こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(4月~6月)その3

 

ヴィンランド・サガ SEASON2

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 春からは後半クールがスタート。

 地味な田舎にも退屈ゼロの波乱の季節がやって来る。

 

 まずはガルザルの襲来からのアルネイズの裏切りと脱走。これは悲しみが強く絡みついた複雑な男女の人間ドラマだった。

 ガルザルの戦闘力が厄介過ぎる。天然のバーサーカーシステム発動で蛇の兄貴も苦戦してしまう。

 ガルザルもアルネイズも可哀想。そんな2人を見て平静ではいられないトルフィンとエイナル。特にエイナルの中では激しく感情が暴れている。

 苦しい思いをするのに何で生きていかねばならぬのかと死にかけの状態で語るアルネイズがもう可哀想過ぎる。

 死に直面したガルザルの魂が過去に里帰りするシーンも切ない。馬車に揺られて綺麗な世界を旅するガルザルを見ると心が震えた。

 ガルザルが農場にぶっ込んで来たことで思った以上に農場全体が揺れた。

 

 息子の大きなやらかしに加えてアルネイズに裏切られた事で、鉄拳ケティルがプッツン行ってしまう。前半は気の良い親父で愛せるキャラだったのに、後半はプッツン行ってとち狂ってる。

 アルネイズを死に追いやったケティルの暴力は許せん。好きなおっちゃんだったのに、こっちらも裏切られた気分。

 

 その勢いのまま、農場を上げてクヌートの軍団にも突っ込んでしまってもう自体はひっちゃかめっちゃか。クヌートも容赦ない。

 

 ここではノリノリで戦いに出るトールギルが怖い。主に義理立てる蛇の兄貴の落ち着いた戦いぶりは格好良かった。こいつらが田舎戦士やり手過ぎる。

 ケティルが実は偽物だったという蛇兄貴の種明かしは印象的。それでも仁義に生きる蛇は格好良い。

 

 そんな中、長らく調子こきのいらんキャラ扱いだった放蕩息子のオルマルが、何を捨てても命と農場を守る勇気ある後退に出たのにはグッと来た。

 自分は弱いし、現状が怖い。もう撤退することに対して恥も外聞もない。とにかく未来に繋ぐために親父の蛮行をなんとか手打ちにする。そう覚悟を決めて泣きながら漢になったオルマルの成長がオチに来る戦争だった。ここの話の作りは良い。

 後には鍬を持って嫁と畑仕事しているオルマルが見れたのは何か嬉しい。あの日不良だった同級生が、やがては真面目かつ地道に労働に打ち込むようになる。その成長に何かキュンと来たりするじゃないか。オルマルの物語の最後にもそれと同じような想いを寄せることが出来た。

 

 ケティル達農場主一家で魂の家族会議が行われる一方で、トルフィンとクヌートの久しぶりの対面が果たされる。かつて苦楽を共にした2人の再会も重要ポイントとして印象的。2人とも1期の頃からすると「マジで誰?」のレベルで変わりすぎ。

 

 トルフィンもまた勇気と覚悟を持ってクヌート達強大な力から逃げると答えを出す。そしてアルネイズの墓の前で、トルフィンとエイナルは兄弟の契りを交わすのだった。これをヴィンランドの誓いと呼ぶ(←勝手に)。これはワンピースでサボ、エース、ルフィが兄弟の契りを交わしたアレ以来のグッとくる儀式だった。

 

 兄弟2人を漢と認めた蛇が、別れる直前で自分の本名を名乗るところも良かった。めちゃ良かった。

 

 1期の頃からトルフィンを探す旅に出ていた地元のおっさんの旅もここで決着がついた。このおっさんもよくあちこち旅したものだ。

 

 最終回では、なんとも平和なトルフィンの里帰りが描かれた。

 一体自分が何歳になったのか計算出来ないくらいの期間、外をほっつき歩いていたトルフィンがやっと実家に帰る。あそこまでの旅をして怒りも悲しみも知った後に安息の地に帰るなんてまるで世界名作劇場を見ているかのような深きメッセージ性が見えてくる。

 でも弟の偽物と思われて姉ちゃんにぶっ飛ばされるし、本物と分かったら分かったで「今までどこ行ってたんや!」とやっぱりぶっ飛ばされる。ここ、ちょっと面白い。

 この家族のやりとりがある最終回だけは本当に落ち着いた。それまでの旅が激動過ぎたぜ。

 

 1期も2期も面白かったな。

 トルフィンとエイナルがいつか安息の地 ヴィンランドにたどり着くことを願い、健康志向な下戸の私は青汁を一杯やろうと思います。

 

アリス・ギア・アイギス Expansion

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 なんか可愛い子ちゃんがわんさか出てくるし、のどかちゃんは強めにユリだからきらら系と思ったら関係ないヤツだった。

 

 最初に大塚芳忠がすごく良い声で世界観の紹介ナレをしてくれるのだが、その内容を受け本編を見ると「芳忠さん嘘こいたんか?」ってくらい紹介とアニメの内容が何か違うぞ。

 ISみたいな戦闘ユニットを身にまとって宇宙を股にかけた戦いを行う乙女達の話みたいな紹介があるけど、全然戦っていないし、ずっと地上の潰れかけた会社にいる。てか一話目からのどかちゃんの就職先が潰れたし。

 

 基本は会社のメンバー4人がメインで出てきて、後は適宜同業者のよその女達が出てきてワイワイガヤガヤとふざけて終わる。これはこれで楽しい。

 規模の広いSFチックな世界観がある割には、そこを軽く無視してずっとフザケるこのテンションにギャラクシーエンジェル的なものを感じた。

 とにかく皆可愛くて楽しいから良いけどね。

 

 のどかちゃんがスケベに夜露さんラブ過ぎる。この子のギリ許せる範囲のスケベ具合が面白い。いつも鼻血吹いてるんだな。

 シタラさん、百科さんも可愛い。

 

 ラスト2話だけは本来の設定に則って真面目に展開した。シリアスさの中に武装ユニットをまとった戦闘シーンもありなことで、まさに作品の本領発揮となった。キャラ全部出しで事件解決に乗り込む流れも最終回らしく熱い。

 

 ええやんこういうの。何も知らずに見たけどゲームが原作のアニメらしい。

 可愛かったからもう一回見たいかも。緩くて笑えたから2期があっても大丈夫だぜ。

 

スキップとローファー

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 スキップは得意!ローファーは何だか分からん。調べると靴のことね。走りやすいシューズやビーサン率が高いから履いた事がない。

 

 胸を熱くするこの青い温度の正体は何なのだろう。そう、それは恋でした。

 という事の始まりから顛末までが分かるワクドキたまにキュンな青春物語でした。OP歌詞にあるあのフレーズがめっちゃ好きっす。

 

 まずはOP曲が良い。そしてサビで踊るおみつとシマくんが楽しそうで可愛い。この振り付けもキュート。真似したい。シマくんの方が上手でみつみちゃんがちょっと下手っぴなのか、そこも可愛い!このOPは何回もリピートして見ました。

 

 過疎化が著しい田舎を脱して都会の学校に来たみつみちゃんが、田舎産には見ないキラキラしたイケメンのシマくんに出会うことで爽やか青春ライフが動き出す。これは見守りたい物語だな。

 みつみちゃんが官僚になるとか言い出すが、そういや官僚って「何かそこにおる」ていう認識しかなくて何をする人なんだろう。

 

 出てくるキャラは可愛くて楽しい人達ばかり。薄汚れた人間がいないのが良いな。この爽やかに青春している感じは昔見た「君に届け」の感じがする。

 

 みつみちゃんは一見ぼけぇ~としてそうだけど、実は周囲が良く見える感じやすい子なのだと分かる。いい子やんけ。

 たくさん転んだことがあるから起き上がるのが得意という彼女の人生経験から生まれた特技については印象に残る。真っ直ぐ生きる良い女。

  

 黒沢ともよはこんな素敵な作品の素敵な主人公を演じたクールに結婚発表があって良かったね。彼女もアイカツの頃からいたんだからすっかり10年以上戦士だな。みつみちゃんは垢抜けないウブなねんねのキャラだけど、中の人はすっかり垢抜けたよな~。結婚おめでと~。

 黒沢ともよは今期だとちびっ子アイドルや覆面の変な魔法少女もやり、ここではめっちゃ普通の子をしている。こうして振り返ると演技の振り幅がすごい。良い役者です。

 

 キラキラした芸能界から出て来たイケメン王子様のシマくんは、どこか一般人離れしているように見える。でも心理描写を見ていくと、案外みつみの方が超然としていて、シマくんの方が等身大な人間に見えてくる。ここが割りと肝かも。

 人の悪意や闇など、とにかく人間同士の不都合を知っているからこそ、そこに触れずに明るく生きるみつみが光って見える。だから都会の絵の具に染まらずそのままでいて欲しい。的なことを思うシマくんの心は人間らしく文学的でもある。

 意外とシマくんサイドから見る物語の方が共感出来るし、教養もある気がする。

 私としては、シマくんサイドで展開する物語の方にぐっと引き込まれるものがあった。イケメンの心に寄り添い諸々分かり合うクールとなりました。

 シマくんは男子だけど可愛い。

 

 メインの2人の他に気になるのは、クラスメイトの江頭さん。この子のキャラ性には人間の、しかも女子が持つ特有の心理が見えてとても良い。こういう子いるいる~ってなる。

 いつだって周囲を見て自分と比較して、いい塩梅の位置に自分を置く。これは社会性としては上手く機能することだけど、それをいつもやっていると肩肘張る想いがして疲れる。そんな集団生活に見るストレスが江頭さんの心情にも見られる。私には全く無いマインドとムーブメント。

 同級生のイケ女の結月ちゃんのイケてる要素に嫉妬し、シマくんが気になるから周りにいるみつみの事も何か気になってちょっと意地悪を言ったりする。それは醜く恥ずかしいことだと、後になって気づき罪悪感になっていく。それでも当たり前に感情が働いていれば、江頭さんみたく感じて動くのは正常なこと。

 自分の中にある醜さに気づいていつも反省している。そんな江頭さんに見る意地になって素直になってを繰り返す等身大のヒロイン性に萌える。

 ツンツンしてちょっと毒っけのある事を言ってはみるが、結果付き合いの良い優しい子だから、つくづくヒールに向かない子だった。こういう子は良いと思います。ずっと良い子ちゃんでいる人間よりも見ていて面白いし、なんかかまってあげたくなる魅力にもなる。

 おみつも良いけど江頭さんも推しヒロインでした。

 江頭さんがナオちゃんと仲良しになっていく流れも良き。ここは良いコンビ。

 

 意地っ張りな頑張りやさんの高嶺先輩みたいな女子も好きっす。

 兼近先輩の親しみあるうざさも好きっす。木村良平の飄々としたうざいヤツの芝居はとても良い。

 

 文化祭にラスボスの感覚で殴り込んで来たりりかの存在にも注目。寿美菜子の荒い女の芝居には大変グッと来るものがある。

 りりか、クリス、そしてシマくんの幼馴染ズの物語も印象的。 

 あれだけツンツンしていた女王様キャラのりりかが、めちゃ泣き状態で語った芸能人の悲哀も記憶に残る。

 華やかな芸能界で忙しく仕事する人間から見れば、毎日まったりと学校に行ける地味な生活がそれはそれで羨ましい。という事情が分かってきた。

 文化祭後にりりかが引くくらい泣いているのにびっくりしたけど、吐露した思いは等身大の女子だったのでキュンと来ました。

 

 文化祭の終わりを1クールのオチに持ってきてスッキリ最終回だった。

 これは楽しいし、みつみちゃんは見ていておもろい女だから続編も見たいっす。また青い温度を感じる季節が来ると良い。最近このフレーズにめちゃハマっている。

 青春も恋も人生の質を底上げする娯楽です。それも私の趣味だ。

 

koshinori.hatenablog.com

 

 

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