ると分かるけど、ゴーグが過去と未来を繋ぐ扉だとOP歌詞でバラしていたんだな。初見だとどういう意味だろうってなったけどそういうことだったのか。

 

 大冒険して核を相手取る大ピンチにもなり、終盤には平和に向けてのメッセージ性も感じた。26話でスッキリまとまって好きな作りだった。

 とにかくアニメーションが良い。これが元気なジャパニメーションだとよく理解出来た。現代の手抜きアニメよりも古の作品のこっちの方がアニメの出来が良いくらいだった。

 

 オウストラルは我々の心の中にいつまでもある。ということでお休み。

 

 

 スポンサードリンク