こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

我が一撃は最強なり「影技 SHADOW SKILL」テレビアニメ版

影技 SHADOW SKILL」のテレビアニメ版は、1998年7月から12月にかけて放送された。全26話のアニメである。

 

 その内容は、OVAシリーズ以上に格闘術「影技」の真髄に迫るものである。その中で少年ガウが人間として、戦士として、そして最強の姉を持つ弟として磨かれていく魂の物語も付随して描かれる。とにかくハイカロリーで熱くて面白い。

 

 まずテレビ版のOP曲が超カッチョいい!

 そしてOPアニメーションも良い。ガウとエレ姉が鬼のような形相でガチ戦士モードに入っているシーンも見れる。

 一発聴いただけでOP曲が好きになったので、ここ数日はリピート視聴している。こうして呑気にブログにアニメ感想を打ち込んでいる今だって聴いているぜ。

 

 OPアニメ 

  ↓


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 というわけで、あなただけに許されてる伝説が今始まる。(←この歌詞めっちゃ好き)

 

 

影技 SHADOW SKILL TV版 全26話 DVD BOX シャドウスキルimport

 

 そろそろ本格的に世紀末が迫って世も色めき立つご時世での放送だったのだな。98年って改めて古い。スーパー戦隊なら「星獣戦隊ギンガマン」が放送した年だ。マジで関係ない作品を引っ張ってきてのことだが、参考までにどんくらい古いかの尺度としてお役立ち頂ければ幸いだ。ギンガマンはとても良い作品だった。

 

 そんなわけで楽しく視聴したテレビ版だが、すぐに気づくことがある。それはエレの髪の色が違うこと。OVAだと金髪ぽい感じだったが、こちらではしっかり赤色。

 林原めぐみボイス、格闘ヒロイン、おさげの要素から、OVAの段階でも十分に女らんまを感じていた。追加で赤髪にされたらもう完全にファーストインプレッションでらんまじゃないか。まぁ助かる。

 激戦の中でおさげが解けて髪を全部降ろすシーンも見れる。あちらのエレ姉も良し。

 

 他の変更点は、OVAではスカーフェイスの声が大塚明夫だったのが、テレビ版では松本保典になっていること。どちらもしっくり来るし、好きな声なので問題ない。松本保典のイケメン声は良いな。

  

 クセが強い演出として印象に残るのが、作中で唐突に現れる字幕。

「我は最強なり~」から始まる武技言語の発動シーン時、技名を叫んだ後に字幕が出る。他にもナレーションの代わとして字幕を表示する箇所もあり。

 各員の技名が「刃拳(ハーケン)」「空牙(くうが)」「裂破(レイピア)」など、まるで「夜露死苦」のごとく勝手に作った漢字読みになっているのが特徴的。こういのは漫画からアニメにすれば分かりづらくなるので、きっちり表記する分には良い。でもなんか演出がダサいんだよな。

 字幕を出す分には悪くないのだが、一昔前のワープロで打ち込んだようなお堅くも冷たい感じのする事務的フォントなのがちょっと気になる。もうちょっと柔らかいフォントで出せばよいのに。あの感じの文字だと違和感が強い。と、事務作業経験もいくつかこなした経験アリな私なりの解釈で演出についての感想を述べてみた。

 

 話数をかけた分だけOVAでは見えなかった世界観、キャラクター達の魅力も分かる内容になっていた。無駄に話数が長いだけでなく、限られた中に作品の魅力をみっちり詰めんこんだハイカロリー仕様になっていた。総合的な感想を言えば、しっかり面白い。とっても良い作品じゃあないか。

 

 物語の舞台となる「聖王国アシュリアーナ」の全体像が掴めた。思った以上に中世ファンタジックな街並みで、なろう系とかにありそうな王国だった。

 天野由梨演じるピンク髪のお姫様ヒロインが登場する。あれは可愛かった。

 

 王様、お姫様がいて、傭兵戦士であるヴァールは何をおいてもその守護に務めることになる。物語の途中では、国の転覆をかけた戦争も起きる。その際には王宮の兵隊よりも先行してエレ達戦士が戦うことになる。セヴァールは怪物級に強いから一個小隊並の扱いになっている。結構理にかなった配置なのかもしれない。

 普通の鎧騎士が多くいる中で装備の薄い超人戦士がいるという絵面もちょっと面白い。

 

 クルダ流以外の他の流派の技使いも登場し、それらがよその国に所属しているから揉めないようにという政治的やり取りの要素もやや見られる。エレ達強者はもはや兵器並に強いから、その手の人物を投入しての戦争はヤバいと各方面が考えているのだなと分かる。

 

 ファンタジーだとは分かっていたが、テレビ版ではサイ・オーという剣の使い手が、まるでジョジョのスタンドのようなファンタジーの怪物まで出して戦うのでびっくり。こんなの相手でもエレは格闘術オンリーでやりあうからすごい。

 

 中盤でガウが一騎当千のファイトを見せて武勲を上げる戦争。

 GカインがNARUTOでいうところの木ノ葉崩し並の大事件を仕掛ける展開。

 最後のレン・フウマが国に乗り込んで来る戦争。

 ここら辺が大きな見所となっていた。

 

 大規模な戦争勃発、たった一人でもめっちゃヤバいヤツが乗り込んで来るなどの点にスリルが感じられた。スリルの中で展開するハイカロリーバトルに手に汗握るのである。

 

 カインの中でゆっくりと育った狂気が放たれるエピソードはゾクゾクきて良かった。演じた辻谷耕史の狂気めいたボイスが良い。この人の声は綺麗で格好良い。

 カインはエレの一つ前のセヴァールでありながらも、王国に反旗を翻した反逆者として描かれている。木ノ葉崩しみたいな事をやってのけたので、NARUTOでいうと抜け忍んの大蛇丸みたいな感じかな。私ってばNARUTOめっちゃ好きだな。

 カインを囲んでエレ、スカーフェイス、カイ、ダークネスが集結するシーンはゾクゾ ク来た。強者が大集合した状態ってそれだけで興奮するよな。セヴァールにも何代目とかがあって強いヤツの系譜となっている点で燃える。

 栄光を掴んだ優秀なセヴァールの中にも、強さを求める内に闇落ちする運命を辿る者があるというシリアスさも見える面白いエピソードだった。

 

 終盤を盛り上げたレンは清々しくヒールでムカつく。若き日の関智一が渾身の悪役ボイスで演じている。

 クルダ流の裏流派を操るレンは意外にも強かった。小悪党キャラと一緒に出て来たからもっとモブな役割かと思ったら終盤まで出てくるキャラだった。

 だいぶムカつくキャラだったけど、覚醒したガウがぶっ飛ばしてくれて安心した。

 

 レンが攻め込んでくるラスト2話では、月から重要人物を召喚したり、空に浮かぶ城が落ちてきたりととんでもない大規模なファンタジック事件が展開する。落ちて来る空島の破片をエレが物理の力で砕くという超人ぶりを発揮しまくりな流れもありだった。

 なんか色々ごたついて凄い。OVA一期視聴時には、狭苦しいコロシアムで格闘バトルをするだけのイメージだったが、それがここまでぶっ飛び展開になるとはな。終盤展開は派手だった。

 

 バトルの描写は熱くて良い。それが本番の作品だしね。 

 序盤では未熟だったガウが、師匠である姉はもちろん、他の戦士とも拳と心を交えることでどんどん強く逞しくなって行くサクセス展開が楽しめる。

 友人のロウを倒してしまったことで苦悩し、それを先輩戦士のスカーフェイスの言葉を得て乗り越えて行くガウの心の成長が描かれるのは深い。

 姉の兄ということで必然的に魂の兄弟になったディアス兄さんがその命を賭してガウに戦士の矜持を示してくれる点も熱くて良かった。ディアスがブーメランを投げて戦うのは格好良い。ミドレンジャーの頃からブーメランはちびっ子の憧れの武器。

 

 己の成長に関わった人間達からもらったアイテムを身につけることで、ガウは友の魂をも連れて戦うことになる。ココが良い。

 大一番を迎える際には、ロウのピアスを耳につけ、スカーフェイスからもらったハチマキを額に巻く。決意の装備で固める点が熱い。第2部のジョジョが亡き友シーザーのハチマキを巻いて戦場に魂を連れていくみたいな、あの感じを想起してグッとくる。

 

 エレだけでなく、その周囲の戦士達もガウの育成に一役買ってくれる関係性が見える。強くなって行くには良い土壌が出来ているではないか。

 ディアス兄さんとスカーフェイスが、ガウの育成方針で揉める展開も印象的だった。

 

 ロウ、ディアス、スカーフェイス、エレら戦士達がガウに示す物は、戦士の矜持であり、その中でも強さを得る意味について深く語ってくれる。

 アホみたく殴って蹴ってを行うファンタジーモノではなく、各員の言動に意味と魂の熱を感じる事が出来る。この点が作品の良さだ。

 兄弟、先輩を含めた多くの仲間との交流を経てガウが着実に強くなる魂の系譜を描いた点に感動出来る。何を置いてもまずはエレ、ガウの兄弟愛を綴った物語である点も当然良い。

 

 それにしてもガウはバトルにおける負傷の度合いがすごく、毎度ボッコボコにされている。それでも帰還しては経験値をしっかり得ている。めっちゃ丈夫な主人公だった。

 そんなバカみたく丈夫という点については、ガウをボコボコにした一人のレンも突っ込んでいた。

 

 基本はゴリゴリのバトルを行っていくわけだが、コミカルなシーンやラブな点も見所。

 序盤だとエレがまるで疫病神のように行く先々で面倒を起こし、同時に借金も作る始末。金の用意がいるので、一行は宿屋で住み込みバイトをすることになる。戦争で国から招集がらかかる事がなければ、エレ達一行がやるのは宿屋の仕事になっている。

 エレがおっさんに混ざって軍鶏の賭けバトルをしているシーンはちょっと笑った。

 

 キュオを中心に置いて、ロウとガウの間に面倒が起きるラブコメのような平和展開も序盤には見られた。 

 キュオはガウラブで、終盤ではエレに対して、ガウの事を弟だけでなく男としても見てはいないかと尋ねている。お姉様に対してなかなか攻め込んだキュオの頑張りも記憶に残る。

 

 第14話の「月影神殿」という回は、ここだけのゲストキャラが登場して遺跡調査をするだけの内容になっていた。派手なバトルはなしでメイドインアビスみたいな事していることから、他とはテンションが大きく異なる回になっていた。放送期間の真ん中の箸休め回みたいな感じで印象に残る回だった。

 

 

 展開も面白かったし、キャラクターも魅力的。各員を演じる声優達も有名人が揃っているから楽しい。中だるみなく26話を楽しめたな。

 意外にもハマった。これはBD化して欲しい。そうすればもっと広く皆に知ってもらえるではないか。

 

 というわけで、強者達の最強の一撃が楽しめるハイカロリーバトルアニメの「影技」は名作だった。

 

 思わず言いたくなる武技言語は、やはり思わず言ってしまう物なので、ここ最近は日常生活でこっそり唱えたりしちゃっている。これについては、中2病のぶり返しと家族に疑われないよう要注意だぜ。

 

koshinori.hatenablog.com

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