こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

四十九日法要行ってきた

 葬式が終わって49日経ったらまた例の眠い儀式がやって来ます。

 体が燃やされた後も49日分は魂が微妙にこっちに残っているとか何とか聞いたことがあるようなないような。故人にとってこの期間が現世に残れるマジでラストリミットとなります。

 私なら49日間で何をしよう、いや一体何が出来る?そんな事を考えもするが、棺桶はまだまだ遠いので答えはずっと後回しで良かろう。

 

 で、四十九日の法要に呼ばれたので行って来た。

 別に無理に行かなくてもいいんだけど、休日にセットされたってことで向こうに身柄を押さえられた。どうせアニメを見ているだけで暇なんだから来いって言われたのだ。あれ?アニメを見るという暇とは遠い事をやっているって知っていて暇だから来いって矛盾したこと言ってない?アニメを、そして私の事をナメないで!

 とは思ったけど、行けば美味いものを食わせてやるからってことで話がまとまり、まぁ要は餌に釣られて電車旅となったわけである。アニメも良いけど哺乳類をやっていれば餌を食わないと死ぬからね。こればかりは仕方ないっす。

 

 何かと準備とか片付けをやらすため、あとは親戚のチビ共の世話も任すため半ば強制的な召喚となった。タッツウやデアゴじゃないんだから軽々しく呼びつけないでよね。

 まぁ押し付ければなんだかんだ出来ちゃう私の確かなスキルがあるのもこの場合は問題なんだよね。そこは信用されているようだが、根底にあるのはやはりメンドい。

 

 四十九日だとどこかの大きいホールでやるとかではなく、田舎の寺でひっそりと行うことになる。デカ目のホールは仰々しいので、田舎の端っこにある寺でやる方が気分としては楽。

 今回もやることは葬式と一緒でお経タイムを寝ながら切り抜ける。前日にしっかり寝て何も疲れていないのに、始まるとすぐに眠くなってしまう。

 別に抗う気もないので寝たら終わっていた。なら良かったのだが、起きてもまだ読んでいた。長いってば。

 

 一旦起きてからは頭の中でずっと河村隆一の「Love is…」を再生していた。聴きすぎて脳内再生も出来るし全部空で歌える。それくらい好きな曲なのだが、同じくらい好きな曲なら他にもたくさんある。なぜこのタイミングでその選曲になったのかは私の脳メカニズムの謎。しかし良い曲なので脳内再生でもうっとりだ。じゃあ本人の生歌を聞いたらどうなることやら。

 

 このお経タイムが世界で一番眠たい時間になるのかもしれない。これと並んで耳かきASMR(男でも可がだなるたけ可愛い声の女子のやつ)、校長先生の尺はたっぷり中身はすっからかんのお話も聞けばすぐに寝てしまう不思議パワーを有している。この3部門が睡眠促進に効果的。

 

 先日の葬式の時にも思ったけど、やっぱり長いし眠いって。坊主の仕事には現代思考ならではの時短術導入が無いんだなぁ。

 まぁ文句っぽい事を言っても私は仏教を軽んじるとか否定する気はサラサラないけどね。むしろ清い心で発展させた良き文化くらいに思っている。そこの評価はするが、それとは別に眠いのもどうしようもない真実。

 

 別にしなくても良いのだが、都合が良いのでマスク装備で参加した。

 これの便利なのが、顔の隠れ率がアップすることで、ワンチャン目を閉じていても寝ているとバレないこと。

 そしてこっちはワンチャンより高確率な実用性があることだが、口が見えないことで坊さんと一緒にお経を読むターン時にサボってもバレない。これは行ける。

 マスク無しの時なら「私はしっかり読んでいる!」と見せつけるために大げさな口パクをしたものだが、マスクありなら口パクをしなくていいから楽。

 マスク社会には弊害もあったかもしれないが、お得要素も確かにあった。それはそれで感謝。

 ていうかちゃんと読めよってな話なのだが、読んでみると意外とシンドい。坊さんは息を上げることなく長時間読んでいるから偉いよな。

 

 それと木魚のポクポク音も眠くなる。死んだ人間の魂を鎮めるため、つまりは眠らせるための儀式だから、眠り促進作用を追求してこういう出来なのかな。

 とにかく金太郎飴のごとく、どこから切って割り込んでもオールパートで眠い。ある意味すごい完成度の儀式。

 

 そんな眠い時間を戦った成果ってのも結構ある。戦ったといってもすぐに寝て降参したわけだけど。

 故人は1人だが、それに対してどんだけ食わせるんだってくらいすごい数の食い物がお供えされている。それはその日の夕方に下げてしまって私が食って良いことになっている。遠くから足を運んだお駄賃だな。

 自分ではまず金を出して食うことがないであろうお高めの菓子、餅、果物、缶詰とかゼリーとか色々ある。これらなのだが、一つ残らず美味いから合格である。ここまで来た交通費分以上余裕で食えている。出向いただけの元は取れているから安心。

 厳かな儀式に不謹慎な食いしん坊マインドを持ち込んでいるから罰当たりな感じも微妙にある気がするが、まぁそこは勘弁してくれ。

 

 この後に飯も出るし、それも気取ったちょっと高級な所にいくから良いよな。

 完全に飯が美味かった。なるたけ安上がりに食事を済まそうと心がけている私だったら普段絶対に行かないところで絶対に食わないメニューが食えるから良い。総じてこちらがお得だな。

 

 でもこの後にちょっと面倒がある。

 大人達は片付けをしたり他にもなんか色々あるからってことで、親戚のチビ共の世話を私に任せるのだ。

 この私の有するちびっ子人気は凄まじいもので、雪崩のようにチビ共が覆いかぶさってくる。その数なんと5人も。

 私だって元気だからこんなチビには負けない。とは思うが、5人には勝てない。単体でマックス元気印なのに5人もいたら押し負ける。そのうちにはこちらがバテてしまうのだ。育児ってマジに大変。

 

 各員喜怒哀楽が激しく、数分ごとに怒ったり笑ったり泣いたりと状態が変わってくる。情緒不安定かよ。

 集まった中で一番最近まで子供をしていたのが私だからってことでこの任命なのだろうが、私だってそこそこにアダルティを極めた自負があるのだぞ。鼻垂れの相手ばかりじゃ疲れるぜ。

 まぁ可愛いし一緒に遊ぶのは楽しいんだけどね。でもそれだけじゃ済まないのが育児であり人間関係だから。そこも既に知っているお年頃っす。

 

 結局は体よく面倒な子守に使われたわけか。良い想いも出来たが確実に疲れる。

 疲れたなら泊まっていけと言われるが、早く帰ってアニメが見たい。1日活動出来なかっただけで録画分が溜まりまくっている。放送中アニメをチェックする習慣を持っている者だと1日でも家を空けられないな。それも週末なら特にそうだ。HDDがパンクするって。

 もしも盲腸とかで1週間入院しろってなると、帰って来た時にはぞっとする録画量になっていることだろう。

 最終的な気づきは、ディープなアニメウォッチャーをしていたら長めの外出に待ったがかかるってことだな。

 冠婚葬祭は遠出のきっかけとなるので、それに備えてHDD容量の確保は常に行っておくべきだな。そんな学びが得られる旅になりました。

 

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