こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

お店で流れている心に残る音楽

 心に残る音楽とは何だろうか。それは芸術性が高い事で人を感動させるもの、心踊る楽しいもの、単純に聴いて気持ちよくなるものなど、どのようにして心に刻まれるかは人によって様々だと思う。

 

 その中でもしっかりはっきり心に残って記憶に留まりやすい条件は、より暮らしに根付いた音楽であることだと思う。

 例えば学校のチャイム、駅のホームで流れるメロディ、忘れた頃に我が家の近くを走る豆腐屋の車から聴こえる例の音などがそうだ。

 聴くべくして聴くわけではない。普通に生活をしていれば勝手に聞こえてくる。それの方が日常動作とセットになってより深く長く心に残る。

 

 であれば、我々が日々買い物に行った先で流れる音楽などまさにその条件にマッチするではないか。

 生活を作るための物品を調達する目的で、地域の固定のお店に定期的に通う。その都度お店で流れる音楽を聴けば、それはもう日常の音としていつまでも記憶に残ってしまうのだ。

 

 というわけで、お店で流れている好きな音楽。それも懐かしのやつに触れて行きたい。

 

このネタに至ったきっかけ

 

 時は夏休み。それも終盤。

 終わるのは寂しいじゃないか。さすれば夏を振り返ってしまう。とは言っても「これで夏休み終わりか?」ってくらい初期の頃から変わらず暑いんだけどね。

 

 私が幼い頃の夏を振り返ると、そこには家庭の事情が反映された楽しい想い出があるばかりだった。

 

 まず我が家は、数多あるお金儲けの方法の中から「商人」を選んだ家庭である。一家揃って商人である。

 

 一般客がたくさんお店に集まるタイミングとはどこでしょう?それは休日が集中するタイミングである。忙しく仕事する人間がお店に来るわけがなく、皆が休む時こそ、商人は書き入れ時を極めるのだ。

 

 商人にだって子供がいる。その証拠が私という人間の誕生にある。

 物を捌くのに全力の人間にとって育児とは、はっきり言って足を引っ張るもうひとつの仕事になるわけなのである。銭勘定と子供の機嫌取り、一緒にすると体も心も疲れる。じゃあなんとかせねば。両親は人生をスムーズにするべく行動を取るのだった。

 

 これは決して育児放棄や虐待ではない。その先の未来でまた家族が一緒になって幸福になるための一時的な手段として、書き入れ時になると私は他所に預けられた。それも割りと長期間。

 

 夏休みがまさにその時だった。盆時には家が忙しくなる。正月、年末もそうだ。 

 その期間になると、あちこちの親戚の家をタライ回しになるわけなのだ。お兄ちゃんは仕事に使えるから残すパターンがあったが、私の場合は別に不良な訳でもないが、まぁスペックとか趣味とかオタクをやっている関係もあって現場にはいらんという判断が出た。別に落ち込んではいないけどね。

 てな事情から、私だけが高確率で学校の長期休みには地元にいなかった。同級生には「お前しばらく故郷(くに)出てどこおったんや?」と休み明けによく聞かれたものだ。

 

 その預けられ先で聞く音楽は実に心地よく、長く記憶に残る事となった。

 この夏にそんな昔の想い出を楽しく思い返したタイミングで、たまたまYou Tubeからそのお店で流れる音楽が聴こえた。これはなんとも運命的マッチング。

 

 

 

 

ディオ


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 ジョジョのボスキャラのあのディオではない。田舎にある安売りスーパーのことだ。

 売っている物が本当に安く、定価のまんま売っているコンビニでの支払いがバカらしく思えてくるほどだった。ジュース、アイス、弁当とかが他より安くて助かった。

 表には一瞬倉庫に見えてしまう「パクパク」という全部100円で買える食い物屋が出ている。ソフトクリーム、たこ焼きが100円で食えるので、小遣いが少ないちびっ子の味方となった。

 

 とある田舎の親戚に預けられた際には、最寄りのスーパーであるここによく出入りした。親戚一同は私を可愛がって買い物にもよく同行させてくれた。そこで聴くここの歌がすごく良かった。耳馴染みが良い。

 店内で一生流れているので、店員なら頭おかしくなるくらい聴いて一生覚えてしまうだろう。

 

 訪れる皆さんの生活をよりよくするためのサービスを提供する。その真心がしっかり反映された暖かい歌詞にほっこりする。こいつは名曲だと想います。

 チープなようで洗練された愛される作り、これぞ僕の私のコミュニティソング。まぁ私はそのコミュニティから見ればよそ者なのだけど。

 未だに洗濯物を干す時、取り込む時などに口ずさんでしまう。

 

ラ・ムー


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 菊池桃子が所属するバンドではない。これも安売りスーパーである。

 親戚に聞くと、これも母体はディオと一緒であるとか。確かに売っている物とかお店の感じ、やっぱり表には100円でたこ焼きが食える「パクパク」が設置されているなど名前が違うだけで一緒ぽい。

 親戚の家の近くにはディオもラ・ムーもあった。気分で交互に行っていたのでどちらの曲もめちゃ聴いた。

 どちらも24時間営業なので、夜に活動しがちな家出不良息子の味方になる良き店だ。24時間開いているってありがたい。

 

 こちらはディオと違って曲調がえらくポップで超爽やか。超良い曲だと思う。

 一昔前のギャルゲーのOPで流れていそうな曲だな~と思える作風。ゆえにそういうのが好きな私にハマる。

 田舎のスーパーのテーマ曲にしては完成度が高く、歌も上手い。

 

 歌詞に「がんばれなんてなぐさめなんかじゃ言わない」というものがある。ということはガチで応援するために言ってくれているんだなぁ。お店に訪れるあなたを応援する元気ソングで大好きです。

 

イズミヤ


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 こちらは田舎ではなく、都会の地に住むばあさんの家の近くにあるスーパーの曲。

 マジで近くて、家の窓から石を投げれば届く範囲にあった。となれば、ばあさんの家に行く度この店にも行き、都度曲も聴いて一生覚えることとなった。イズミヤは惣菜がちょっと高いけどその分美味かった。

 

 まったり優しい曲調で、「クレヨンしんちゃん」とか「ちびまる子ちゃん」でかかっていてもおかしくないような感じ。大衆に寄り添った馴染み感がある。

 

 お店のマークがくるくる回っているお日様マークに見える。歌詞にも「くるくる」が入っているし、幸せが来るの意味もかかっている。結構洒落た作り。

「すぐそこにイズミヤ」という歌詞も私にはマジでマッチしている。前述の通り、石を投げれば届くくらい家から近いところにあったのでリアルなフレーズとして記憶に残る。

 

 同じ名前ってことで、泉谷しげるに歌って欲しい。

 

ハードオフ


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 これは夏休みにどこかに預けられたとか関係なく、いつだって私の青春に鳴り響いていたアンセム

 お店音楽といえばコレってくらい聞き倒した。そのくらいしょっちゅうハードオフに行っている。

 自分の家からも通い、親戚の家からも通った。ハードオフは我々の青春基地。

 私の青春の基地といえば学校、図書館、ハードオフ。私が家にいない場合、たいだいこれら3箇所のどれかに行っていた。

 

 上質なまったりとしたBGMで、寝る前に聴いて気分を落ち着けるのもよし、逆にバリバリ作業をする時を盛り上げるBGMにしても良し。汎用性が高い生活音となります。

 

 お店にいけばこの曲と一緒にナレーションが流れる。それも良く聴いた。

 押入れに眠っている楽器に金券、別れた彼女と揃いの時計、お売りくださいハードオフへ!みたいな感じの事を言ってたっけ。その内には劇団ひとりが宣伝キャラになって喋るようにもなった。

 店員でもないのに長時間居座っているため、店に流れる音楽だけでなくナレーションもセットで良く聴いたものだ。

 

 まったく良い店だぜ。これからも栄えあれ。

 

まとめ

 青春は、いや人生は音楽に彩られている。そうだろ?

 人生の中で地味に多くの時間を注ぎ込むであろう買い物を楽しくする音楽の存在は、人々の生活の質をそれとなく底上げする良き文化である。こういう企業ソングの中にも味わい深い名曲があったりするから面白い。こういった大衆文化も楽しいよな。

 というわけで日本は平和で良い国です。それも音楽が楽しく彩っているからです。

 ラブ&ピース+ミュージック、これで世界は回っています。

 

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