こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

勝利のイマジネレーション「烈車戦隊トッキュウジャー」

「烈車戦隊トッキュウジャー」は、2014年2月から2015年2月まで放送された全47話の特撮テレビドラマ。

 

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 キングオージャーの放送が終わったくらいにYouTubeで配信が始まったトッキュウジャーも8月に入ってちょいの段階で最終回配信を迎えた。

 本当に特急で終わった感じだわ。東映特撮YouTubeの1年ものを半年で配信するスタイルに付き合っていくと、改めて半年なんてちょっとの期間だなと思えてくる。1年も半年も段々と特急に感じてくるようになるから寂しいわぁ。これが人生の高速化か。

 

 で、トッキュウジャーがとても楽しかったのでなんか感想とかを書き殴って行きたい。

 

 列車と駅がテーマの戦隊なので、思わず「仮面ライダー電王」を思い出す。子供はだいたい鉄道が好きだからってことで、とても良いテーマだと言える。

 ライトくんが美味そうに駅弁を食うシーンは羨ましいと思った。駅弁なんてほぼ食ったことがないからな。

 

 毎度OPでチケットくんの「7時半発~」のナレーションが聞こえるのも列車仕様で良い。この頃には戦隊シリーズもまだ朝の早い時間帯にやっていたのだなと思い出す。今は放送時間が遅すぎるんだよな。前の時間でも良かったのだが~というやや文句ぽい感想も出てくる。

 OPで皆が線路を走っているシーンでは、ちゃんとホントはダメな事だと注意書きがあるのはマナーが良い演出でした。

 

 列車がモチーフだからこそのバトル展開に乗り換え変身というのがある。これは面白い。トッキュウジャーがそれぞれのメンバーカラーを入れ替えて変身出来て、誰でもどんな色になれる。

 乗り換え変身の設定には、未来は何色にも染めることが出来るという可能性を示す目的があったのかも。最終回では全員の色を混ぜた虹色の戦士にもなれた。

 

 もう一つの強いテーマがイマジネーションの力であり、そこも本作の良さになっていた。「勝利のイマジネーション」が戦闘時の定番セリフだったのも印象的。

 イマジネーションの力は子供の感性を育てるのに大事。改めてそれも分かってくる。私もイマジネーションだらけの幼少期を送っていたものだ。

 レインボーラインを走る列車は想像力豊かな子供にしか見えない。この設定は子共の時にしか見えないトトロ的でなんとも素敵じゃないか。

 

 物語性としても楽しめた。物語冒頭からもぶっ込まれる謎も印象的。トッキュウジャーの皆はなぜか過去の記憶がないと分かる。誰もが「何で?」と思うそこが徐々に解明される物語運びも面白かった。

 記憶の多くが抜け落ちてもトッキュウジャーの5人が幼馴染ということは最初から分かっている。この「あな花」感も出して行く幼馴染の友情物語も良い。いないからこそ思うのだろうけど、昔から幼馴染っていいなぁ~とずっと思っちゃう。

 

 トッキュウジャーメンバーの中の人に、現在ではすっかり有名人の志尊淳、横浜流星がいるのも印象的ポイント。この時には新人でも後にヒットしたんですねぇ。だいたい10年前の作品だから、今見てこそ思えることもある。

 志尊淳演じるライトくんが男子にしては可愛すぎる見た目なのもインパクト大な要素。珍しい顔だよな。これはちびっ子と一緒に見ていたお母さんに人気が出たかも。

 

 トッキュウジャー各員のキャラ、幼馴染ならではの各員の親しい関係性も良かった。

 中でもトカッチが推しかな。トカッチは可愛いヤツで良い。ちょっと冴えないけど周囲を見て真心から動ける彼のような良いヤツって好感度が高い。

 小心者のトカッチがクールなヒカリくんに対して微妙に気を遣っているあの関係性って割とリアルかも。いつも一緒にいるくせして、性格的な違いから根っこではちょっとの距離がある。でも仲良しさん。そんな2人ってクラスに1組くらいはいるよね。

 

 皆のお世話焼きさんのミオも良い子だよね。ちょっと悪いとは思うけど、同時期に配信していたゴセイジャーのモネと被って見えて、どっちがどっちだか混乱することが結構あった。どちらも気が強い黄色戦士枠だったし。

 カグラの自分は何でも出来ると信じて自己暗示をかけるアレも良いことだと思う。カグラの自己暗示にも強いイマジネーションパワーの要素が見えて良し。

 

 列車に乗る愉快な仲間の車掌、チケットくん、ワゴンちゃんもユーモアたっぷりなメンツで好きだった。ワゴンちゃんの声が堀江由衣なのは助かる。

 

 声優も豪華で敵陣のメンバーからも素敵な声がした。

 敵サイドのお姫様のグリッタちゃんが可愛い。声が日高のり子なのも印象的。大昔の「バトルフィーバーJ」には顔出しで参戦していた彼女が、そこからかなり経過したシリーズに声優として帰って来るのはなんか熱い。

 

 戦隊側にはもちろんだが、本作は敵サイドにも強い物語性を持たせたのが見所。

 敵サイドから抜けてこちらにつく6人目の戦士 虹野明くんなんてとても良いキャラと物語性を持っている。彼が顔でも動きでも良い芝居をしていて好きになった。愛嬌がある変なお兄さんだったなぁ。

 いつも死に場所を求めて線路の上を行く哀戦士だったのに、最終回では生きる場を見出してナイスファイトを見せてくれた。最終回の明くん、カッケェーす!

 登場してしばらくはネタキャラ感が強かった明が最終的にはかなり推せるキャラになって良かった。

 

 皇帝のゼット、プリンセスのグリッタらを巡る闇の物語にも見所がある。ノア夫人の暗躍やシュバルツも独自に動いたりするから、各員の動きに注目出来る。

 最も深い闇に達した皇帝でありながら遠くにあるキラキラを求めるゼットの心には、何とも言えない深い心理を感じる。闇の底から見る光は一層眩しく魅力的に見えるのかもしれない。

 闇のプリンセスでありながらも強いキラキラを持つグリッタのキャラ設定も魅力的。なんだかんだあってもグリッタが闇に飲まれて消失しなかったのは、キラキラの底力だったと分かる。

 こういうのを見ていると、どこの立場にあっても命あるものは光を欲する心を持っているし、心によって人は光にも闇にもなれるなんてことも思えてくる。

 闇の住人達に光るキャラ性を持たせた作りはナイスでした。

 

 最終回は感動したぜ。

 トッキュウジャーが大きいお兄さん、お姉さんの割に全然記憶を有していないのは、正体が幼い子供だったからと判明する。コレ、初手では読めないものでした。

 イマジネーションの力で大人の自分を獲得し、最後は子供らしく喜んで家族のもとに帰って行く。体も魂も子供の世界に帰って行くラスト展開にほっこり&ウルっと来た。

 最終回で各員の子供と大人の姿がコラボする所も泣ける。

 5人は子供の世界に帰って行くけど、明くんは大人だからそのまま旅立って行くんだよな。彼だけ境遇が違う点を思えば、最終回の別れのシーンがまた切なくなる。

 楽しかったけど、切なさも感じる良き最終回だった。

 

 やっぱりイマジネーションってかけがえのない財産なんだよな。幼い頃から、なんなら生まれてすぐにも鍛えていく心の力だから、どの人間にとっても親しみがある要素のはず。それをテーマにしたのは清い。

 純粋さ、それに付随する心の清潔感が得られる綺麗な作品だった。現代日本人に足りないとされる(←多分そんな気がする)イマジネーションの大切さについて改めて考えることが出来た。とても良い作品です。

 

 ありがとうトッキュウジャー。10周年おめでとう。

 線路の上は走ってはダメだけど人生は元気に走りまくって良し。今日も私はイマジネーションと共に爆走します。

 

 

 

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