こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

2つのライダー世界の始まりと終わりをお届け「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」

仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」は、2009年12月12日に公開された特撮映画。

 タイトルに2010と銘打っているが、気持ち的には少し焦った2009年後半に初出しとなりました。

 

仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦 2010 [Blu-ray]

 

 現在、東映特撮YouTubeチャンネルにて「仮面ライダーW」が好評配信中。配信のきっかけは、今度スカルのアニメ映画が公開されるから。

 そのスカル繋がりで、この度スカルが主役ともいえるオリジナルの方の映画もドドンと配信された。なので配信されたこの映画もさっそく見てきました~。

 これは見たことがなかった。約15年も前の映画なのか。ここで初視聴です。

 

 スカルがメインになるが(個人的な撮れ高への価値観)、抱き合わせでディケイドの最終章も描かれる。

 これの面白い仕組みが、先にディケイドの映画、次にWの映画、そして最後には2つの映画の落ちが同じ世界線になるというもの。ディケイドもWも途中で終わり、最後にそれぞれの落ちがやって来るのだ。この意外すぎる3部構成は挑戦的試みで面白い。

 そもそもシリーズクロスオーバーが基本設定にあるディケイドだから、同時上映のWともしっかりコラボっていた。

 

 まず本編の感想の前に言っておきたい。私はディケイドについて、常々色んな事を思っている。まぁ色々あるよ、色々あるけども最終的には駄作とは言い切らないものの、はっきりと「問題作」だと思っている。見方としては甘くはなく厳しめです。

 本作が平成ライダーの流れを良くも悪くも変えちまったターニングポイントだったのは、歴史を振り返っても明らかなことだと思う。それが他シリーズとのクロスオーバーの要素だ。これについては、ちょっと通り過ぎただけの者です~では終わらない大きな影響を世界に与えてしまっている。

 これは子供の時分に見れば、単純に色んな作品のライダーが出て視覚的には派手なお祭り企画に見えて楽しいで済むこと。しかし、私のように昭和、平成のシリーズを全部履修済みの者から見れば、なんというか、安易なクロスオーバーはオリジナルを貶めるという意見も出てくるもので。

 実際のところ、ディケイドはディケイド単体で見ても異世界ものっぽく、それでいて高次元のワケワカメな展開が悪く目立ち、クロスオーバーの要素については、過去作品を雑に扱ったり、中にはネタっぽくイジってない?という要素も見えて、オリジナルへ何か良いものとして還元する結果を残せていないような。

 まぁブレイドの映画に出てきた例の兄さんをネタキャラへと昇華した功績は良いんだか悪いんだが判然としないが、ノリとしては好きだったけどね。

 

 オリジナルを知っていると、ここで見るクロスオーバーにちょっと冷めるんすよ。これはディケイドの再来と言われたジオウにも言えること。ジオウもなかなかにパンチが効いた代物だったなぁ~。

 硬派だったシリーズを軟派にしてしまうという、マイナスに働く部分が多き緩和剤になってしまった。

 それでも強化フォームを除いた基本モードのディケイドのデザインは大変美しく格好良い。バーコードをモチーフにデザインした当時だと新進気鋭なデザインとカラーリングには光るものがあった。あとは主人公が携帯しているディケイドカラーのカメラも可愛くて好きだった。

 基本モードのディケイドのフィギュアも買ったし。ただ遺影を飾りまくったようなあの強化フォームはダメだ。撤回の余地を残すことなく待ったなしにダサい。うちのお兄ちゃんも笑っていた。→あとジオウの仏壇みたいなフォームのことも。

 それからディケイドヒロインのナツミカンは美形で格好良かった。久しぶりに見たけどナツミカンはイケメン。男だったとしてもこの顔だと格好良いと思う。

 

 ではそんなテレビシリーズで、ある種の終わる終わる詐欺をして世間的にお叱りを受けたディケイドが遂に終わる完結映画の感想から書いていこう。

 

 ディケイドパートの感想だが、まぁヒッチャカメッチャカだったわというのが正直なところ。

 これがしっかり整ったスマートな物語かといったら全然そんなことはなく、しっかり散らかり放題だな。

 なんか色々すごいんだけど。士くんが時の破壊者になって、まずはスカイライダー、スーパー1、カブトの過去作品のライダーを殺ってしまう。これは各作品をリアタイしていたファンに叱られそう。数年前にBSでライダー特集をしていた時にも、士の中の人の俳優さんが「こんなことしていいの?」と思ったとコメントしていたっけ。

 久しぶりに見たけど士くん、やっぱりキャラが強烈。こういう図太いウザい系のキャラ性って、なろう系とかにもいそう。この当時には今ほどゴミなろうがはびこっていなかったから違和感なく見れたのかな。今見ると結構キツい特殊なキャラしてんなぁ~。

 声も顔もムカつく感じなんだよな。イケメンなんだけど諸々合わせて鼻につく。この微妙に一般受けしなそうなキャラ性にはインパクトがあったが、好感度はあんまりかも。こういうキャラが受けた時代もあったんだろうな。海東くんもあの憎たらしい顔は忘れないみたいな事を本編で言ってたし。だよなぁ。

 

 とにかく全編に渡ってとんでもない。シナリオ展開にインテリジェンスが働いている感じはなく、破茶滅茶をやることで視覚的にお祭り企画として盛り上げることに全振りな感じになっている。お祭り企画としてはまぁ良しって感じで、画面的にはなんかすごいことになっていて迫力はある。

 他作品要素を短い時間にもギュウギュウ詰めにしてきやがった。

 まずは広瀬アリスが変身する電波人間タックルの登場。マジかよ、これは知らんかった。平成にもタックルが復活していたのか。

 マジでいきなりどうした?てなるくらい急に出てきた。ていうか広瀬アリスってもっと最近の人かと思ったら00年代からもデビューしていたのか。元々顔が若いんだな。今と比べてもそこまで年齢の開きを感じないビジュアル。

 タックルと戦ったのは平成に復活した蜂女で、必殺のウルトラサイクロンもぶっ放していた。蜂女ってよくよく見て考えるとちょっとエロスかも。

 

 ここで登場する敵もすごいカオスなことになっていて、死神博士ゾル大佐が登場し、ネオ生命体ドラスとその本体となる例のキショい黄色い水のプールも出てくる。ドラスは怪人モードも本体のプールも、どちらを見ても幼少期のトラウマメイカー。

 クライシス帝国の空飛ぶ要塞も迫力のCGで蘇り、初代仮面ライダーの劇場版といえばの顔 ザンジオーくんもここに復活登場。数あるコラボ候補にザンジオーくんを選ぶのはセンスが良い。

 

 平成ライダーがディケイドの力で武器アイテムというかスタンド能力みたいになるあの要素もそういやあったわと思い出す。歴代ライダーが武器化されるあの新要素はいらんかった。とにかく先代ライダーの扱いが雑。

 ディケイドバージョンの新、またはパチモンの平成ライダーの中の人も友情出演で全部出し。テレビシリーズは全話見たけど、それも古い話なので、今となってはこの人達誰やねん?となる。

仮面ライダーキバ」だけは本物の中の人が登場。キバだけなんでサービス良く顔出ししてくれたんだろう。あとは声の出演でモモタロスもオリジナルだった。モモタロスの戦闘時の掛け声「いくぜいくぜぇ~」は当時から好きだった。

 

 巨大化が使えるライダーの「仮面ライダーJ」も序盤に雑に顔出ししていた。

 キバーラに噛みつかれたことで、まさかのナツミカンの変身もあったぞ。ナツミカンって変身していたのか。これは知らんかった。これだけ色々ネタな要素がある中でナツミカンの変身まであるとは、頭が混乱しちゃうぜ。

 キバーラボイスが沢城みゆきだったのも印象的。こんなに前からライダー声優をやっていたのか。もう古いからこんなコウモリがいたことも覚えてなかったわ。

 

 歴代の要素をいらんだろってくらいバンバン出して結果よく分からんことになっていた。

 これが途中で終わってWのビギンズナイトに移行するから一瞬「は?」ってなったけど、そこの問題は最後に解決する。

 

 Wのビギンズナイト編は良かったっす。

 テレビシリーズ1話目の段階でもちょっと触れたW誕生秘話がここでしっかり分かる。

 ディケイドは広げたすぎた面倒な風呂敷を畳む仕事をして、こちらでは1話目に繋がる新の始まりの物語を描くという対象的な作風となった。

 見所はライダースカルの存在。石ノ森章太郎スカルマンという骸骨モチーフのキャラも手掛けたことがあるから、その要素がずっと後の時代のWで出てくるのは結構熱い。

 おやっさんが生きていた頃のハードボイルドな物語は見所。最初のシーンでハットをピュッと投げて壁のフックに引っ掛けるあのおしゃれダンディ技術がイカす。しかもハット2連続投げだった。吉川晃司もしっかり練習したんだろうな。

 ハットには、男の目元の冷たさと優しさを隠す役目がある。おやっさんが語るハットを被る理由がおしゃれ格好良いぜ。探偵なんてものをやっていれば、それらどちらもが邪魔になることがあるものなぁ。目は口ほどに物を言うってわけね。イカすことを言いやがる。

 おやっさんを演じた吉川晃司がまぁ渋い渋い。その昔には甘いフェイスのアイドルだったのにね。

 とにかくスカルが渋くて格好良い。

 

 こちらの物語の舞台は冬、しかもクリスマス。最初はいつもの皆さんが揃ってパーティーをしようという流れになり、そのシーンは楽しく可愛らしい。

 なだぎ武、なすび、元AKBメンバーら懐かしの人気者達の姿が見えるからやっぱり懐かしい。

 そんなメンツで楽しくパーティーのはずが、急に探偵の仕事の依頼が入り、それが死者が蘇ってああだこうだという厄介なものだった。

 

 この事件を追う中で亜樹子がおやっさんの死を知ってしまう。楽しいクリスマスに父の死を知るなんてキツい。

 おやっさんが死んでしまった事件の真相、翔太郎とフィリップの出会いとWの誕生の謎が分かる内容は良かった。翔太郎がこの事件で罪と悲しみを背負ってしまうのはシリアス。

 Wは体の主導権が翔太郎メイン、フィリップメインの2タイプの変身方法も見せていて、それぞれの楽しみがあった。

 フィリップが翔太郎をWへの道に導く時に言う「悪魔と相乗りする勇気 あるかな?」のセリフは印象的。色んなヤツと相乗りすることがあれど、それが悪魔になるパターンはレアだものなぁ。

 

 フィリップの名付け親はおやっさんだったのかと分かるのも本作の重要要素。おやっさんが愛読するレイモンド・チャンドラー 著の「長いお別れ」に登場する探偵 フィリップから名前をもらっているとここで分かる。おやっさんは愛読する本まで渋かった。

 

 ディケイドが破茶滅茶カオスだったのに比べて、ビギンズナイトの出来が良過ぎたものだから、ディケイドの問題作感を浮き彫りにする組み合わせだったかもしれない。

 

 で、その2作が交わる第3部がスタートするともうバトルがすごい。

 クライシス要塞を落としたり、デカいマンモスの敵と戦ったりと大バトル展開過ぎる。CGがすげぇ。

 ディケイドの世界はなんか分からんけど、とにかく力技で押し込んででも広げた風呂敷を仕舞ってしまいたい勢いだったような。

 

 ディケイド、W、最後に2つが繋がる世界で行く。この3部作構成は興味深いもので結構面白かった。

 ディケイドはやっぱりカオスだけど、こういうのも未来への発展と反省すべき過去としてたまには置いても良いターニングポイントだと前向きに行くしかない。どうやってもアレが平成10年目の記念碑である事実は動かないのだしね。

 Wはハードボイルド且つ万人向けなポップな感じで今見ても非常にノリが良い。今後のテレビシリーズの配信も楽しく見よう。

 なんか諸々すごい映画だった。夏休み明けに見るにはちょいとした良い刺激になりましたとさ。人生の通りすがりに楽しむには良いんじゃないかなと呼べる2010年のすごい大戦でした。

 

 

スポンサードリンク