「着信アリ」は、2003年11月3日に公開されたホラー映画。
先日YouTubeで無料公開されているのをしっかり見てきた。こういうのが無料で見れるなんてありがたい時代になったものだ。
ふとしたタイミングでおすすめに出てくるから嬉しいよね。最近こんな感じで懐かしの作品の無料配信に偶然辿り着くことが多くて嬉しい。でもそれが連続すると私生活の時間が全部持っていかれて困るという都合もあったりなかったり。ああなればこう言っての繰り返しで、ホント人間って贅沢な生き物っすよね。そこはそこでまた別口のホラーかも。
しかし本作との再会、懐かしいぞ。実は以前見たことあります。結構有名な映画なはず。あとなんかコレっぽい感じのwiiのゲームソフトがあったよね。
見たのも結構前なので、最初の友達がフェンスから落ちて死ぬところ、除霊番組で体がバキバキになって友達が死ぬところ、最後の堤真一が飴を食べているところくらいしか覚えていなかった。以上3シーンは、過去の私として印象的だったらしい。それが我が脳の真実。
ホラーシーンばかりを記憶していて、呪いの電話の原因を辿る事件の事とかマジで覚えていなかった。あんな虐待事件の要素とかあったんだ。久しぶりの再視聴で色々と新鮮。
意味なくおばけが出てくるだけのスカスカホラーではなく、ミステリーとしての筋書きもあるんだな。出来の良いホラーはミステリーの方もちゃんとしているのか。
こないだ見た「仄暗い水の底から」も幽霊の事は置いといても本編の事件に引き込まれるものがあったし。
これはホラー作品として、エンタメとして面白かったです。このクソ暑い夏にはもって来いなジャパニーズホラーとしてオススメしておこう。
じゃあ感想とかを書いて行こう!
内容
花も恥じらうピチピチの女子大生 中村由美の青春は恐怖で埋め尽くされることになる。
ある日、彼女の友人の携帯電話に謎の電話がかかってくる。その電話は不思議なことに自分の電話番号からかかってきたものだった。発信者は自分で「?」となるしかない。
そしてその電話が留守電メッセージに残したのは、どうやら携帯電話所有者の声。言った覚えのない自分のメッセージが録音されたその通話履歴を見れば、着信日が未来の日付になっている。
やがて着信が入った日のその時刻になると携帯電話の持ち主は死んでしまう。
その呪いの電話の恐怖は、友人から友人へと広がって行く。一人また一人と友人が呪い殺され、遂には由美の元にも恐怖の着信が入った。
由美は事件の謎を追う男 山下弘と協力し、自身の死を回避すべく事件の真相を探るのだった。
感想
まずは始まっていきなりのOPでの気づき。
役者名を出すクレジットの表記方法がなんか特殊でおしゃれ。
そしてそこには原作者 秋元康という意外なお名前があった。秋元先生といえば「あずきちゃん」の原作に名前があった時にも意外と思ったが、ホラー企画にも関わっていたとはこれも意外。この時にはまだAKBも乃木坂もないからな。平成時代にヒットした大所帯アイドルプロデュースの前には、こんなおどろおどろしい企画を考えていたのか。多彩な人だな。
本作の重要なキーアイテムは携帯電話。しかも時代柄その携帯はオールドなガラケー。ガラケーが主役の映画でもある。
怪奇事件のキーアイテムになったり特撮ヒーローの変身アイテムになったりなど、ガラケーもこのくらいの時代にはバリバリ市民権を得て一世風靡も果たしていたわけか。
YouTubeのコメントには「ガラケーとか懐かしい~」みたいな内容が結構見られるが、私は未だガラケーでスマホ未経験者です。ここまで来ると最終派閥として限界までガラケー派に属したい。
この恐怖の着信はチート作用がすごくて、かかってこないよう対策をしても全部すり抜けてくる。
自分の電話番号を着信拒否にする、電源を落とすなどしてもどうせかかってくることになる。購入先のauに出向いて解約して本体を処分しても謎の力で本人の元に帰ってくるし、電話を廃棄しても傍にいる他人の電話に代わりにかかって来るなど、とにかく一度狙ったターゲットは逃さない。鋼の執着心で呪っているから怖い。
一人殺ったら次はその人の友だち登録からテキトーに選んでTELしてくるらしい。なので電話帳のデータを消すなどの対策を学生同士で行うこともしていた。これは社会現象になりそうな怖さ。
あとは着メロも呪いの力で強制設定してくる。呪いの着信時に聞こえる物悲しい感じのメロディも印象的。
これら恐怖のチート作用の設定はちょっと面白い。
ホラーで携帯電話をキーアイテムにしたのは面白い。
当時の現代人の必需品だったガラケーが恐怖のトリガーになるのはグッドアイデアだったな。ごく身近にあるアイテムに感じる恐怖というのがリアルなキショさを出して良いじゃないか。
その昔には「学校の怪談」や「ぬ~べ~」でも取り上げられたメリーさんの電話の怪なんてのがあったが、あれのもっと新しい版をやったみたいな発想かな。電話で近々訪れる恐怖を予告する点では共通している。
メインの登場人物を演じる柴咲コウ、堤真一がそれぞれ良い顔をしているな。
柴咲コウの女子大生の演技とか時代だわ~。古い作品だけあって当然出てくる人間は今より若い若い。柴咲コウも堤真一も性別は違えど共にイケメンだった。格好良いっす。
ホラーだったらだいたいそうなのだろうけど、全体的に暗い画面で演出として終始不穏な感じが目立つ。
最初の学生の飲み会のシーンからなんかどんよりだな。結構早い段階でギアを上げて怪奇現象に入って行くため、初っ端から引き込まれるものがあった。
最初のシーンで由美にはのぞき穴恐怖症という変わった症状があることが明示されている。あの要素が後の話にそう繋がっていくのか~とビックリだった。
虐待もちょっとしたテーマになっていて、由美の家庭、水沼の家庭にその要素が見られた。
由美が持つのぞき穴のトラウマがキツ過ぎた。おばあちゃんが首を吊っているのを敢えて見せつけようとする由美の母親が悪すぎる。恐怖の着信の事抜きなら普通に楽しく学生をしている設定なのかと思いきや、それが無くとも既に恐怖トラウマ体験持ちだったのか。
事件の真相に繋がる犯人心理に「代理ミュンヒハウゼン症候群」というその道専門のワードが出てくるのも印象的。これは攻撃と癒やし、それぞれの言動を交互に発動するヤンデレにも通ずるものがある症状だった。よくアニメやゲームで見るヤンデレをもっと磨き上げてヤバくしたやつだった。
このヤン(病ん)な心理の内容は、まず対象となる者を攻撃して傷つける。次に自分で作った相手の傷を看病して癒やして「私、良い人してるぅ~」を己で感じて人々にも見せつけたくなる。これら一連の歪んだ心理行動を普通にやっちゃうのが代理ミュンヒハウゼン症候群の怖いところなのである。普通に怖い心理だな。
虐待、庇護のどちらかに偏るのでなく、交互に来る定まりの悪さがある点にサイコパスめいたものを感じる。心理的アメとムチの言動なのだろう。飴といえば、電話の呪いで殺された者の口には飴玉が残っているという共通要素も気味が悪い。
この代理ミュンヒハウゼン症候群は水沼家母の特性だと終盤まで見せかけておいて、実はその長女の美々子がそれを患っていたと分かるトリックの解放パートには意外性があった。
ここの要素はミスリードというのだろうか。水沼母が全ての元凶だと信じて主人公達が動くものだから、見ているこちらとしても母がボスでそれを討ったならハッピーエンドだと思っちゃうじゃんかよ。
母の幽霊を廃病院でかわして主人公達は助かって事件も解決で終わりと思ったら最後でどんでん返しだったな。美々子の幽霊が由美を襲って憑依し、山下をナイフで刺してくる。救いがない展開になって来た。
ラストシーンで美々子に体を乗っ取られた由美が満面の笑みを見せて終劇。これまで恐怖の演技ばかりだった柴咲コウが最後に笑顔を見せたので視覚的には爽やかエンドな感じだが、恐怖は残っていて事件は未解決だから、これは画面の色合い的に明るく見せただけのバッドエンド。
なかなか味のある落とし方でそれまでの内容も面白かった。「着信あり」、令和時代に久しぶりに見てもイケるじゃないか。
結構な引き込む力で魅せるシナリオも良い。終盤は意外性もあって退屈しなかった。
肝心な怪奇現象が起きるホラーシーンも印象深い。中盤のなんとも安っぽい感じの除霊番組のターンは昔見た時からもよく記憶していた。こういうホラーな事件は、世間様に知られない闇の事件として描かれそうなものだが、本作では作中番組で大体的に取り上げ、しかも除霊は派手に失敗してターゲットもテレビ収録の中でしっかり殺される。これは衝撃展開だな。
除霊番組に出た由美の友達が体の骨をバキバキに折られて最後は首チョンパになるのはショッキングなものだった。これもしっかり覚えていた。なかなか派手に殺してくれるよな。
最初の被害者が出た段階からもっと本格的な捜査をしなかった警察の落ち度で事件がここまで拡大化したと山下さんが怒っているシーンがある。まぁそれも分かるけど、警察が本気で来たところでコレは駄目だろ。美々子の怨念にはそこらのおまわりさんじゃ話にならん。除霊師の天道白水先生でもワンパンでのされたし。
あと除霊番組に出た天道白水先生には笑った。多分インチキな除霊師なんだと思う。天道白水はギャグ要員だから。
一番心臓に来るターンは、後半の廃病院に突っ込んで行くところ。由美ちゃんも単身でよくあんなヤバさ満点の所に突っ込んでいくよな。
あそこのシーンでは幽霊がサービス多めに姿を見せてくれる。ドアを開けてホルマリン漬けのビンを「どうぞ」してくれるところは怪奇現象なのにちょっと笑えた。
ガラケーにおまえのいのちはあと〇〇秒と打ち込んで死のカウントダウンを始めるのもちょっと面白い。ガラケーのマイルドな字面で見るとマジの恐怖現象なのにも関わらずちょっと間抜けに見えた。
中盤で水沼家のアパート部屋を調査した時、娘が紙に描いた落書きが発見される。そこに描かれているのがどうやら「カードキャプターさくら」の主人公 さくらとケロちゃんで確定ぽいのにちょっと和んだ。
柴咲コウが使用している携帯電話がJ-PHONE製なのも印象的。現ソフトバンクのことね。うちの親はJ-PHONE時代の機種を使用していたという。古い時代のことっすね。
というわけで、20年くらい前の懐かしジャパンホラーもイケます。恐怖の着信の対策としては、電話帳に友達登録しないことかな。友達がいない人の所にはかかってこないだろうから。
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