こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

悪魔もすっかり新世代 Netflixで見た新作「悪魔くん」

悪魔くん」は、2023年11月にNetflixにて配信された全12話のアニメ。

 

 今期のネトフリ枠は元気だ!楽しいのが色々ある。てなわけで良いサービスですね。

 

 にしても最近のネトフリが切るカードの内容の懐かしいこと。同期配信作品にはアトムの番外編の「PLUTO」、PS2ゲームの「鬼武者」、そもそも作中の時代設定が大昔の「陰陽師」などがあった。そして次は「悪魔くん」。

 

 悪魔くんといえばジイさんの時代かそれよりも前の読み物。全然その世代の人間ではないが、私にとっても大変懐かしい。親が水木しげる全集を持っていたので、チビの頃には親の留守中に部屋に潜り込んで読み漁ったものだ。悪魔くんとセットで墓場鬼太郎、縄文少年ヨギ、河童の三平なども楽しんでいた。水木漫画は良いぞ!

 読んでいた時がチビ過ぎたのでかなり内容を忘れているが、あれは子供の読み物にしては結構怖かったような。

 

 悪魔くん最大のトラウマといえば不気味なヤモリビト関連のお話。

 くら~い穴の中に落っこちたら死ぬほど大量のヤモリがいて、それが体にまとわりつくことでタダの人間が醜悪な姿に変身完了してしまう。そのシーンがとにかく怖くてキモかった。

 水木先生の絵が大変上手いものだから、ヤモリが無駄にリアルかつ不気味に描かれていてブルったものだ。以降、ヤモリを見るとキショくてしょうがない。このヤモリビトの怖い思い出をシェア出来る人間はたくさんいるはず。

 

 悪魔くんにはバージョン違いがあり、古いのと新しいので主人公の名前が異なっていた。その都合もあって更に記憶があっちこっちに行って整理がつきにくい。ていうか昔過ぎて普通に忘れている。

 それと親が白黒実写の特撮ドラマの悪魔くんも見せてくれた。あれのエロイムエッサイムの呪文が歌詞になっている歌はよく覚えている。

 エロイムエッサイムの呪文とソロモンの笛の要素だけはしっかり覚えている。ソロモンの笛とキカイダーのギルの笛は、オタク的笛ネタとして学校の笛を使った遊びに役立てていた。学校でソロモンの笛とか言っても同級生は皆ワンピースとNARUTOしか見てないから誰もノッてこなかったなぁ~。昔の漫画やアニメばかり与えられていたから同級生とオタク的話題のシェアが出来ないってのが私あるある。まぁたくさんシェアしたい用事もなかったけど。

 

 そんな懐かしいメモリーを引っ張り出したところで令和の新作「悪魔くん」を見てみた。

 

 

 昔のやつをリメイクしたのでなく、続きのニューストーリーになっていた。このようにお話が続いていたのか。

 1989年にアニメ化したものの続きになっているという。その時代のは見ていないなぁ。時間があれば時を巻き戻ってそっちも見たい。

 

 その続きなので悪魔くんメフィストも次代の者が登場している。悪魔くんって襲名制なんだ。息子の悪魔くんもやっぱり悪魔くんだった。まぁ天使くんに改名するわけもないしな。

 メフィスト3世がめっちゃ普通のガキって感じ。かわいいチビで愛嬌がある。メフィスト2世が人間界に家庭を持って哀愁漂う良いパパ感を出している。

 

 私が覚えている漫画の悪魔くんの世界とえらく違って平和だし超日本じゃないか。漫画だとどこか分からん不気味世界に行ってなかったっけ?

 

 千年王国という聞き覚えマックスのワードを用いた「千年王国研究所」なる探偵事務所みたいな所に息子の悪魔くんメフィスト3世が詰めている。そこに困った人々が事件解決の依頼を持ち込んでくる。この流れが定番。

 これも同期のネトフリ作品「陰陽師」みたく、メインキャラコンビで怪奇事件の解決に出るものだった。ここにもホームズとワトソン感を見るとは。結構好きな要素。

 

 こんな感じの物語運びの新悪魔くんなのか。悪魔くんはめちゃ理屈屋で、賢いんだけどオタクには敬遠されそう。超然とした変人の悪魔くんを凡人テンションで行けるメフィスト3世がいい具合に手綱を取ってテコボココンビで事件解決だ!のノリ。

 

 化け物悪魔が絡む事件だが、普通にリアルオンリーの探偵術も使ってコナンみたいなノリで見れる部分もあり。こういうノリの作風結構好きです。

 

 悪魔くん親子の関係性を見ると微妙に不和が生じているような。息子の悪魔くんが普通の家庭って何?と問うのは深いシーン。悪魔だって家族関係には困難することもあると分かる。悪魔くんでこのようなファミリー問題要素にも突っ込んでいくとは意外。

 

 事件を調べる上で人間の複雑怪奇な心理状況も見えて来る。悪魔は悪魔で怖いが、人の持つ負の感情にも怖さがあるという人間ドラマもちょっとの見所。悪魔も人間も生きてるなら色々あるってものよ。

 

 初期の頃には友情に乾いた冷たい男に見えた悪魔くんも、後半で相棒のメフィストがピンチになった時には協力関係になり友情を胸に宿すようになる。そこの心の変化も良かったっす。悪魔くんでも人の世に生きるのだから人の暖かさを知った方が良いってものよ。

 

 息子の悪魔くんはホットケーキが大好き。1話目から美味そうな作画のホットケーキをガツガツ食っているのが超美味そうでこっちも食いたくなる。暇な時に作って食おう。

 

 1話目のゲストキャラの可愛い子ちゃんは藤井ゆきよが演じ、メフィスト親子それぞれは古川登志夫が演じている。ここらを見れば最新の鬼太郎アニメ関係者だと気づく。

 古川登志夫は89年版からもメフィストを演じていたという。ねずみ男も演じたことから、水木アニメの主人公の相棒ポジはこの人なんだな。

 

 悪魔くんメフィストは水木漫画風タッチだが、他のヒロインキャラは萌えな感じで可愛い。

 なんかエロい感じの悪魔グレモリーは目の保養になるヒロインポジだった。演じたファイルーズあいは最近色んな所で見るな。良い事です。

 悪魔くんの事務所に家賃取り立てに来るちびっ子のみおちゃんもキュートで良かった。

 

 転売ヤーの死亡事件を扱った回がある。今流行りのジョブであり、忌み嫌われる立場でもある転売ヤーの生活事情が見える点がやけにリアルだった。こういう人間もいるところにはいるんだなぁ。悪魔くん転売ヤーネタとか時代だなぁ~。

 

 最終回終盤でグレモリーが約束通り悪魔くんの心臓を持って行ってしまうが、あれはどうなったんだ?気になる落ちだった。

 1話が20分くらいでやや短め。見やすくて内容も面白かった。なので2期もあれば見たい。

 

 エンディングで懐かしのキャラが出てきて楽しく小話をするのもお楽しみ要素。こうもり猫を演じる難波圭一の声を久しぶりに聞いた。良い声してんだよな。

 アニメ「タッチ」では、たっちゃん役の三ツ矢雄二、南ちゃん役の日高のり子ばかりがメディアで取り上げられがちだが、途中退場したかっちゃん役の難波圭一もすごい人なんです。この機会に言っておきたかった。

 

 今度は鬼太郎の方も新作をやるというし、今は水木作品が時代的にキテいるようだ。

 古い古いとは言っても夢と怪奇とユーモアがあるってことで、令和に見ても水木作品は面白い。ていうかそこと比べて今日にも生まれている新作が情けない出来のような~。という思い出補正を混ぜつつの懐古主義的悪口もそこそこに話を切り上げよう。

 いつの時代の人間もあの頃は良かったと昔を美化して今をクソミソに言うってのはそれこそいつの時代でも同じことなんだなコレが。

 

 というけで令和でも「悪魔くん」はイケる。

 エロイムエッサイムまわれ地獄の魔法陣!       

                        おわり

 

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