こしのり漫遊記

どうも漫遊の民こしのりです。

退職代行とかいう新時代サービスが流行っているらしい

 最近Yahooニュースで知りました。退職代行がブームらしい。

 仕事は始めるのも辞めるのもそこそこに面倒臭い。だからその最後の面倒を肩代わりしてくれる会社があるというのだ。

 コレすごいな。こんなのが流行るとか世も末っていうか、それはそれで既に末を越えての新たな時代の始まりなのかな。とにかくなんかオモロイ風潮。

 

 仕事をしたい人用の転職支援サービスが流行っているのは結構前からのことらしいが、次には逆の辞めたい人間用のも来たのか。これも隙間産業ってやつだな。よくぞそこのみを突いた仕事を思いついたなぁ。

 普通ならやりたい人のためのサービスを積極的に考えがちなものだが、やりたくない人用という逆の道でも儲けられるよう上手いことレールを敷いたな。面白いっす。

 

 退職代行なんてサービスがあると知った時には、こんなもん誰が使うねんって思った。

 だいたいこれから仕事を辞めて無職になるって時に(次が決まっている場合もあるけど)わざわざ金を使うことがあるかよって思ったのだけど、そこにわざわざ使うやつがしっかりいた。

 

 5月病にかかる人が特に使いたくなるらしく、5月には退職代行の実働が忙しいらしい。それもニュースで知った。そしてもっと気の早いヤツなら新社会人になった4月始めからも使うらしい。やべぇな。

 ていうか5月病って何なんだ。12ヶ月ずっと病気無しだからなんのこっちゃな世界。

 

 こいつは一体どういうことなのかしら。入る時も出る時も他人からの支援で行くのかな。転職サービスで入って退職サービスで出るヤツとか社会人ライフとして色々新時代過ぎる。

 

 私は入社、退社それぞれ経験があるのだが、どちらをやるにも人の手を借りようっていう発想が無かったなぁ。知っても使おうと思わないし。入る方が難しいと思うが、辞めるのにそんなに難しいことがあるのだろうか。

 例えば辞めるって言ったら殴って来るヤバい先輩がいるとかだと怖いからちょっと納得だけど。そんなこと無くない?金払って人を呼ぶって大事だよな。

 

 会社に入る際、辞めるなら一月前か半月くらい前には言ってもらって、それで後任のこととか調整して晴れて出ていってもらうっていう流れになると説明があった。多分どこの会社もそんな感じで一応の流れがあるはず。

 退職代行だとその期間も短縮してかなりスムーズに社から姿を消せるらしい。仕事を辞めるのが決まった後にも半月くらい一緒に働くのは気まずいという意見もあるのだろうけど、それでも金を使って人に頼むまでする問題かな。

 

 辞めるのを自分の口で言えないなんて情けないという意見も見る。まぁそこは大きく反対しないなぁ。私の場合だと別に言えないことはなかったなぁ。簡単な仕事でした。

 辞める理由は続ける理由がなくなったからだった。未練もなければ遠慮も無しに退社できちゃったなぁ。軽く引き止めはあったけど、しつこいことはなかった。引き止めの勢いがエグいパターンもあるらしいけど。

 辞める時には、残った有給をオール消化することを忘れてはいけない。私の場合は有給オール消化で金もしっかりもらって辞めた。まぁ相手がホワイト企業だったので。

 

 良い大人が会社に辞めると言うのをビビって代理人を立てるっていうのが信じられないな。そんな時代か。ていうかそれがセーフで、代理人の仕事として稼げるのがすごい。

 自分の所に退職代行人が来た会社上司とかどんな気分なんだろう。なんか複雑な気分になりそう。それを使われたことでムカついてブッコミをかけてくるパターンはないのかな。

 

 この辞めることへの面倒から思い出した事がある。

 その昔、私が学校で部活をやっていた頃の話だ。ここでも続ける理由がなく、ていうかもっと言えば始める理由もなかったため、辞めようとなったのだが、スムーズに行かなかった。

 始めたのは自発的ではなく、同級生間でとある取引があって入部したのだ。その取引で私が美味しい思いが出来たから入っただけのことだった。まぁ入ればこういうことをしてやるという個人的なお得話があったわけだ。これは親も学校の先生も知らない話。子供が部活に入る理由は様々あります。

 で、退部がスムーズに行かなった理由は、辞めるなら辞めるで手続きがあり、それが面倒になったから。そういうことならこのまま続ける方が楽かも~となり、いつ辞めても良い心でいながら退部手続き完了が半年くらい延長された。

 これだな。退職サービスを使いたい想いの根っこはこれにあるのかもとちょっと真実が見えてきた。

 辞めるのが面倒になって、辞めることをまた取りやめにする。そうして今まで通りにしていれば楽だから続ける理由もモチベもないくせして惰性で行く。辞めずに続けているにも関わらず、それを叶えているのは、怠け心で続く惰性によるもの。そんな矛盾したような、それでいて真実でしかない原理で人は辞めることを辞めて惰性で生きて行くのだ。

 あるぞこれ。怖いようできっちりある人の怠惰で続く負の連鎖。自分の人生にも一度それを見てしまっている。

 

 だから外部から、つまりは誰か別の者が力を働かせることで、不毛な惰性に終止符を打ってもらうことになるわけだ。それで退職代行なんて物が成立する。

 これの需要と供給が成り立つ仕組みなら、学生の頃の体験でなんとなく予想できてしまった。なるほど、惰性からの脱却を叶える気力と行動力が無い、あるいはそれが不可能なレベルで弱っている人間が代行なんて物を使うのかぁ~。と自分の人生経験から考えてサービスの流行に一人勝手に納得。

 

 私の場合は、学生時代にその点に納得していたから、会社を辞める時にはいつまでもダラダラしていてはいかん!となって一人で辞めるために行動出来たわけだ。

 

 思ったけど、私が退職代行で働く方が向くのかも。私なら自分で言えるから、ここのお客さんには絶対にならない。でも割と平気でズバズバ言えるから提供する側なら向くかも。まぁそんなに甘い世界ではないのかもだけどね。

 

 退職代行を使う人にこれといって良いイメージがないのだけど、それでも会社に入れたのは事実で、一応は就活に成功しているから偉いじゃないか。そもそも入社出来ない人、もっと言えば入社のために動くことも出来ない人も多くいる時代だからな。まぁニートが多い時代だからね。じゃあ退職代行なんて物を使うに至っているだけでとりあえずは及第点だね。←何様?

 でももしかすると退職代行人サービスを使ったのが社会人として最後の時で、後にはニートになるのかもしれない。そうなると退職代行サービスが会社員をニートへとスムーズに導く困った道を築いているとも思えてくる。

 こういうことを考えるとなんか面白いっす。

 

 面白いといえば、リピーター様は割引キャンペーンを受けれるという退職サービスもあるということ。二つ目、三つ目の会社も同じ業者を使って辞めてくれたら割引されるらしい。これはなんとも退職煽り(とも取れそう)なサービス。

 今後皆さん安心して辞めれるってわけか。これは良いことなのか悪いことなのか。ちょっと苦笑いで考えてしまう内容。

 一回世話をして「コイツは次もすぐ辞めたくなってここに戻ってきそうだなぁ」とプロの勘で未来のお得意様になるであろうヤツにツバをつけたりするのかな。退職サービス側もそっち目線で人を見る能力が伸びそう。

 

 時代と共に会社員マインドも変わるよね。まぁ私は「労働」っていう物を意識的に重視せず人生を楽に生きることに全振りなもので、こういうことは結構どうでも良いと思っています。まぁ始める、辞める共にどういう形にするかは各々好きにしてって感じ。

 我々のジイさん世代だと「退職代行なんてヌルいことやってんじゃねぇ!やるもやらねぇも己一人の意志と行動で貫徹せよ!」くらい言いそうだけど、まぁ労働なんて人生のおまけくらいに思って人任せに行くマインドでも別に良いんじゃね?と私は思います。

 

 とにかく退職代行なんて物が流行るようになった世の流れや仕組みの在り方に面白みを感じた。

 まぁ気楽に行けるなら就職でも退職でも便利なサービスを使ってもいいんじゃないかな。本来なら慎重に行くべき人生の岐路がよりポップになるなんてそれはそれで面白い。

 自分で行くべきか、楽に代行を立てるか、そこの所の判断だけは慎重に行っとけ。

 

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