こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

最強亀怪獣 日本を震撼させる「大怪獣ガメラ」

「大怪獣ガメラ」は、1965年に公開された特撮映画。

 

大怪獣ガメラ [Blu-ray]

 

 おぉ!ガメラだ!ここへ来てガメラかぁ。

 なんで今かというと、先日You Tube内サーフィン(←最近の日課)をしていたら出てきたから。違法アップでなく公式の方で期間限定のフル動画を上げている。これは嬉しい!そして見るっきゃ無い。

 

 最近You Tubeで色んなものがフルでアップされていると知ってテンションが上がる。

 いつからこんなに景気良くなったの?You Tubeはプラットフォームとして優秀だな。無料でめちゃ楽しめるじゃん。

 

 今はクールの変わり目でアニメ放送もお休み期間だから、ゆっくりと映画サイズの特撮も見れたぜ。暇が増えた時にはYou Tube動画に助けられる。

 ガメラといえば夏にはネトフリでアニメ版もやっていたから、その次にこうして初代を振り返るのもなかなか味わい深い楽しみがあって良い。

 

 しかし懐かしい。ていうか古いなぁ~。誰も生まれていない時代じゃないか~(←謎感想)。

 60年代真ん中の作品だったのか。当時の日本がどんなだかまるで知らないので、これを見て初めてこんなのって分かる。

 これに出ていた盛り上げ役兼お邪魔虫のトシオ少年だって今生きているならジイさんだよな。昭和の世界に思い馳せるものがある。

 

 この映画を見たのはだいたい10年前。DVDで一回見たっきりだ。

 覚えている事といえば、ガメラの体の中は火力発電的厄介な作りになっていること、エスキモーというワードとそういう人達がいることを初めて知った場だったこと。それくらい。勉強になっているね。

 

 印象的だったエスキモーの皆さんとは即再会出来る。いきなり彼らの集落のシーンから始まる。寒そうだなぁ~。 

 主役のガメラもスタートからだいたい5分経過した段階で、深い氷を割ってドカンと出てくる。

 怪獣登場と合わせてタイトルロゴがドン!の定番演出。このコテコテ感にグツグツと特撮熱が湧くじゃないか。

 

 この時代ならカラーも行けたはずだけど白黒映画だった。ガメラも白黒時代からのスターなのか。でもゴジラよりは10年くらい後輩なんだな。この時にはモスララドン、バランあたりもデビューしていたのかな。だったらガメラも怪獣界ではそんなに長男ポジではないのか。

 

 初代ガメラのビジュを見た感想は、思ったよりも可愛い。もちろん怪獣らしく格好良さも全面に出ているのだが、どこか愛嬌もあって親近感が湧く。

 保育園や学校の水槽にもいたのが亀さんだからな。人間と距離が近い生物の怪物化というのが、親近感の働くヒット要素だったのかな。

 思えば亀って犬や猫と違ってそこらにい動物の中では一番怪獣感が強いかも。亀を主役キャラに選んだこと、そして甲羅に入ったら飛べるという設定を発見したのはナイスアイデア過ぎる。

 

 古くてチープといえばそうだが、さすがに当時出来ることをなるたけやり込んだ熱のある作りになっている。

 ツッコミどころや笑っちゃうポイント(←トシオちゃん無双)もあるけど、映画として普通に面白いぞ。なんか思ったよりもワクワク度が高く、退屈なく見れた。合格の満足感です。

 

 話は割りとシンプルで、デカい亀の怪物 VS 人間でやり合う。要点をまとめて言えばそれで終わりの話だ。

 

 初代ガメラに他の怪獣の登場はなく、とにかくガメラと人間の戦いをずっと描く。

 見て分かる通りあのサイズだから物理的に人間が敵うわけがない。じゃあ後は科学の武器で倒そうとするのだが、ガメラはものすごい丈夫。

 

 知識人の研究データから、例え核爆弾を使ってもガメラは倒せないと分かる。マジか。

 ガメラは清々しくチート性能持ちで、この世のどんな化学兵器をぶちこんでも養分として吸収してしまう。じゃあダメじゃん。

 物理、科学共にガメラには通用しないという絶望の結果が出てくる。ヤバいって。

 

 炎を飲み込むし、石油などの燃料も餌にしてしまうガメラは、スペックからして化け物だ。ちょっと愛らしい感じを出してここまで恐ろしい性能だったのか。

 

 圧倒的脅威に対して怯まず何とかしようと頑張る人間達の攻撃ターンが面白い。むしろそっちが面白い。人間も主役だ。

 学校の授業みたいに理屈を説いてガメラ対抗作戦を練っているシーンに注目だ。

 ピンチに直面しても尚、お偉いさん達が賢明にして冷静。最終的にはアメリカ、ロシアとも手を取り、地球中の脳を総動員して何とかする。こういう時には武力も大事だけど武を成すインテリジェンスも必須だからな。

 もしも今の日本にこんな超常現象の怪物が出たなら、お偉いさんはメガネを拭きながら「困った困った」を言って手をこまねく以外やることがないんじゃないかな。まぁ向こうさんも、お偉い席の在任中に亀の化け物が出てくることなんて予想する必要無いと思っているだろうけど。

 

 10分だけ足止め出来る冷凍爆弾の使用、ガメラを一箇所に留めておくために燃料タンクをガンガン送り込むなど、科学を用いた知恵で次々作戦を仕掛ける。

 間抜けといえば間抜けだが、それしか無いのがガメラを餓死させる作戦だった。ここで亀の特性のひっくり返ったら自力で動けないのウィークポイントを突いた坂道で攻撃してひっくり返す作戦が発動する。子供でも分かる理屈で特大サイズの亀にコレを仕掛けるのにファンタジー的面白みを感じた。

 

 科学者先生も得意げに亀はひっくり返ったら自力で起き上がれないと説明しているのに微妙に緊張感が削がれる。ここから餓死を待つ作戦はなんだかリアル。

 そこからガメラが甲羅に入って空を飛んでまた立つという設定が冴えて来る。ひっくり返して動けなくして餓死を待つつもりがまさか立っちゃうから絶望。

 クララやジョーが立ったじゃないからな、立たれたら駄目なヤツが立つから当事者達は絶望とびっくりのダブルパンチでKOだろう。ここの攻防は子供が見ても分かりやすくて面白い。

 

 ガメラマニアのガキのトシオちゃんが面白い。コイツ絶対邪魔なんだけど、その邪魔者ぶりに笑える。

 これは子供映画として売りたいから、子供も現場に出した方が良いというディレクションだったのかな。

 

 貨物列車に燃料タンクを積んでガメラがいる所まで走らす時、ガメラと話したいみたいなことを言って勝手に乗り込んでいるトシオちゃんがマジで危ねえ。助けに入ったおじさんも危ない目に合って気の毒。

 初見から10年経ち私にも視野を広げて現場を見る力が備わったようだ。その都合からトシオちゃんが現場を円滑に動かす邪魔をしていることもよく分かるようになった。ノイズとも言えるのかな。

 コイツ絶対邪魔だろと突っ込みながら見るのが裏のお楽しみ要素だった。マジだったら大人に怒られて殴られて退場させられている。

 

 私と同じくチビの頃から特撮をしっかり勉強してきた父が言うことなのだが、この手の話はだいたい女子供が事態を面倒にする。何か偉く聞こえの悪い文言というか格言だが確かにそうだな。でもトシオちゃん好きだったわ。

 

 良い気づきが「やめてけれ」の歌を歌っていた左卜全がちょい役で出ていること。あのおじいさん、ここに出ていたのか。当時何歳だったのだろう。特撮なら「バンパイア」にも出ていたな。

 

 最終的に人類ではガメラにとどめはさせないから、地球外に送り込もうというマジで最後の手段に出るしかないことになる。

 最後はデカいロケットに押し込んで打ち上げるという結構強引な落ち。そこまでの過程を見ればもうコレしか残っているカードが無いと分かるものの、そこだけ見ると雑とも言える落ちだった。まぁそれも後のシリーズでは結局ガメラが地球に帰ってくるのだけど。

 

 いや~面白かった。思ったよりも時間が短かったが、それでも満足な内容だった。すごく良い映画じゃないか。トシオちゃんの邪魔さ加減も相まって面白かった。ていうか私ってばトシオちゃんにツボりすぎ。

 

 トシオちゃん周りの気になる内容といえば、トシオちゃんの飼っている亀を見た親が「さっさと捨ててこい」と言うところ。

 渋々トシオちゃんは亀を捨てるのだが、昨今だとこれが問題になっている。ていうか、こうなる未来が読めないから自覚がなかっただけで当時から問題のスタートだった。

 TOKIOの「ザ!鉄腕!DASH!!」で言っていたけど、外国産の亀を野に放ったら予想外に繁殖して生態系を荒らす結果が出たとか。トシオちゃんが亀をポイするのも駄目なやつだな。当時はああして捨てるのもあるあるだったみたい。確かにここ最近外国から来たデカい亀を見ることが増えたような。60年代くらいからポイポイ捨てちゃったことで、今の自然界の亀事情が困ったことになったのだな。今後は反省しよう。

 こうして現代になって見ればそういう気づきもあり。亀は捨てないようにしよう。でも捨てないなら自宅で食うなり焼くなりして命の処分になるのか。捨てないで処分するのも大変で覚悟が要りそう。

 

 というわけで令和に見る昭和の亀映画も悪くない。ていうか良いぞ!

 

 

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