こしのり漫遊記

どうも 漫遊の民 こしのりです。

20周年だよ ちびっこ先生「ぱにぽにだっしゅ!」再視聴

ぱにぽにだっしゅ!」は、2005年7月から12月まで放送された全26話のテレビアニメ。

 

 こちら今年で放送20周年となります。まずはおめでとう。

 そのめでたいタイミングを記念し先日YouTubeにて期間限定で全話無料公開となりました。じゃあ見るかな~ということでぱにぽにしながら見てきました。

 ちなみに当初はもうちょっと配信期間が短く設定されていたのだが、好評だったのか途中から配信期間延長となっていました。そうなるとは予想しないものだがら、私は随分急いで見ることになっちまった。延長するなら先に言ってよね。それならもっとゆっくり見れたのに。まぁどちらにせよタダで楽しんでいるのだから文句を言う方がどうかしているとは思うけどね。人ってホント強欲で勝手なことを言いがちな困った生き物よね。という悟りも捗るきっかけとなりました。

 

 こちらは数年前にBDで全部見たことがあるのだが、なにせ内容があってないような感じのものだから結構覚えていない。

 間違いなくノリとして、作りとして、総合的にアニメとして良い作りのもので好きな内容なのだけど、次の回を見る頃には前回の内容が飛んでいるような感じ。そんなこんな頭を空っぽにして楽しめる学園舞台の日常系としては極上の出来なのである。これは全部褒めている内容の言葉です。

 頭を空っぽにして見れる点では量産型なろう系クソアニメと同じだが、作り手の熱と全体のクオリティはダンチだから。同じ量産型でもジムやネモのように、安く作っていてはいてもそれはそれでマニア感が出た愛のある作りが良いよね。という他のアニメを評する時にもガンダム脳が出しゃばってくる私の都合がある。

 作品によってはその感じやすさにすごい差が出る「人間がちゃんと作っている感」がたっぷりある仕上がりになっているのがぱにぽにの良さ。そこが良いんだよな。どういう内容であろうが、呼吸がある「人間」を感じられる作品が好きなんです。時代がAI制作メインになったらそれがなくなるぞ。

 

ぱにぽにだっしゅ!

 

 作品内容は、天才過ぎで飛び級しまくりな幼女 ベッキーことレベッカ宮本が、自分よりも年上に当たる生徒を相手に桃月学園の教壇に立つというもの。人生早送り過ぎてヤバい。

 こうして基本設定を明らかにすれば、ちびっこ先生による学園教師ものと捉えることが出来るものだが、別にそういうジャンルに固定のものでもない。というか話数が進む程に基本設定の先生もの、学園ものの要素が怪しく思えて来る。果てには舞台が学校である必要性などを含めた各種要素がどうでもよくなってくる。そのくらい無茶苦茶やっている。そんな中でもベッキーは可愛い!の事実は貫徹で行きます。

 

 改めて見てすごいカオスなギャグものに仕上がってんなぁ。マジでわけ分かんねぇアニメだ。とりあえず姫子ちゃんが良く言う「マホ」を流行らせたかったのは分かる。

 前後一貫性のないその場のノリで始めたような話が連続するばかり。マジでどうでも良い話ばかりだが、熱を感じる作りなものだからこちらも熱意を持って愛せる。たまのSP要素で時代劇風になるのは好きだった。時代劇にときめく人だからね。

 テキトーノリだが、アニメの作りとしては並々ならぬ情熱的なものを感じる。ビギナーが見ても一発で気づくだろう毎週の「黒板ネタ」がまさにそう。その他数多のオタク向けパロディも心地よい。作り手が放つ小ネタ要素の手数が多い。作りはとても細かく愛があると感じる。

 魔法少女ベホイミ魔法少女を引退する話だけはちょっと良い話だった。あれが一番後味さっぱりなお話だったかも。

 デフォルメしすぎてゆるキャラ感がすごい動物キャラも面白い。メソウサメソウサに絡みがちななんかキモいネコ、オリジナル要素を削り落としすぎて言われるまでなんだか分からないオオサンショウウオなど、動物キャラのデザインがユニーク。

 全話を通してベッキー達の学校生活を宇宙から覗いていた謎の宇宙人の物語もネタ感満載で良し。ベッキー達を遠くから見ている宇宙人達の活動をもっと視点を引いた所から我々が見ているという構図がなんか不思議。

 本編で複数回擦られていたパロネタの「アサ~」を言うムジ鳥の仮装も印象的。うちの親があの鳥がプリントされたTシャツを寝巻きにしていたんだよな。今回視聴した時に「そういやあの鳥ってなんて名前だっけ?」と思って調べたところムジ鳥だと判明。姿は以前からも知っていたけど名前とかあったんだ。あの鳥は好きだね。

 制作サイドにかなりのアニメ、特撮好きがいると見える。そっち系のパロが多い。特撮パロは嬉しい。それらは当時としても古いネタが固まっていて良し。

 

 制作を担当した「シャフト」の良い味がたっぷり出たクセのあるアニメーションもオタク受けを狙ったご機嫌な作りだな。原作内容どうこうは別にして、アニメ会社独自の味付けによってアニメの印象が決まるものだなと思える。シャフトのクセつよ演出は面白い。これぞオタクアニメって感じのノリが心地良いものだった。

 こうして見返すと、キャラクターをもっと萌えな感じにした「絶望先生」みたい。ぱにぽにの経験が活きたことで、絶望先生もアニメーションとして面白い味付けが叶ったのだな。

 こういう愛あるカオスノリで行くのも良いものだ。現在放送中アニメの中でなら「CITY THE ANIMATION」がノリ的にぱにぽにと一番近い作風になるのかも。

 

 全体的にロリな感じの女子キャラも可愛くて楽しい。教師、生徒含めて学校に変なヤツがいすぎて楽しい。飛び級で先生をしている幼女のベッキーというキャラのレア感が薄れるくらい周囲に灰汁の強い変人がいる。特に一条さんは一体何者だったのだ?と謎が深すぎる。

 今振り返ってみれば声優さんが豪華。現在ベテランの方々がまだまだ若手だった時のお仕事の形がここにある。

 後の時代に名前とセットで自分の仕事が形に残るのは素敵なことだが、その分プレッシャーもあるのかも。そう思えばただの社会の歯車か、それを円滑に回す油くらいの役割の方が気持ち的に楽なのかもね。というオタクアニメを見るにあたってあるまじきリアル性ある社会派なことを思う私は根っからのインテリ。そんなのだからたまにオタクの群れに入れば、信用性に疑いを持たれるコウモリのような扱いを受けることもある。だがその立場もまたなんだかんだ楽しいもの。我ながら楽しく人生してますわ。

 

 というわけで心地よきカオス感がたまらんオタクアニメの傑作として「ぱにぽにだっしゅ!」をオススメします。合わない人にはとことん合わない作風なのだろうけど、そこに合った時が気持ち良いんです。

 

 

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