こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

2023年のアニメの感想(7月~9月)その15

 自分がこういうアニメを見ているということは家族にバレている。隠すことなく見ているからだ。

 で、聞かれることがある。

 

「コレの何が面白いの?」と。

 

 面白い物はそのまま面白さを語っていけば良いのだが、中には確かに何が面白いのだろう?じゃあ私はなんでそんなものを見ているんだろう?と面白さが不明な変なアニメも少なくない数ある。そこに気づく。

 

 こうして人に問われて意見を発するようになると、改めて日本アニメって作風からクオリティまでピンキリなんだなって分かってくる。

 このばらつき加減もまた一つの面白さだよね。全部面白いとたまにつまらないを求めてしまうちょっと皮肉めいた趣味が出てくるし、全部つまらないといい加減にしろと普通に怒る。

 

 何事も全体のバランスが大事なんだよな~。そんな感じで何が大事が気づいた夏の終わりに愛しき夏アニメをいっぱい振り返ろう。

 

 

ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜

第1話 アキラ オブ ザ デッド

 これはちょっとだけ気持ちが分かる導入。

 ブラック企業で死んだような人生を送る状態からの脱却が叶うなら、マジで何でも起これという負の境地に追い込まれた主人公。その状況をなんとかしてくれるのがゾンビパンデミックだった。

 こんないつ死んでもおかしくない状況に追い込まれてもなお、生も死もあったもんだじゃないクソみたいな会社員生活と比べると超まし。そんなアキラくんの心中はマジでやばい。追い込まれすぎ。

 ここまで露骨なブラックはさすがに作り物かもだけど、それでもホワイトと呼ぶにはあまりにも色が濁った会社も現代にはたくさんあるのだろう。そう思えば導入部分だけは世相を反映したリアル思考な作り。

 私は幸いホワイト企業しか当てた事がないからブラック企業戦士の死にたくなるような想いへの共感はまるでない。でも日々単調すぎる学校生活に対してなら「地震で校舎が割れないかな~」、あくまでも全員帰宅した後の犠牲者無しの状況でなら「ヘリでも突っ込んでこないかな~」と思ったことがある。それはしっかり記憶している。

 

 まぁ何か大きな事があって自分の世界に分かりやすい非日常が舞い込んで来ると結構嬉しい楽しい、そして大好きになれる。その心理は会社員にも学生にもある。そんなわけで導入部分には共感出来る要素もちょこっとあります。

 

 原作を知らない人間だと1話目の入りがまさかそう来るとは思わないからびっくりでした。継続視聴したくなる爆発力は結構ある。まぁあまりそれが強いと出オチ要素になる可能性もあるが。今期だと自販機転生アニメなんかが特にそうだった。

 でもこれはその後もなんだかんだ楽しく見ています。作画も良いし、人生観、死生観も結構語っている良い話の感じもする。それとヒロインが可愛い。

 ゾンビになんかなる前にやりたいことはちゃんとやっておけ、こんな尻に火がついた状態になってやっと無職転生みたく「本気出す」では遅いってことだな。そこが学びになった。

 私もゾンビに噛まれるその前にやりたい事はやっておこう。これを見た人間達に向けて飛ばしたいメッセージはきっとそれなんだな。良いことだ。

 そもそも自分のやりたいことが分かっていないってくらい自分への興味と理解が乏しい人間が多くいるのも現代人思考が導く結果だな。まずは人として生きて自分に向き合おう。

 

 しかし、明日から会社でがんばるぞい!と意地でも頭のチャンネルを合わせて行かなければならない日曜午後にブラック企業アニメを流すのもなかなかチャレンジャーな判断だったな。皆さん、日曜日の心地良さに心を引っ張られすぎないで下さい。抜け出せなくなると月曜日出勤が無理になります。

 

 アキラがゾンビから逃げまくる第1話後半の作画が超元気で良かった。作画が良いだけに、ゴールまで息が持つのかとちょっとの不安があるスタートとなったが、その不安通りゴールが無理だった。

 全然放送せんやん。一番の印象がそれだな。9月中には9話までしか放送出来ていない。その後の放送予定は一体どうなることやら。

 これは仕事が遅いです。昔から遅いことは亀でもやる、そんで田舎の亀の動きは言うほどトロくなく結構速いとも言われています。つまり、遅刻は信用を下げるだけでメリットがないってこと。

 

 まぁ詳しい状況は知らんけど、一説によると無茶な労働を要求するブラック企業をテーマの一つに盛り込んでいるこのアニメを作る会社の仕事がそもそもブラックなのでは?だから放送を落としているのでは?という皮肉が効きすぎている説も浮上している。

 やっぱり企業の内面のブラック化は是正していかねば良き日本社会、もっと範囲を絞ればアニメ業界は実現しない。世の中よ、もっとホワイトになれ。

   

 芸人を呼んでのゾンビトーク、そもそも全然放送していないのにもう総集編をやるなどしてなんとか繋いで今に至る。放送が遅れていつまでも本編に出れないってことで、本編に先んじて総集編の段階でベアトリスが出て来ていたし。演じた高橋ミナミもいつになったら自分の芝居がテレビに乗るんだって思っていたはず。

 あまりにも新作を放送しないものだから、待機期間に赤楚くんが出ている実写版の方を見てきたくらいだし。当初は見るつもりが無かったのだけど、このイレギュラーな放送スタイルのせいで赤楚くんとばったり出会うターンに突入してしまった。まぁそれも悪くはない。

 

 それでもノロノロ放送した分の本編は楽しく見ています。

 シズカさんはエロく格好良く、そして美しかった。人生はリスクヘッジが大事って学びました。

 金髪ポニテのベアトリスちゃんも目の保養になりました。

 人食いサメを倒す方法は、酸素ボンベを噛ませてそこに銃弾を打ち込んで爆殺するしかないと思っていたけど(←名作「ジョーズ」で披露された攻略方法)、弱点となる箇所に電撃をぶちこむことでもなんとかなるんだって学びになった。もしもの時のため、金に余裕が出来たらシャークスーツの用意も考えておこう。

 

 アキラとケンチョの並びを見ると、グレンラガンのシモンとカミナ兄貴のコンビを思い出す。遠目に見ると似ているような。

 すぐ脱ぐケンチョのノリの良い同級生感は好きでした。ケンチョはS&Mの駆け引きが楽しめる例のホテルに行っていなかったらとっくにゾンビに殺られていたな。あっちの世界に造詣が深い人間性ゆえ生き残ったラッキーなヤツ。お笑い芸人になれるその日まで頑張れ。

 

 上司から部下への闇の刷り込みが見えるブラック企業ならではの上下関係構築を描くシーンも印象的。怖い上司の小杉さんがアキラに接する態度がそれだった。

 まさにアメとムチの教育方針が取られ、恐怖と優しさを交互に注ぎ込んで組織への帰属意識を断たないようしつけている。怖い。この要素は同期放送のユニークスキルの異世界クソアニメでも描かれていた。

 恋人がDVしてくるのになんだかんだ離れられない人がいるけど、あれも同じからくりで心を縛り付けられているんだな。人間心理の闇の法則が見える内容でもあった。

 

 ゲストキャラ、モブゾンビに有名人を起用しているのも良かった。死にゆくキャラでも好きな声優が演じてくれると嬉しいね。

 先輩のゾンビコンテンツ「ゾンサガ」でゾンビアイドルを演じたあの人達がこっちでもゾンビ役で出ていた。あれはさすがにテロップを見ないと分からんて。ていうかゾンサガの映画をやるやる言ってしばらく経つけど、どうなってんの?本当にやる気あるの?

 実写に出た赤楚くんも何気にちょい役で参戦している。制作に余裕はくせして、こういうサービス要素はしっかりしている。

 

 にしても日本人はゾンビが好きだな。「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」「さんかれあ」「これはゾンビですか?」「ゾンビランドサガ」などなど、定期的にゾンビアニメが上がってくる。そして私もゾンビが好きです。

 

 10月からも付き合っていくことになる枠なのでこの先も頑張れと言いたい。遅れたのならせめて最後まで綺麗に描く良いアニメにしよう。

 

闇芝居 十一期

 安定して深まる闇感がもはや心地よい。普段陽キャをやっていると、ああも日当たり具合が悪い世界に見る新鮮さがすごい。というわけで闇も悪くない。

 1話目から順調にキショい。呪いの人形ネタは同期放送の「ダークギャザリング」と被っていた。なんたる偶然。

 

 しっかり「怖い」の感情が沸き起こるその前に「おしまい」になるこのスピード感が時短社会に見る分には丁度よい。30分見ても結局何の感情も生まれない異世界の間抜けな作りと比べると、5分と無いこっちの怖い紙芝居の方がどれだけ優れた作りかって話だ。

 ていうか第11期をやるってすごいな。しぶとく続いたショート枠としてすぐに名前が出てくる「てーきゅう」のシリーズもとっくに越えたな。

 

 津田寛治の「闇芝居の時間だよ~」と最後の「おしまい」の声が脳裏に焼き付いてコレを書いている今でもリアルに脳内再生されている。

 

 では愛しきショートなキショい世界よ、第12期でまた会おう。

 

幼女社長R

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 日本人って小さいものが大好きですよね。中でも幼女ってずっと人気の不朽のコンテンツですよね。そこにはイイね!をしてあげたい反面、それで大丈夫なのか?と警鐘も鳴らしたい今日このごろ。私だって色々考える時の旅人なんです。 

 そんな感じの日本文化、ていうか国民の趣向だからこそ発したあの幼女アニメが帰ってきました。前作にかなりハマったのでよく覚えています。2期が来て嬉しい。

 

 相変わらず主演の日高里菜の良い所をめちゃ引っ張り出せる良きアニメだった。

 彼女が演じる幼女社長が歌うエンディング曲がネタい。野太いおっさん声で「可愛い!」の合いの手が入るパートに笑った。

 

 1話目から新入社員の新キャラが登場したが、もともと1話がすごく短い、加えて既に癖のあるキャラのオンパレ状態ということで、地味な彼女の出番はあまり無かった。

 今回も社長と仲間達がわいわいやってとっても楽しいと思うままあっというまに放送が終わりました。

 多分OPとEDを合わした時間よりも本編の方が短いくらいの構成だったはず。長々とやるような真面目な内容ではないものの、もう少し長く見たいとは思う。ちょっと伸ばして10分枠でやると良いかも。

 

 ノリが昔読んだアホみたいなギャグ漫画の「ピューと吹く!ジャガー」みたいなんだよな。このアホなノリが好きです。学校の仲間ともそんな感じで絡んでいました。

 サンドイッチを売るための戦略を練った結果サバ丼を出す、寿司を極めた結果ハンバーガーを出す、などの過程から全部間違いなバカな落ちはジャガーさん的テンションで好きだった。

 寿司だと言い張って出されたハンバーガーを食っている客がどう見ても「美味しんぼ」の海原雄山だった。その客を演じたのは大塚明夫だった。海原雄山を演じた大塚周夫の息子です。これはナイスな配役。ここは声優好きには嬉しいネタになるポイントだった。親子揃って偉大な役者です。

 

 小倉唯がめちゃ腹黒いタレント女の新キャラ役で出たのは記憶に残る。そんな彼女と日高里菜の萌え声使いの強者2人がセットで見れて嬉しかった。

 

 最終回は会社を飛び出してフザケた野球大会をやっていた。働けって。一応会社アニメなのにお仕事感全然無いやん。

 ボールは固くて危ないってことで、ボールっぽい犬を投げているギャグ仕様だった。自由にフザケていてナイス。こういうノリで良い。

 

 3期もやるなら見ます。

 

フェ~レンザイ -神さまの日常-

第1話

 なるほど、神様にも色々いるのかと勉強になりました。中国の神様+妖怪達が楽しく過ごす日常ものです。

 たまに入ってくる中華アニメです。中国にもこういうノリの作品があるのね。

「時代は韓流だ!」って流れがあったことから、学校では韓国語の授業を選択した。なので中国のことは良く知らない。おまけに行ったこともない。そこでこいつを見たのでちょっと勉強になりました。

 

 丁度人からもらった蓮根を美味しく食っているところなんだけど、登場人物のナタが蓮根の妖精、ていうか神というありがたいポジのキャラなんだよね。蓮根はとても美味い。感謝。

 

 キャスト一覧を見れば一目瞭然でズラリと有名人揃いだと分かる。マジで知らんアニメだけど出演声優だけで見る価値があると判断した。

 そしてもう一つ気になるのは、HiHi Jetsのゆうぴーこと髙橋優斗、7MEN侍の中村嶺亜が声優として出演していること。ちょい役で退場ではなく、全編に渡って登場する出番の多いキャラを演じていた。結構大変だったんじゃない?

 OPとEDの主題歌もジャニーズより参戦した2名が所属する各グループが担当するという珍しい要素があるアニメだった。そういや昨日ジャニーズの会社名が変わったよな。ていうか「そういや」どころじゃない時代が大きく変わる重大案件だった。色々あるけど頑張れアイドル達!

 

 アニメーションはキャラを可愛く元気に見せる作りで良かった。

 メインで出ている九尾の狐のキュウゲツを見た時、あれって中国産だったのかと思った。九尾の狐といえば「NARUTO」のクラマやポケモンキュウコンがお馴染みだけど、あれって中国産だったの?それとは別に日本産の九尾もいたのかな。九尾の狐に思いを馳せる夏にもなりました。

 

 乳首の所に目があるケイテンの体の構造が面白い。そういえば人の目ってなぜこの位置なのか。左右対称に置かれた部位なら他にもあるから、乳首の位置に目があっても不自然だけど不思議ではなかったような。そんな感じで人体の神秘や仕組みの不思議についても考える夏になった。

 

 うさぎのたまちゃんが可愛かった。

 

 毎度のサブタイ表記の際にキャラが一言メッセージを添える、ハクタク先生の教室コーナーがあるなど、割と細かい所にもこだわった愛ある作りが見えた。全体として好きな作品でした。2もあるならまた日本に流してくれば良いと思う。

 

koshinori.hatenablog.com

 

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